少しの安心-柚瑠 said-
-柚瑠said-
しばらくすると、れいが帰ってきた。少し顔色が良くなってる気がする。
「ごめんね、心配かけて…迎えの時間、早くしてもらったからすぐ来てもらえると思う。」
「そうか、ならよかった。」
素直に安心した。正直、倒れられたら面倒を見れる自信がない。なぜ具合悪いのかもわからないし、どこまで接していいのかもわからない。そう思った俺はれいに聞いてみることにした。
「なぁ、れい?具合悪くなる心当たりないのか?見たところ風邪とかじゃなさそうだし…」
「風邪ではないんだ…昔からちょっと不良品みたいなところあるから…」
…不良品?普通に身体が弱いってことだよな?元々なら仕方ないんだろうか。
「薬とかはないのか?昔からなら症状を抑える薬とか、何かあるんじゃないの?」
「薬じゃ治らないから…そういうのはないの。あればいいなっては思うけど。」
「そうか…って俺、なんでこんなに質問してるんだろ。ごめんな」
気づくと無意識のうちにれいの頭を撫でていた。気づいた頃には遅くて、俺もれいも驚いて少し距離が遠くなる。
「ごごご、ごめん!つい…」
「…大丈夫。急に離れてごめんなさい…びっくりしゃって…」
れいは元いた場所に戻りながら言う。
「俺こそ、ごめんな」
そしてすぐにれいのスマホから着信音が聞こえた。思っていたよりも早く迎えが来てくれそうなら、少しは安心…かな?