11.誰かを助けるのに・・・
ウィンドウに表示されたステータスを見る。
名前 : (2)
職業 : ゴブリン
称号 :
Lv : 3(2/40)
HP : 25/25
MP : 0/0
STR : 28
VIT : 12
AGI : 16
MID : 6
LUK : 4
スキル : 斧術Lv.1 病魔耐性Lv.1
装備 : 手斧 ゴブリンの粗末な腰布
こんな感じだ。魔物だから名前が無くて(2)は年齢で、ジョブには種族名が入っているらしい。能力値は上回っているがこっちは武器を持ってない。どうしたものか。とりあえずマリアに情報共有しつつ打開策を練ろう。
「こいつらはゴブリンみたいだな。能力的にはそこまで強くないけど、こっちには武器がないからちょっとキツイかな。魔法が良く効くみたいだけど、マリアは使えるか?」
「いや、使えないけど・・・なんでそんなことが分かるの?」
「俺のチートだよ。魔法が使えないならどうにか倒すしかないけど・・・。」
ラノベで「生き物を殺すのが難しい」ってよく言われる理由が今、実感として重く圧し掛かってきている。平和な国で虫以外殺したことのない高校生が、流されてといえど生物を殺すことにどれだけの覚悟と葛藤があるのか、この時までホントの意味で理解できていなかった。
だが現実は一切の事情を置き去りに進行するのだ。気づいたのは相談の続きをしようとマリアの方を向いたときだ。彼女の座り方が女の子座りから正座に変わっていたのだ。これだけなら座り方を変えただけだと思ったが、彼女の瞳を見たとき直観で何らかの理由があると感じた。
「マリア、何を隠してるんだ?」
「いきなり何?・・・って言ってる時間もなさそうね。この守護神の壁には1時間っていう制限時間があるの。どんどん小さくなって、最後には消えるわ。私はあなたよりも早く来たから早く消える。それだけよ。」
「それだけって・・・。」
マリアに宿っているのは諦観の念だ。死への恐怖もあるし、こんなところで死ぬ無念もあるだろう。だが彼女はすべてを諦めている。
俺は・・・ツバサは、そんな彼女を見て・・・。




