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呼応  作者: はじめ
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青が消えると黄が灯る

黄が消えると赤が灯る

目的地に向かうには

色分けされた規則に沿って

整理された軌道の上を

素直に辿っていかなければいけない

一度覚えてしまえば難しいことはない

従っておけば滅多なことで事故も起こらない

別に文句を言いたいわけではない

これは集団が穏便に日を送るための

先人が考え出した賢いルールなのだから

ありがたいと思いこそすれ

文句はない


こんにちわから始まって

私の名前はなにがしですと紹介し

相手方もまた私の名前はなにがしですと紹介し

時節や身の上の話などしながら

お互いに関わることで自らに降りかかる不利益がないか

用心しながら知り合ってゆく

そうした上澄みのやり取りを続ける最中

少しでも不利益の気配が見えたなら

そっと掬い取って捨てればいい

なんせ上澄みなのだから

お互いの核心を損なうことはない

別に文句を言いたいわけではない

これも集団が安穏に日を送るための

先人が作り上げた尊いシステムなのだから

ありがたいと思いこそすれ

文句はない


利益不利益

わかりずらさ煩わしさ

戸惑いいらだち

全てが取るに足らないことになる

一足飛びの直結交信


縦横無尽に道路を突っ切り

建物が崩壊するのも構わずに

目的地に向かって一直線


そんな世界もあることを

ほんの五年前に知ったばかり

使い慣れたルールもシステムも使い物にならない

もしかしたら自分も関わる者も傷を負うかもしれない

それでもその先にあるものを

知りたくてたまらない

そんな世界があることを

ほんの五年前に知ったばかり

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