5 『精神安定剤《タバコ》』
私の持っている宝石も光らないかな~
とんでも能力発現しないかな~
しないかな~
………
僕は今、ランク1オープス水神龍の
身体の上に立っている。
(「シャッフル。コレってまさか、瞬間移動か?」)
(『そうだ。これがこのオープスの能力の1つだ。
ほら、さっさと体表にくっついているオープス
を拾え』)
チートだわ。
僕は、色々と思うところはあったが、急いでオープスを
拾い集めた。
(「これでいいのか?」)
(『ふむ。やはり、体表面ではランク5~4くらいしか
ないか。まぁとりあえず、目的は果たした。
引き返すぞ』)
宿に戻った僕は、広い集めたオープスをテーブルの
上に並べた。
(『ランク5が3つ、ランク4が2つか。
まずまずの戦果だ』)
(「で、死にかけて手に入れたオープスは、
どんな能力があるんだ?」)
(『ランク5のオープスは、水道・洗濯・加熱だ。
ランク4のオープスは、10000OPSと20000OPS
分の価値がある能力だ。OPSは君の時代で言う
ところの貨幣単位と言ったところだな』)
ランク5は日常生活レベルだし、そんなもんか。
まぁ無いよりは良いだろう。
ランク4は………
この時代の価値観念がまだわからないから、多いのか
少ないのか、得をしたのか損したのか、わからない。
(「この宿は1泊いくらだったっけ?」)
(『3000OPSだ。「OPS」の価値観念としては、
君がいた時代の「円」とほぼ同じとみて良い』)
となると、30000円ゲットしたってことか。
命を懸けて30000円か………。
切な。
(「今日は色々あって疲れたし、早めに休むことに
するわ」)
僕は、濡れた服をハンガーに掛け、ベッドに入った。
翌日―――――――――
(「なぁ、シャッフル。この時代にタバコって
あるのか?」)
(『あるようだな。確か、昨日の絡んできた男達
が吸っていたな』)
こっちの時代に来てから、落ち着く間もなかった
から、タバコを吸うことを忘れていた。
僕は、かなりの愛煙家だ。思い出したら、無性に
タバコが恋しい。吸いたい欲求を抑えられない。
「あのー。この辺にタバコが売っているところって
ありますか?」
気付くと、宿の受付の人に質問をしていた。
ほぼ無意識に。欲求とは恐ろしいものだ。
「すぅぅぅー。ぷはぁぁぁー」
最高だ。タバコは僕の精神安定剤。
タバコの販売所は、僕が泊っている宿の真向かいに
あった。
まぁ、タバコというか、これもオープスなんだが。
オープスランク5:タバコだ。
「リード」の掛け声で、タバコが人差し指と中指の
間に挟まり、昨日入手した、ランク5:加熱の能力
を使い、火をつけて、僕は、至福の時を満喫した。
読んでいただきありがとうございました^^