17.彼は己のすべてを捧げたのだろう
確認を終えて、マリアに向き直る。あれ?心なしか化け物を見るような目で見られてない?
「どうした?そんな顔して。」
「いや・・・蹴りで頭部爆散って・・・。」
そういって青い顔をして口元を押さえているマリア。確かに耐性のない人には辛いか。あれ?俺はなんで平気なんだ?・・・ああ、勇者の心とかいうやつか?
それよりも悪いことをしたな。不可抗力だが、気分を悪くさせたのは俺だからな。とか考えていた俺の後ろの林の中から風切り音が聞こえた。
振り向くと素人目にも粗末な矢がゆっっっっっっくりと飛んできているのが見えた。いや、矢だけじゃなくて全部がゆっくりだ。林の中にいるゴブリンは粗末な弓を放った姿勢のままだし、木が風でそよぐ様子もスローだ。
俺の感覚が早くなってるのか?速さの項目に含まれてたのかな?まあこれなら楽勝で躱せるし、マリアに当たるコースでもないから、あるスキルを獲得できるか試すために矢が飛来するのを待つ。
右足を引いた体の横を矢が通過した後、思った通りに機械音声が鳴り響いた。
(回避Lv.1を獲得しました。・・・勇者の回避術Lv.EXに進化しました。派生して勇者の体術Lv.EXも獲得しました。勇者の体術Lv.EX獲得により、勇者の体(1/3)を開放します。毒や病気に強くなりました。効果が成長しました。スキル:病毒無効を獲得しました。)
副産物多すぎ問題!!回避は予想したけどそれ以外は予想してなかった。なんか体がぬるぬる動かせるし、頑丈になった気がする。いや、なったわ。もう風邪に一生罹んないぞこれ。
さて、驚いてばかりもいられないな。あのゴブリンをどうするか。そう思っていたら突然ゴブリンが倒れた。俺とマリアが驚いていると革鎧を着こんだ男と、かわいいフリフリのドレスを着た女の子がプリントされたTシャツに鉢巻を巻き、指だしグローブをつけて大き目のリュックを背負った肥満体系の男の二人組がゴブリンの後ろから現れた。




