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溢れ出す随液  作者: 耕助
プロローグ
2/103

溢れ出すXXX

『コンコン。』


「耕助ー。入っていいー?」


ベッドに寝転がってマンガを読んでいたところに、ドアの向こうから夢人の声がした。


「あー、開いてるよー。」


『ガチャ』


「お邪魔ー。」


「おー。まぁそこに座って。」


ベッドから起き上がり、床に座る。


「今日はどうした?」


「題名考えなきゃな、と思って。」


「例の物語か。ひとつひとつは長くないって言ってたけど、短編集みたいにするのか?」


「うん。そうだね。その方がまとまりもあると思うし。」


妄想にまとまりもクソもあるのだろうか。


「俺の作る物語じゃないから、夢人が自由に決めてくれ。」


「うーん・・・そうだな。『溢れ出す髄液(ずいえき)』ってどうかな?」


なんかのマンガの『溢れ出す煮汁』って言葉を思い出して吹き出しそうになったが、夢人がえらく真面目な顔で言ってるので我慢した。


「またえらくサイコな名前だな。特に俺には異論はないけど。」


「じゃ、それで決まりね。」


「メモっとくか・・・『ずいえき』の『ずい』ってどんな字だっけか?」


「左から、骨にしんにょうに有限会社の有。」


「ああ、これか。」


メモに『髄』と書く。


「そうそう。」


その両側に『溢れ出す』と『液』を書き込む。個人的には煮汁がいいんだけど・・・。


「じゃあ、ついでにひとつ聞いとくか。夢人の妄想活劇。」


「活劇かどうかは別として、妄想というのは否定しない。」


そう無表情に夢人が答えると、急に氷のような、それでいて仮面のような表情で語り始めた。こうして『溢れ出す髄液 第1巻』は始まるのであった。

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