18.ヲタ、それは紳士で戦士な病原菌
無造作に近づいてくる二人組を黙ったまま迎える俺とマリア。革鎧の男は片手に動かなくなったままのゴブリンを無造作に引きずっており、もう一人は汗をハンカチで拭いながらふぅふぅ言っている。
互いの顔がよく見えるくらい・・・大体3メートル・・・で二人が止まる。
革鎧の男は短めに整えられた金髪で30半ばほどの彫りの深い外人顔のイケメンだ。ハリウッド映画とかで主人公の親友の役とかやってそう。ただもう一人の印象が強すぎてあまり印象に残らなかった。
印象の強い方は・・・戦場に慣れている古強者の風格を感じる。その細い目で目当ての獲物を探し、磨き上げたセンスで掘り出し物を発掘する。そんな戦士の風格を。何よりもそのTシャツを着たまま外に出る勇気が凄いと思う。勇者の心開放してるんじゃないかな?
そんなことを考えていたら金髪の男が声をかけてきた。
「やあ、おはよう。私はマーク。こっちはウオタク君だ。私たちは勇者同士のコミュニティである『勇協会』からここ数年新人勇者がほとんど現れてないって聞いてここに確認に来たんだが、君たちが無事そうで良かったよ。」
そういって笑うマークさん。人を安心させるような・・・いや、まるで自分が安心したようなそんな顔だ。その笑顔を見てホッとしている自分がいる。まあ、俺よりマリアの方が数倍ホッとした顔をしているが。
「怖かったろう?もう大丈夫だ。私たちはそれなりに強いからね。それで、ええと・・・君たちの名前を聞いてもいいかな?」
「あ、そうですね。俺はツバサで、そっちはマリアです。よろしくお願いします、マークさん、ウオタクさん。」
「うん。こちらこそよろしくね。ツバサ君、マリアちゃん。」
「デュフフ、よろしくお願いいたしますぞ。ツバサ君にマリアタン。・・・マリアタンはぁはぁ」
「・・・マークさん、よろしくお願いします。」
青かった顔色が戻り始めてたマリアがまた青くなり始めた。あ、マークさんがウオタクさんにゲンコツした。まあマリアはクール系の美少女だから気持ちは分かるけど、さすがに至近距離でするのはなぁ。
仕切りなおすように咳払いしてマークさんは持ってきたゴブリンを放り投げる。
「さて、このゴブリンはウオタク君のスキルで気絶してるんだけど、ツバサ君かマリアちゃんにとどめを刺してもらいたいんだ。パワーレベリングって言うんだっけ?できればレベルの低い方にやってほしいんだけど。」
「えっと・・・それは何故ですか?」
「俺たちはユトラリィに来た新人勇者の教官役も引き受けているからだよ。訓練するにも多少レベルを上げておいた方が便利だからね。」
で、どうする?と聞いてくるマークさんに、マリアが震える手を挙げて言う。
「私にやらせてください!」
一応各種季節SSは上げる予定です。・・・サイバーパンクにかまけすぎなければ・・・。




