突然の爆撃と命の大切さ
「聞こえない聞こえない聞こえない・・・。」
自分でもガタガタ震えているのがわかる。
今、自分が夢を見てるのか現実なのかすら
わからないほどに動揺している。
今日、何気なしにいつものように玄関のドアを開けて外に出た。
するとどうだろう。なんと爆撃が始まっていたのだ。
爆弾が落ちるたびに吹っ飛ぶ家屋。
直視することが出来なかったが、
確実に人間もバラバラになっていたような気がする。
今も家の外では爆撃音が鳴り響いている。
戦時中でもあるまいし、一体何が起きたというんだ?
現実を現実として受け入れられない。
飛行機の音と爆撃音が、いつ自分に降り注ぐのかと
恐怖を沸きたてる。恐ろしい。死ぬかもしれない気持ちとは
こんなにも恐ろしいものだったのか。
自殺する人間の気持ちは全くわからなかったが、
今の自分の体験をそのまま体験させていたら、
きっとそんな気は起こらなくなるだろう。
今、人生で一番生き残りたいと願っている。
平和であるよりも、戦時中のほうが命の大切さを
痛感するとは、なんと皮肉な話なんだ・・・。
これは本当に現実なのか?
しかし確かめることも出来ず、ただ部屋の隅で
小さくなっておびえ続けることしか出来なかった。