2 『ルサンチマン』
何をするにも、
何を始めるにも、
何を求めるにも、金がいる。
起業、生活、娯楽なんでもだ。
金が無ければ、何も出来ない不便な世の中。
それが今、僕のいる世界だ。
「世の中、金が全てではない」
なんて、偽善者染みた、優等生のような、
白眉な言葉を並べるような事を僕はしない。
そんなものは、世間に馴染むための手法であり、
窮策であり、苦肉の策でしかないから。
そもそも、『金』とは?
この世界で生きていくためのツール。
国家が発行する通貨。
その国の信用によって価格が変動する。
「信用・・・・」
この国、日本を始めとする、全世界の国家に対し、
一番的外れな言葉がそれだろう。
このご時世、どこに信用なんてあるんだろうか?
こっちが聞きたいくらいだ。
こんな世の中で、僕らが資本金を得る方法・・・
詰まるところ、労働・・・
つまり、奴隷。
社畜として、社会に、会社に飼い習わされる、家畜だ。
中には、労働に価値を見出している者もいるだろうが、
僕の場合は、違う。断じてあり得ない。
ただ、背に腹は代えられないので、
飼い習わされることに甘んじる。
そして、慣れる。
飼い慣らされてしまう。
奴隷として、社畜として、家畜として……
永遠の底辺を味わいながら、痛感する。
金だって、物だ。
形あるものだ。
牛耳っているヤツが必ずいる。
国か?企業か?資産家か?
毎日一生懸命に労働しているのに、
成り上がれないシステムを作っているのは誰だ?
僕の中の憎悪を後押しするように、
労働の疲れが僕の身体を襲ってくる。
そして、目を閉じ、休息状態に入る。
読んでいただきありがとうございます。
引き続き、よろしくお願いします。