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溢れ出す随液  作者: 耕助
第2巻
21/103

死体遺棄(前編)

男はここに半年前、死体を埋めた。

カッとなったとはいえ、殺人を犯してしまったのである。


今のところニュースで報道されている気配はない。

誰にも見られていない・・・はずだった。


犯人が現場に戻ってくるというのは本当だな・・・


男はそう思いながらも、埋めた場所が気になって深夜車で山奥に来ていた。

埋めた場所は覚えている。まさか目印をつけるわけにもいかないから、

自分でも見つけるのは容易ではないと思っていたが、思った以上に

男の罪悪感は強かったようで、風景をまるで写真に写したかのように

覚えていた為、埋めた場所を見つけることが出来た。


きっと他人から見ればなんてことはない山の風景なのだろう。

夜目が慣れてきたとはいえ、暗闇の中でなんの変哲もない場所を

見つけ出すのだから、男の記憶の中に相当強烈に残っているようだ。


・・・大丈夫。掘り返されたりはしていない・・・


見た目は何の変哲もない、埋めた場所に変化がないのを確認し、

きびすを返したその時だった。


「こんばんは」


この時の男の心臓は、外に聞こえるぐらいにドキッとしただろう。


「こんな夜中にこんな山奥で何をしてらっしゃったんですか?」


それはこちらが聞きたい。男は心の中で思った。

見たところ、おとなしそうな青年がこんな山奥で何をしているんだ・・・?


そして、意地悪そうな笑顔を、青年は浮かべた。


「まさか、埋めた死体がどうなってるか確認しに来たんじゃないですよね?」


男の心臓は、まるでエンジンのように激しく鼓動を打ち始めた。

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