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呼応  作者: はじめ
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私の部屋にはサメが飛んでいる。

海面の獲物をパクリとやるために

海中へ深く潜って下から獲物めがけて

いっぺんに飛び上がる。

エアジョーズと呼ばれたりするあれです。

口をなるたけ大きく開いて

海面のぎりぎりまで獲物を見つめて

いよいよ飛び出すというときには

ぎゅっと目をつむるのです。

一節には目を獲物の抵抗から守るためとか

水の抵抗を受けるのを避けるためとか

言われているようですが

私の部屋のサメは目をつむらない。

つぶらに開いた黒目のまま

天空を向いて飛んでいる。

正確には壁のフックに垂らした紐に

胴体を釣られて飛んでいる。

最も省スペースな飾られ方で

落ちることないエアジョーズ。

フェルトの歯列と

化繊のモフみのエアジョーズ。

枕に頭を乗せて見上げれば

サメの尾ヒレに手が届く。

ぎゅっと掴んで

閉じない瞳の代わりに目を閉じる。

すると朝は一瞬のうちにやってくるが

次の瞬間には夜に落ちている。

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