表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏が生まれる

作者: 武田道子

夏が生まれる




遠くの森からカッコーが朝を目覚めさせる

まっすぐに並んだ稲の列が柔らかにうねっている

朝露に濡れた道端(みちばた)に佇む青いツユクサ




トゲトゲがまだ指先を刺すほどに新鮮なきゅうり

イガイガのついたへたの帽子につややかな黒紫の茄子

歯を揃えて太陽の光のようにキラキラととうもろこしの実




桃の皮をつるりと剥いて

少しピンクがかったクリーム色に近い白の果肉に

真っ白な歯を当てる




夏は香りから始まる

夏は香りから生まれる

健康優良児のように

夏は生まれる




オレンジ色の夕日が裏の畑をメラメラと燃やす

むっとする熱い空気が木陰で休んでいる

黄昏が密かに近づき あちらこちらに蛍が灯る



夏は生まれた

午前0時、瑠璃色の空に流れる(あま)の川

白鳥座がその上を翔ける


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ