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溢れ出す随液  作者: 耕助
第4巻
39/103

ラジオ人間

とある国の少年が、足を滑らせて階段に頭をぶつけてしまった。


2,3日意識不明の状態が続いたのだが、幸いにも身体には異常がなく、

病院のベッドで目を覚ました。


意識が戻り、医師も看護婦もご両親も大喜び。

何か食べたいものはないかとご両親が聞いたりしていると、

少年は妙なことを言い出した。


「僕の頭の中で知らないおじさんがしゃべってる。」


事故の後遺症かもしれない。医師はすぐに診察を始めた。

すると、不思議なことがわかってきた。


頭の角度を変えると、しゃべっている人が変わるらしい。

女性が歌を歌ってるという時もあった。

原因は全くわからず、しばらく入院ということになった。


ご両親は不憫に思い、退屈でないようにとラジオを持ってきたそうだ。

すると、少年はとんでもないことを言い出した。


「ラジオでしゃべってる人と僕の頭の中でしゃべってる人が同じだ!」


ご両親はすぐに医師を呼び、ラジオと少年の頭の中の声との

同一性を調べてみた。すると、頭の角度を変えると話す人が変わると言うのは、

ラジオでチャンネルを変えることと同じことだったようだ。

少年は、ラジオ人間になっていたのである。


結局、原因も治療法もわからず、「声が聞こえる」というだけで健康そのものなので、

医師は退院させることにした。何かあったらすぐに来るように、とひとこと添えて。


結局少年は「頭の中の声」に慣れることが出来、

現在はうまくラジオライフを楽しんでいるそうだ。

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