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第16話・一般人にその単語はNGだっつってんだろ!!

 

「クッソー! またわたしの負けかーっ!!!」


 ––––王立魔法学園内。

 教室の机で、とっても悔しそうにアリサが悶えていた。

 まさに悶絶である。


 今は俺の編入生紹介と、1時限目が終わった休み時間だ。

 なんと驚くべきか、俺とミライ、アリサは同じ2年A組であった。


「いや〜、まさかお2人が知り合いでしたとはなぁ〜」


 登校中にアリサが言ったことと、同じ言葉を言うミライ。

 手には購買で買ってきただろうパンが、半分かじられた状態で握られている。


「う〜……しかも! しかもだよ!? アルスくんはミライさんを抱いた状態だったのに、さらに言えばわたしはフライング紛いのちょいズルまでしたのに!」


「いやズルしてたんかい」


「だって勝ちたかったんだよぉ、前の試験日にアルスくんと戦ってからめっちゃ悔しくて、めっちゃ走り込みだって頑張ったのに!」


「めっちゃ頑張ったのか……」


 一応努力家らしい。

 やはりちゃんとしたところの子は、しっかりしている。


「でも次は絶対に負けないよ! 学園ランキングだって座を渡す気はないんだから」


「なぁ、その学園ランキングって何なんだ?」


「あれ? アルス聞いてないっけ」


「詳しくはまた説明するとか言って、そのままだな」


 パンを全て食べたミライが、正面へ来る。


「学園ランキングっていうのは、この学内で成績と実技の両方を総合的に見て決められる……まぁ実力を測るランキングシステムってイメージ」


「いかにも競争主義って感じだな」


「そうね、ちなみに全600人中わたしは8位。アリサちゃんが7位」


「お前らそんな上位だったのかよ、すげえな」


「そうなのよ、特にアリサちゃんは実技も凄いのに土壇場だと勉強もできる子だから。わたしは実技がポイントの過半数」


「でーもーっ!!」と、アリサが机をバシバシ叩く。


「前の勝負ではアルスくんに負けちゃったから、とことんメタって次こそ勝ってやる!」


「あぁ〜……一応応援するけどアリサちゃん、こいつ竜王級の上に生徒会長目指してるから、勝つのは厳しいかも」


「えっ!? 生徒会長!?」


 どデカいアリサの声に、講義室の生徒たちが数人振り返る。


「おい声デカいぞアリサ……」


「あぁごめん、でも驚いちゃって。生徒会長目指すなら学園ランキング上位取るのは必須条件だし、特に選挙が鬼門だよ?」


『選挙』。

 民主主義制度を尊重する王国では、生徒会長も選挙によって決められる。

 問題は––––


「アルスくんは外部入学の編入生、中等部を上がってきた生徒たちからどうやって票を取るかが難題かも」


「そこだよなぁ〜……、ぽっと出の編入生がどこまでやれるか見当もつかん」


「まぁそこは来月の選挙までに、公約含めて考えようよ。わたしやミライさんも協力するし」


「ありがとう、助かるよ」


 休み時間も半分が過ぎる。

 次の授業に備えて用意しなくちゃな、俺がカバンを漁り始めた時––––


「そういえばアルス、コミフェスの集合時間いつにする?」


 はあああぁぁぁあああああああああッ!!?

 唐突に、完全に油断しきっていたミライがその単語を口にしてしまったのだ。


「コミフェス?」


 案の定アリサがこちらを見てきた。


「バカミライ!! 一般人を前にその単語はNGだっつってんだろ!!」


「しまったッ!! ごっ、ごめんなヒャいい!!」


「いつ何時も擬態を忘れるなッ!! 俺たちヲタクは影に生きし者! 間違っても公共の場で暴露するんじゃねえ!」


「あ、アルスだってわたしのヲタ趣味バラしたじゃん! 人のこと言えないじゃん!」


 最悪だ! 学園生活初日にしてアリサへヲタバレするなんて。

 終わった、詰んだ、ゲームオーバーだ……!


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