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1 『シャッフル』

歴史上、文献も残っていなければ、誰も見たことも聞いたこともない時代。

人類の文明が極限にまで発達した時代への転移編です。

「よく来たな、真っ黒クロスケ」

 

 そう言って、僕を出迎えたのは、

 連合王国のある貴族と名乗る男だった。

 貴族らしく、その手には、大きな宝石が

 ついた杖らしきものを持っている。


 僕らはSNSで知り合った。

 僕らの繋がりは、ズバリ『金』だ。


 貧乏な僕と、大富豪な貴族。

 そんな、繋属(けいぞく)

 

 貧乏人と富豪の観点で言えば、

 正反対で拮抗した、確執のある、

 対照的な2人であろう。


 だが、それは一致した。


 ただ1つ『金』という観点で。


 「シャッフル……」

 僕は、彼の名を口にする。

 

 もちろん、僕の名前は、SNS上のアカウント名で

 あって、本名ではない。

 真っ黒クロスケは、昔僕が通っていた、

 メイド喫茶の推しのコが付けてくれた愛称だ。


 つまりは、シャッフルもまた、

 真っ黒クロスケと同義であろうと仮定できる。


 「君がここに現れたということは、賛同者

  ということでいいのかな?」

 

 シャッフルが口火を切り、会話が始まった。


 「あぁ。だが君を、SNS上で知り合った

  だけの男を、その話を、完全に信用している

  わけではない」


 僕はそんなにめでたい人間ではない。

 むしろ、人間不信者である。

 そんな僕が、ここにいるのは、

 彼の話に少なからず共感したからに過ぎない。


 興味、協議、共栄、狂気。


 そんな感情の元、僕は彼と対峙している。


 「丁度良い。むしろ、それくらいでないと困る」


 シャッフルは、口角を挙げ意味深げに笑む。


 「強制はしない。強要でもない。君が選ぶことだ」


 「わかっている」


 僕が、理解を示すと、シャッフルは、僕を手招きした。

 

 「まずは、これを見てくれ。今回の計画の全貌だ。

  もし君が、私の賛同者と成りえるなら、私の手を取れ」


 シャッフルは、PC画面を僕に向け、掌を上にして、

 僕の眼前に差し出した。


 

 

 「は、ははッ。なるほど。シャッフルか」

 

 それは、僕を納得させるのに十分な情報だった。

 信用できるのかどうかは、問題ではない。

 これが、事実だと仮定した場合、世界がひっくり変える。

 そして人間とは、信じたい情報を、本物だと認識したく

 なる生き物だ。

 

 僕は汗ばんだ手を、差し出された手に重ねた。

 

 「では、行こう。シャッフルだ!」


 シャッフルの掛け声とともに、杖の宝石が光り、

 目の前が光に包まれた。


引き続き、宜しくお願いします。

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