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溢れ出す随液  作者: 耕助
第3巻
23/103

好色老人

ベンチにひとり、老人が座っている。杖で身体を支え、夕日を眺めていた。


老人は若い頃、甘いマスクと巧みな話術で、何人もの女性を虜にしてきた。

騙したりすることは絶対にしなかったのだが、特定の相手を持たず、

ただただひたすら多くの女性を抱いてきた。


友人の約束をほったらかしにして、女性との逢引にひたすら酔いしれたこともあった。

それはもはや病気とも言えるほどでもあった。


そして、歳追うごとに老人は孤独でいることが多くなった。

団塊の世代であるうちはまだ良かったのだが、

老人ともなると、体力も失い、何やら女性を貪るのがバカバカしくもなった。


気がつくと老人には何もなかった。信頼するものも、愛するものもなく。

しかし老人は後悔していなかった。これでいい、いい人生だったと

掛け値なしに思った。




夕日が暮れていく。




日没と共に、老人はうなだれた。


幸せそうな笑顔でこと切れた、老人の姿がベンチの上に横たわっているだけだった。

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