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溢れ出す随液  作者: 耕助
第8巻
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蝉時雨

夏が終わり、秋に差し掛かる。


小さな頃に比べると、蝉時雨もBGMにしか感じられなくなった。

逆に言えばそれが日本らしく、風流でいいなと思うのだが。


蝉というのは何年も地中にいて、地上に出てきて生きるのは数週間。

どういう進化でそういった生態になったのかわからないが、不思議だ。


地中にいるとき、何を思うのか。

そして成虫に脱皮し、木にとまり鳴いている時に何を思うのか。

大体虫って思考とかあるのかなぁ?ちょっとわからない。


何にしても、言葉が通じない限り、

気持ちや考えてることだってわかるはずもない。


自分の寿命を知ってか知らずか、夏になると身体を震わせて

蝉時雨を作り出す。自然の為せる芸術だ。


蝉時雨の中に入ると、何故か暑さが和らいでくるから不思議だ。

子供の頃は「暑いのにうるさいなぁ」としか思わなかったのだが。


今年もたくさんの蝉が天寿を全うし、役目を終えたことだろう。

来年もまた、地中にいる何割かが、蝉時雨を作り出してくれる。

その時は、森の中ででも聞きたいものだ。

都会で聞くのが悪いというわけじゃないけどね。

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