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溢れ出す随液  作者: 耕助
第10巻
99/103

闇薙~前編~

石材で出来た入口の鉄の扉を開けると、長い階段が続いている。


たいした明かりもないが、下に降りるまでは壁のレンガ自体が

ぼやっと光る素材で出来ている。懐中電灯よりは暗いが、

全体的にほのかな明るさがあるので、階段を踏み外さなくて済む。


階段を降り切るとだだっ広い部屋に出る。今度は逆に真っ暗なので、

最初に教えてもらった階段一番下の電源で唯一の電灯をつける・・・はずだが、

今日は同僚が先についていたらしく、部屋の明かりはついていた。


彼は何も言わず、部屋の真ん中で腕組みをして時間が来るのを待っている。

まだ約束の時間ではないので、私を待っていたわけではない。


私も部屋の隅に荷物を置くと、彼の横に並んで立ち、時間が来るのを待った。

彼と私が向いている方向には、闇が続いている。唯一の電灯にかさがついている為、

奥まで電灯の光は届かない。彼も私も時間まで他言は許されていない。


ただひたすら時間が来るのを待つ。彼と私の足元には、白線が引かれている。

これ以上闇の側へ行ってはいけないと指示されている。

指示を破れば、命の保証がないということも伝えられている。


私と彼の側にある時計の秒針が、約束の時間を指した。

彼がゆっくりと、いつものように口を開いた。


「それじゃあ始めようか。」

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