12.理由は寝覚めが悪いから!!
自分と同じ位の女の子がすべてを諦めたように座り込んでいる。だが言葉ほど諦めきれていないのだろう。正座なのはできるだけ小さくなるためだろうから。
そんな彼女を見ていると、俺はひどくイラついた。何に対する苛立ちかもわからないが、腹の底から叫びたい衝動に駆られ気づけば叫びと共にマリアに言葉を叩きつけていた。
「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!マリア!お前、こんなところで諦めてんじゃねぇぞ!!!こんな雑魚相手に何小さくなってんだ!!」
「・・・あなたは見てないから、何でも言えるのよ。私は、私よりも先にいた人たちが、無残に殺される瞬間を、殺された後何をされたか見てたのよ?」
そういった彼女の目からは涙が零れ落ちていた。年頃の少女が見るにはあまりにも凄惨な現場だったろう。だが、
「だからってお前は諦めるのか?異世界にきて何もせずに怪物に殺される瞬間を座って、何もせずに、ただ受け入れるのか?嫌なんだろ?生きたいんだろ?無残に殺されたくないんだろ!?なら!!・・・戦うしかないんだよ。怖くても、恐ろしくても、嫌でも、今ここでやるしかないんだよ。」
「・・・そんなことわかってるよ。でも、できないの。足が竦むし、吐き気もするの。私はツバサみたいに強くなれないよ。」
そういうマリアは下を向き涙をぬぐいもせず、声を震わせながらできないという。それなら、
「なら、俺だけでやる。俺がお前を救ってやるよ。」
宣言する。自分に逃げ道を残さないように断言した。出会ったばかりの女の子を助けるために命を懸ける。英雄的な行動だと思うがまさか自分がすることになるとは、女神様の所にいた時もあまり・・・それなりに考えなかったんだが。
「なんで、そんな事いうの?私なんて置いて逃げればいいじゃん!なんで期待したくなること言うの?」
そういうマリアはなんらかの言葉を求めているんだろう潤んだ目でこっちを見ている。ラノベ先生はここで好きだとでも言っとけばいいって俺に囁いてくる。でもそんな答えを返すのは違う気がする。だから俺が返すのはこうだ。
「いやだってここで助けなかったら・・・寝覚めが悪そうじゃん?」
できるだけ軽く聞こえるように、何でもないようにこう返す。




