この感情は…?-れい said-
望月さんに送ってもらって家に帰ってきた。家族はいないからもちろん1人。おかえりと声をかけてくれるような人もここにはいない。たった1人で静かな時間が過ぎていく。
そんな中で考え事をする。なぜヒートがあんなにも重症だったのか。あのときに感じた感情は一体何だったのか。柚瑠といたときに更に辛くなったのはなぜ。そんなことを考えていたら日付が変わってしまっていた。
「もうこんな時間か…」
思ってた以上に時間が経っていて驚く。そんなに長い時間考え事をするなんて、なんて時間の無駄遣いをしてしまったんだろう。ずっと頭の中を今日の出来事がぐるぐると回ってた。柚瑠と打ち解けたこと。柚瑠にいつか私がロボットだということを話す日が来るのだろうかということ…あれ?私、柚瑠のことばかり考えてない?でも今思えば、柚瑠といたときに今まで感じたことのない感情を認知した。でも私の中に組み込まれてないデータだから理解できなくて、ヒートがさらに辛くなったんだ。
私はこれからどうなってしまうんだろう。身体はいつまで持つのだろう。歌をいつまで歌えるのだろう…もっと歌いたい…歌いたいのに…。
考えているうちに寝てしまった。目が覚めるといつもと変わらない朝が来ていた。
「…もう朝?望月さんに学校休めって言われてたんだけっけ…もう少し寝ようかな」
私は再び眠りについた。