『始まりの悔やみ』
『社会不適合者の過去改変~過去が異世界だなんて知らなかった僕は、現代の知識と過去の技術で世界を造り直すことにした~』の連載を始めました。
『世は並べて事も無し』
人生さっさと上がりたい。と願った僕は、
現在、牢屋に閉じ込められている。
冷たい床が、足に伝える冷気は、
心すら凍り付かせようと僕に迫ってくる。
薄暗く、異臭を放つ、その檻の中で、
今日も僕は1人、飛び交う蠅の数を数える。
不潔で不衛生な、汚れた空間は、僕の精神を蝕み、
不浄で不純な、えげつない考えを想起させる。
「どこで間違った?」
もはや、間違えた道の詮索など
取るに足らないことではあるけれど。
「なんでここにいる?」
今となってはもう、取り返しの効かない
愚行だったのかもしれないけれど。
「ここは……、どこ、だ?」
既に、自分が居た世界ではないのだけれど。
「奴ら、絶対に許さない」
トラウマのように頭から消えない、奴らの姿。
沸き立つ感情は、憤る。心は、それを声として発散した。
「出せ、出せ、出せー!ここから、僕を出せー!」
そして、その場に泣き崩れる。
『後悔先に立たず』
出来れば避けたかった。
これほどの思いをするくらいなら。
これほどの辛酸をなめるくらいなら。
もし、未・来・の自分に会えるなら教えてやりたい。
ただ、一言で良いから。
『君子危うきに近寄らず』
と。
読んでいただきありがとうございます。
引き続きよろしくお願いします。