募る想い-れい said-
〜♪
夜部屋にいると着信が鳴った。望月さんからだ。
「もしもし?こんな遅くにどうしたの?」
『あぁ、実はれいに提案したいことがあって電話したんだ。少し急ぎの用なんだ。今から部屋に行っていいか?』
「うん、気をつけてきてね」
10分ほどで望月さんは私の家に来た。なんとなく彼から緊張のようなものが伝わってくる。
「それで……提案っていうのは?」
「うん。れいが学校にいる間、俺はもちろん生徒ではないから……れいがもしヒートで発作起こしても助けてあげられない。そんなときにやはり誰か近くにれいの事情を知ってる人がいたほうがいいんじゃないかって社長と博士と話してたんだ」
「なるほど……確かにそうだよね。でも何をどうするの?」
「ほら!あの時れいを面倒見てくれた……柚瑠くんだっけ?彼なられいを秘密を受け入れてくれるんじゃないか?」
「柚瑠……?!どうして……」
「れい……お前、そんな友達できてないんだろ?柚瑠くんより話せる友達他にいるのか?」
「……いない」
「だろ?とにかく、俺達も心配なんだ。学校には今まで通り行ってもいいから今回の提案受け入れてくれないだろうか」
「私……他の、柚瑠以外の人にこれ以上苦しんでるところ見せるわけにはいかない。だから、わかった」
「そうか……ありがとう。それで、どうしようか?俺か柚瑠に言うか?それとも自分で言うか?」
「……自分でちゃんと言う」
「そうか。それじゃあ伝えたら博士と俺の連絡先を柚瑠くんに教えておいてくれ」
望月さんはそれを言うと慌ただしい様子で帰った。
そうだよね……。誰かに支えてもらわないと生活できないときが人間にはあるんだ。きっとそれは私にも……。でも柚瑠に何て伝えればいいんだろう。素直に言えるのが1番なんだと思うけど…………。
そのまま私は深い眠りに堕ちていった。