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第11話・試してみたい……! 直接わたしの手で!

 

「ウチの新人に頼まれたから連れてきたけど、こういうこと普段結構やってるから……先生には内緒にしててね? アリサちゃん」


 3年生のメディア部部長に言われたアリサは、快活そうに答える。


「口は固い方だから大丈夫、最悪バレたらわたしが身代わりになるからさ」


 彼女たち2人は案の定、授業をこっそり抜け出して近くの茂みに伏せていた。


「たくましいわね……ほら来たわよ、アレじゃない?」


 部長の指さした先では、数人の教師と学園長のレオード。

 さらには大英雄グラン・ポーツマスが立っていた。


「ほぉほぉ、オールスターですなー」


 双眼鏡を覗きながら、アリサは1人の男を中央に据える。


「あの人かな? 例の編入生」


 双眼鏡越しではあるが、いかんせん安物なので見えづらい。

 外見は至って普通そうで、手には何か木製の長物を持っている。


「魔法杖? にしては変な形、先端には剣まで付いてるしなんだろう」


「アリサちゃんたぶん、あれは“銃”じゃないかな……? ほら、最近になって新大陸から持ち込まれたっていう」


「それって強いの?」


「メディアでは最強の武器って言われてる、でも、魔導士なのになんでそんな物を……」


 アリサは、銃なんてものはよくわからないがとりあえず強いということだけ記憶する。

 ただなんとなく、今回の試験は異質だということを感じていた。


「変じゃない部長? ぶっちゃけ魔導士の試験ならグラウンドなり専用プールですればいいのに」


「それ他の子も言ってたわ、いくらなんでも大袈裟すぎるって」


「ひょっとしたら––––」


 アリサはふと、考えを口にした。

 なんの誇張表現でもない、忌憚なき考えを。


「演習場クラスの広さじゃないと、被害が出ちゃうとか」


「まさか! そんなの魔人級・魔導士が複数いてギリギリだよ? しかも標的にしてるっぽいの、対魔法用防護エンチャント付き防壁だし。いくら大英雄推薦の魔導士でも––––」


 直後、閃光と共に轟音が響き渡った。

 思わず双眼鏡を置いて耳を塞ぐ。


 しばらくして見上げると、信じられない光景が広がっていた。


「嘘……」


 対魔法用防護エンチャント付き防壁が、高熱で“融解”していたのだ。


「あの編入生がやったの……? あんなの魔人級どころじゃない! ひょっとして竜王級––––」


 メディア部部長が言い終わる前に、アリサは伏せの状態から起き上がった。


「ちょっと! なにしてるの!?」


「ありがとう部長、あなたは先に戻ってて、今ならまだバレないだろうから」


 試してみたい……!

 アイツをわたしの手で、直接……!!


「何するつもりよ、ってアリサちゃん!!?」


 双眼鏡を落としたアリサは、全力疾走で編入生の……竜王級魔導士の元へ走った。

 突然現れた彼女に驚く教師陣の目の前まで着くと、アリサは思い切り叫んだ。


「わたしと勝負しろッ! 竜王級ッ!!!」


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