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溢れ出す随液  作者: 耕助
第2巻
14/103

ギロチン

とにもかくにも俺は自分が殺されるに値するような罪を犯した。


今となっては犠牲となった者に反省の弁を述べるつもりも無い。

もちろん残された遺族にだって顔を合わせたいとも思わない。

ただ、罪を償う為の刑罰を受ける事が、きっと犠牲者への、

そして残された遺族への弔いになると思ったからだ。


いや、今更何を並べ立てても詭弁にしかならないだろう。

ある種の冗談とすら思えるような、いつ執行されるかもわからない

人生の終わりを、ただ淡々と待ち続ける毎日も今日で終わりだ。


呼び出され、手首を拘束されたままで廊下を歩いていく。

この先には最後の晩餐が用意されていて、ご大層にも

こんな大罪人にキリスト教徒でもないのに神父様の

お祈りを用意してくれるそうだ。ありがたいことだ。


最後の晩餐は、実を言うと昨日が本格的な晩餐だったのだが・・・。

食事と言う意味ではこれが最後になる。喉を通らない何てことも無く、

自分の望んだご馳走は味わうと言う気にもならず、ぺろりと平らげた。


いつも通りの日常の先にある、他人に

用意された他人よりも早い人生の終わりに。


予定通りに全てを終えて、頭に袋を被せられた。

どうせ後で取るなり取れるなりするのになあ。


もっと自分は恐怖に震えて、泣き叫ぶほどに臆病な人間だと思っていた。

しかしながら現実を受け入れているのか、諦めているのか、それとも

脳が人生を終わりを無意識に拒否しているのか、淡々と説明されていた

流れの中に身を任せ、・・・どうやら俺は首を切られて終わるようだった。






-なんだ。首を落とされても意識はあるんだな。


視界に首のない血みどろの自分の身体を見つけ、

薄れゆく意識の中でそう思った。

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