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自殺者達の行進  作者: テト勢樹海オフ参加者リッカ
6/6

 死にたかった。

憂鬱なときはずっとそう思っていた。躁状態のときはそんなことは微塵も思わないけれど鬱のときはずっとそんなことばかりを思ってしまっていた。

 2年前に双極性障害を患っていた私は高校生になった。薬とカウンセリングによる治療で受験はなんとか乗りきったけれど正直、こんな自分に嫌気がさしていた。

 無駄にハイテンションになるときもあればずいぶんと落ち込んでしまうこともある。そんな自分が嫌で嫌でたまらなかった。だから死にたかった。

 飛び降り自殺する夢はときたま見ていた。リアルな痛みがあって、でも辻褄が合わなくてそれは夢だと理解してた。これが現実だったらどれだけ良かっただろう。もう何回も後悔してきた。きっと飛び降りる勇気なんて私には無かったんだろう。

 学校の帰り、私は死にたくなって泣きながら帰る。視野が狭くなって信号が見えなかった。

 私はトラックに跳ねられて死んだ。悲しい最後だった。本当はまだ死にたくなかった、やり残した事がたくさんあった。死にたいと願掛けて生きていた自分に後悔した。


 ……それは全部夢だった。私はやり残したことを思い出した。どうしても伝えたいことがあった、それを伝えたい人がいた。だから手紙を書いた。

 そうしてやっと、私は死ぬことが出来た。


「岬さんの娘さん、自殺ですって」

「嫌だわ、近所じゃない。勘弁してよ…」

「何かあったのかしらね」

「知らないわよ」

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