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6 『POW-Prison Of Worker-』

『国の権力は、時に、国民に対して暴力と成りうる』 by蜂月皐

タバコが吸い終わった僕が宿に戻ると、

 何やら慌ただしい。


 「あっ、お兄さん帰って来たー!」


 出迎えたのは、酒場兼宿屋の少女だった。


 「じ、実は今、」


 少女が話始めると同時に割って入ってきたのは

 完全武装した兵士達だった。


 「お前がそうか。おい、店主、少し部屋を借りるぞ。

  貴様も付いてこい」


 また、このパターンか。

 昨日もガラの悪い男達に絡まれたばかりなのに。


 「あのぉ、僕はあまり人と関わるのは、好きじゃない

  んだ。すいませんが、またの機会に」


 よーし!今度は丁重に断れたぞ!

 昨日の反省が今日の僕を成長させたな。


 「あぁ、いや、言い方が悪かったか。元々、君に

  拒否権はない。これは、命令だ」


 そうゆうと、兵士たちが僕の腕をつかんだ。


 この時代のやつらは、強引な輩が多いみたいだ。

 だが、今の僕ならこの掴まれた手を振りほどく

 ことも、この兵士達をやっつけることも容易い。


 「こっちの言い方も悪かったようだ。強行には、

  強行で対処させてもらうよ。目には目を歯に歯

  を。そもそも僕は、人と慣れ合うのが嫌いなん

  で」


 結局、言ってしまった。やっぱり、1回反省した程度

 じゃ、僕の根元は変わらないか。


 兵士の手を振りほどこうと力を入れる。


 ん?あれ?

 びくともしない。

 なんでだ?


 (『シャッフル、どうゆうことだ?』)


 返事がない。


 (『おいッ、シャッフルってば!』)


 返事が無い。



 「こいッ!」


 僕は、抵抗できずに奥の部屋へと連れて行かれた。


 「そこに座れ」


 抵抗できない僕は、用意された椅子に腰かける。


 「さて、我々がここに来た理由は分かっているな」


 我々?

 理由?

 

 「知らねーよ。大体、お前ら誰だよ」


 「はぁ、白を切るつもりか。我々の前で良い度胸だ」


 そうゆうと、兵士達は僕を羽交い絞めにした。


 「少し、教育してやろう」


 次の瞬間、僕は嘔吐して、地面に倒れ込み、

 のたうち回っていた。


 兵士達のボスキャラに腹を殴られたようだ。


 それにしてもおかしい。

 僕には、オープスの影響で身体強化が付与されている

 はずだ。この程度の攻撃なら効かないはずだ。

 

 地面に這いつくばる僕を無理矢理立たせ、元の椅子に

 強引に座らせる兵士達。


 「服装からするに余所者か?面倒だが、我々について

  教えてやる」


 無理矢理、部屋に連れてくる前に、そうしろよ!

 初対面なんだ。礼儀だろ!


 まだ嘔気がする中、僕は言葉を発せずに兵士達を

 睨みつけた。


 「威勢の良いやつだ。まだ殴られ足りないのか?

  まぁ、後で好きなだけいたぶってやるから、今

  は、人の話を聞け」


 兜をかぶってはいるが、その下の表情が容易に想像

 できる。


 僕を見下し、嘲笑ってやがる。


 「我々は、POWの兵士だ。貴様が昨夜、ランク2

  オープスの不正使用を都市内で実行したため、

  捕らえに来た」


 POWだと!?

 あの空間拘束のPOWのことか。


 「本来、ランク3相当のオープス使用では、空間拘束

  が発現するのだが、ランク2オープス所持者とも

  なると、空間拘束では捕えきれないもんでな。

  その場合は、こうして我々が直々に動く」


 あっ、そういえば昨日、オープスの能力を使って、

 水神龍の背中に乗ったな。

 つーかあれ、不正使用になるのかよ!

 シャッフルのやつ何にも言ってなかったぞ。

 むしろ使えって………。


 「その表情、心当たりアリだな。よし!話は済んだ。

  自供したし、連行だ!」


 「ちょっ、ちょっと待て!僕は自供なんて、」

 

 「「「リード!」」」


 兵士達が一斉に、オープスを使用し、僕は無抵抗の

 まま、なんの了解も無しに空間拘束された。

 

 

 

 そして今、僕がいるのは、POW。

 プリズン・オブ・ワーカー。

 社畜の監獄。

 捕虜となったのだ。


読んできただきありがとうございます^^


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