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溢れ出す随液  作者: 耕助
第4巻
34/103

直前の美声

人生で二度ほど、どこからともなく聞こえてくる、とても美しい声を聴いたことがある。


それが何を言っているのかはわからない。

でもその内容を知ってしまってはいけないような気がする。


その声は間違いなく女性の声だ。しかも何の脈絡もなく突然聞こえて来る。


一度目は、目の前で交通事故が起きた時だ。

歩道を歩いていたら、その美声がどこからともなく聞こえて、

真横で乗用車が人を撥ねた。その後の被害者の安否はわからないが、

あの出血量だとまず助からないだろうと思った。


二度目は、歩道橋を登っている時に、真下の大きな交差点で交通事故が起きた。

美声が聞こえて来て、あれ?どこかで聞いた声だなと振り向いた矢先だった。

トラックが人を撥ねた。ドン!と物凄い音がして、被害者は宙を舞った。


もし助かっていないのなら、御冥福を祈るばかりだ。

しかし一体あの美声はなんなんだろう?

突然聞こえてくるから、本当に聞き取れない。

その内容が聞き取れたら謎が解ける気がするのだが。


謎を解きたいという気持ちよりも、もう二度と聞こえてくるなという

気持ちのほうが大きい。誰もあんな光景は何度も見たくないからな。

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