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溢れ出す随液  作者: 耕助
第4巻
33/103

アイネクライネナハトムジーク

ああ・・・そうだよ。子供の頃もこの音楽を聴くと気持ちが落ち着いたんだ。


宮廷の食事会に流れるかのような水流のように美しいメロディ。

両親が死んでからも僕は興奮したり心身ともに疲れ果てると、

この曲を聴いて癒されて来た。


いつの日か、平和な毎日のなかでこの曲を聴けるように願ってた。

モーツァルトが作ったってことしか知らないし、演奏会とかで聴いたこともないが、

まぎれもなく僕はこの曲の大ファンだ。


今、こうしてこの場所でイヤホンでこの曲を聴いてるのも、

気持ちを落ち着ける為だ。


どうしてこんなことになってしまったんだろう。

何も覚えていない。何でこんな場所にいるんだろう。


この曲とは裏腹に目の前に広がる光景に茫然自失になりながらも、

じわじわ来る逃れられない現実に気が遠くなりそうだ。


いや・・・間違いなく、あと少しの間に、僕の気は遠くなる。

それぐらいは認識できるさ。













ボクノメニウツルノハ シタイノヤマト カハンシンノナイボクノカラダ



僕の目に映るのは、死体の山と、下半身のない僕の身体。

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