出会い-柚瑠 said-
-柚瑠 said-
この子、顔色めっちゃ悪い…そう思うと、今まで話したことなかったけど心配になって声をかけていた。しかも今日一日ずっと我慢してたとか有り得ないっしょ、と思ってしまうくらいの熱もある。どうやって耐えていたんだろう。
「じゃあ、迎えくるまで俺が一緒にいてあげるよ」
無意識のうちにそんな言葉が出ていた。
「えっ、そんなの申し訳ないよ…!」
「いいって、遠慮するなよ。具合悪いんだろ?迎え来たら車までついて行ってあげるから、帰ってちゃんと休めよ」
「…うん、ありがとう。」
ん?何か普通の具合悪いって言うのと違うのかな?…気のせいかな。話を聞いていると迎まで1時間はある。本当にそこまで彼女は我慢できるのだろうか…。
「ちょっと、お手洗い行きたい…」
「うん、わかった。待ってるよ」
俺が返事すると、彼女は相変わらず顔色が悪いまま頷いて立ち上がろうとする…が、そこでふらついてしまった。俺は驚いてとっさに支えた。他の人が見たらまるでハグしているかのような体勢。
「大丈夫?!」
「ご、ごめん…!ちょっとふらついちゃった…えへへ…」
「大丈夫じゃないだろ…」
「…本当に大丈夫!すぐ戻ってくるから」
「わかったよ…なんかあったらすぐ助け求めなよ?」
「うん、ちょっと行ってくるね」
そう言って…れいはトイレに行った。本当に大丈夫だろうか。気づくと俺はれいが心配でたまらなかった。それに、とっさにとってしまったあの行動…あの時顔色が青かったれいの顔が赤く染まった気がした。
"きっとびっくりしたのかな…"そう思うしかできなかった。俺も驚いたとは事実だしね。