後日談
続けられそうな作品がようやく出来そう
気付いたら爆音と銃声に囲まれていた。
ただ困惑することしかできず、そのまま死ぬなんてことはない。その時の私はまあまあ冴えていた。
それでも隠れて震えることしか出来てなかったんだけどね……
それでも私は生きていた。必死に死にたくないと願って、とにかく願って、叶いもしないことを繰り返す。
ただ「誰か助けて。」
その一言を繰り返した。
幸いなのか、私はこの銃声響く、戦場らしき場所で誰にも見付からずにいた。
体感的にはもう何十時間も過ぎた気分だけど、一向に銃声と爆音が止む気配はない。
けど私は生きていた。幸運なことに生きていた。
もしかしたらこれは夢で、そのうち覚めるんじゃないかとか考えていたその時、物凄い衝撃がして、そのまま体が吹っ飛ばされた。
耳がキーンってなって、体は痛くて動かせなくて、
そしてだんだんと近寄って来る人影が見えた。
誰でもいいから助けて欲しくて、この地獄から出して欲しくて。ただ一言
「た…すけ」
かすれた声で、しっかりと口に出すことも出来ずに、そう言ったんだ。そして次の瞬間どうなったか?
気を失っただろうか?
はたまた誰かに運ばれた?違う。
結果は凄く簡単で、当たり前のことだった……
私はね
死んだんだ。
何を言ってるかわからないかも知れないね。
でも死んだんだ。だって当たり前だろう?
その場は銃声なり響く戦場らしき場所。
人同士が殺しあってるんだ。
なら当然見付かった私も殺されるに決まってる。
小説や漫画でよくある、気を失って運ばれるなんてあり得ない。だって戦場じゃ自分のことで手一杯だ、見間違いで味方を殺すことだって十分あり得るんだ。
実際に起きた戦争で、味方の銃で死んだ兵士は少なくないって聞くよ?
そんな戦場で助かるなんてあり得ないんだよ。
でもそれじゃあこんな話を語ってる私は誰なのかって?
それも簡単なことさ。私は生きているってこと。
今何言ってんだこいつ、とかって思ったよね?
確かに私はあの場所で死んだ。でも生きている。
普通こんな事はあり得ない。
でもそれが可能だったんだ、その場所では。
現代科学じゃ証明できない不思議な現象。
そんなことが起こったんだ。
じゃあなんでそんな非科学的なことが起きたのか。
それも簡単なことさ。
なんてったって、そこは異世界だったんだから。
これは、英雄でもなんでもない、とある一人の女性の物語…