074
「久しぶりの作戦か~いぎ」
ドンドンパフパフ。
脳内で効果音が鳴り響く。
ベッドに向かい合い俺たち4人は座っていた。俺の言葉への反応は皆無。
今は11時丁度くらいだ。ルナがなかなか起きず、10時に強制的に起こし、その前に買って来ていたご飯をみんなで食べて今に至る。
「では、早速ですが重大発表をします。我がパーティはこの街を出る前に解散します」
「…………えっ!!」
反応が鈍かったが、リーゼだけが声を出した。きっとルナもイーロも何も言わなかったから驚くほどの事でもないと錯覚したのだろう。ルナとイーロは多分、薄々感づいていたから驚かなかったのだろう。表情でそう感じた。
「この街を出る予定は4月! まぁ雪によりけりだけれど、4月には普通に行動できるようになるでしょうという予想で考えました」
何かを言いたそうなリーゼだったが、口を挟ませずに、挟む気はなかったのかも知れないが、俺は続けた。
「4月からは自由です。こんな所で解散と言うのは申し訳ないんだけど、俺はもうダンジョンとかは無理だ。魔物だって強いのとは戦えんし、多数の魔物との戦いも無理。だから俺は抜けます。もちろん3人はパーティを組んだままでも良いんだからな」
「わ、私が――っ!」
リーゼが途中で言葉を止める。何を言おうとしたのだろうか。
「なあ、コウよ」
「うん?」
「こんな機会だから聞くんだが、オレはどうだった?」
自分で言ってイーロは首を振った。
「イヤ、違うな。……こんなオレで助けになったか?」
簡単に答えてはいけなそうな質問だ。イーロは俺の目を見て質問してきた。その視線は逸らすに逸らせない。逸らしたら最後、目を合わせられなくなる気がする。
「今まで黙っていたんだが、オレはな、元はB級冒険者だったんだ」
隠し事はお互いさまだったな。と軽く笑ってイーロは続ける。
「ギルドの奴とトラブルがあってな、カード取り上げで済んだんだが、人間関係はぶち壊れた。それからまた冒険者になる気はなく、チンピラと化してあの都市に来たばっかの奴らからこっそり物を取ったり、スラム街に流れてきた汚れ仕事みたいなもんで数年生活していたわけよ」
イーロの昔話は初めて聞いた。何と答えようか考えていた俺は、話しに意識を持っていかれていた。
「そんな時、コウたちを見て良いカモだと思った。ところがな、ルナに気づかれ、捕まり、オレは思っちまったわけよ。カッコイイと。昔はオレも善良な人間だったんだぜ、これでも。人間堕ちるのは簡単だったがな。前に惚れたって言った事あったろ? あれはルナ自身の生きざまにも惚れたのかもしれねぇな。オレももう一度やり直したいとな」
言って恥ずかしくなったのか顔が赤くなっているイーロ。話題が少し変わったため視線をずらしてルナを見れた。イーロの言葉に対してルナはいつも通りの表情を装っているが、俺にはわかる、照れている! あのルナが照れを隠そうとしているのだ。
「コウたちと行こうと思ったのは罪滅ぼしもあったんだ。手助けをして今までの事を帳消しにしたいという気持ちが。悪い事している自覚はあったからな。だんだん感覚は麻痺しちまってたけどよ。まぁあれだ、オレは誰かに認めてほしかったのかも知れないな。理不尽な事があって堕ちたオレの事を」
何のトラブルがあったかは話さなかったもののイーロの気持ちはわかった。
「俺はもう大切な仲間だと思っているぞ。解散したって友人だ」
「……そうか」
イーロはそう言うとベッドの上で体勢を変え、正座した。
「本当に、今更だが、改めてすまなかった。そしてありがとう。オレを一緒にいさせてくれて」
頭をベッドまでつけていた。
リーゼは俺とイーロを何回も見ていた。どうすればいいのかと聞きたそうだ。
「剣の件は俺の中ではもう終わっている。気にする事もないからな。顔を上げてくれ」
言葉の途中、ルナとリーゼと目を合わせた。2人とも頷いたという事はこの件のことは気にしていない、又はもうどうでもいい事になっているのだろう。
「そうか…………ありがとう」
顔を上げた男の表情はスッキリとしているように見えた。
「これからイーロはどうする予定だ?」
「そうだな、中央都市に戻って暮す気はないし、どこかぶらぶらしてるかもな。ルナが良いって言えばついて行きたいとも思ってる」
この男、さっきので吹っ切れたのか堂々と宣言した。
「そうか。ルナはどうする?」
「あたしはねー、自由気ままに生きようかな? コウちゃんに会う前みたいに」
「なるほどな。リーゼは?」
「私は奴隷ですので。コウ様のお傍にいます!」
力強く言われた。
一通り聞いたが大まかには解散後の予定を思いついているようだ。発表して数分なのにもう考えつくとはな。誰かは、どうしようかなぁとかいう人がいると思ったのに。
「コウちゃんはどうするの?」
「うん? 俺か? 俺はなぁ……」
どうしようか?
……あれ、俺がこの立ち位置なのか?
「と、取り敢えずは中央に戻るかな。賃貸の事とかあるし。ハンナが何て言って家を空けたかにもよるけどね」
ふぅ、なんとか思いつけた。
一応家賃は払ってあるから、引き払ってなければ俺はあの家で暮らそうかなと思った。大都市だ、仕事も何かしらありそうだしね。まぁどうするかはハンナに聞いてからになるけど。
「そうなると、……寂しくなりますね」
と、リーゼが口を開いた。
みんなバラバラ……ではないかも知れないが、別れてしまうのは事実。居ないままの状態なら耐えられるが、増えたものが減ってしまうのは喪失感、寂しさが生まれてしまう。
「でも、あそこに寄った時はコウちゃんちに行けば会えるよね」
「……そうなるな」
ルナの言葉で俺はみんなが集合する風景をイメージした。
憩いの場、みたいな感じで自分の家のように過ごしているルナ、イーロ、リーゼの姿。それはそれで良いかもしれない。
そんな事を考えていると、気づけば誰も喋らなくなっていた。各々がどうするかと改めて考えているのかも知れないな。
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166年 3月30日
時は流れた。今では行きつけとなっているギルド前のご飯処。そこに俺たち総勢12名が晩ご飯を取るためにやって来ていたのだ。
「明日行っちまうんだろ?」
「はい、俺たちはこの街を出ます」
寂しくなっちまうなぁ。とヴィートさんは言う。
「ヴィートも明日行くんだろ?」
エルシーさんがそう突っ込んでいる。
作戦会議の後、眠りから覚めてきたハンナとエルシーさんに俺たちのこれからの事を話していた。その話を持ち帰った2人は他の全員に話してくれて、それじゃあ。と言うことで全員が行く場所は違えど、4月にこの街を出るという形になっていた。
問題は解決している。
まず、俺の毒は完全に解毒された。あの薬を飲んで数日後、ハンナが細かく診ると言ってくれて、半日以上掛かったが問題なしという結果がでた。後遺症として右手はゆっくりでしか動かせず、力も全然入らない。でも、日常生活で余程困るという事はない。重たいものならポックスに入れてしまえば運べるし、ご飯の時、手をグーにして物を刺したりすくったりして食べれていたし。まぁこれはどうかという話になり、リーゼに食べさせてもらえという話が出た事もあったが。
俺も男だ、流石にそれは恥ずかしい。
だから左手で食べる練習をしたのだ。おかげでまだ不器用ながらも何とかなるまでになっている。
というわけで俺は概ね良好な体調だ。
魔王の問題も解決していた。
これは、俺は全くかかわっておらず、聞いた話なのだが、2月頃魔王から裕になんかいつもと違うという事を言われたらしい。その内容は、「いつもはここら辺に感じるユウの感じが減っている?」と、胸の辺りを差しながらの疑問形。
その言葉に祐は魔王を罵倒したらしいが、罵倒されても尚魔王は真顔。
それで魔法に長けているエルシーさんとルナに相談したらしい。どうやって調べたかのか俺はわからないが、結果、結界の魔力が弱くなっていたらしい。ルナが爆笑しながらこの話をしてくれていた。
修復はルナでも「あたしには向かない魔法だからよくわからなかった」と言っていたが、なんとかなったらしい。でもこれではっきりしてしまった事がある。魔王から裕が離れていると、いつか結界が壊れ魔王が魔王と呼ばれるようになってしまった力、魔物を凶暴化させてしまう魔力が漂ってしまうという事が。
嘆いていたらしい裕だが、俺が見る限り段々仲良し度が上がっているように見えるから大丈夫だろうと思っている。
俺の目的地は中央都市ファンセントだ。リーゼにもそう言っている。ハンナから聞いた話だと、賃貸は家賃分がなくなるまでは俺たちが借りている事にしてくれているそうだ。ただ、掃除をしないと埃が溜まるわけで、そんな掃除をしてくれるとアリナさんは言ってくれたそうだ。……うん、帰った時追加料金を取られる覚悟をしないとな。
まぁ、その前に行きたいところがあったりするのだ。それが西大陸にあるあの街、ヴィンデルだ。そこでリーゼを奴隷から解放しようと考えている。買ったところで契約解除をするのはタダだからという理由だ。それにハセルとスティナにも言いたい事がある。余裕があればこの世界の実家ともいえる場所に顔も出したい。
部屋でイーロとどうするか話し合っていたときにリーゼの事だけを言ったのだが、それがルナに伝わり、ルナがシュリカの生まれ故郷なんだよ、とイーロに説明したらしく、イーロもそこまで一緒に行くという事になっていた。ルナもお参りをしに行くと言っていたのでパーティを解散しているにもかかわらず数ヶ月はまだ一緒にいれそうだ。リーゼには奴隷解放の話は内緒で、と言ってある。驚かせたいからな。
そうそう、ギルドにパーティ解散をしに行った時、俺とルナはB級に、リーゼはC級になっていた。今となっては、ほぇーという感じだが。ギルドの人にはおめでとうございます! と凄い称賛されたな。もっと前に、俺が全盛期になっていたらと嬉しかっただろうな。調子乗って、無理をして、やられてしまっていたかもしれないが。
「はいお待ち! 今日は何か良いことあったのかい? こんな頼んじゃって」
うちとしては嬉しいけどね。と店員さんは笑顔で料理を持ってきた。
今日は飲んで食べまくる。という名目での食事だ。お別れパーティーみたいなものだろう。なのでいつも以上に注文していた。みんなで摘まめるものを多く、個人で食べたいものは勝手に。
「明日俺たち街を出ることにしたからなー。だからさ」
なー。と、ほろ酔い気味のダンジオさんは隣にいたヴィートさんに腕を回した。顔を赤くしているヴィートさんも腕を動かし、2人で肩を組んで体を左右に動かし始めた。
仲良いよなぁ。俺がそう思っていると、横にいるイーロから俺たちもやるか? と聞きながら腕を肩に回してくる。
やるなら聞くなよ。そう思ったが悪い気はしない。酔っぱらいつつあるイーロと甘めのジュースのようなお酒をちびちび飲んでいた俺も肩を組み、あの2人の真似するように体を動かした。
それは気づけば俺たち全員、肩を組み交わし輪になっていた。場の雰囲気に酔ったのだろう、酒を飲んでない人たちもだ。いや、飲んでいたのかも知れない。なんせこの世界、15歳以上は大人なのだから。……ん? ハンナだけまだか? まぁいいか。
考えるのを放棄した俺は、楽しさに身を任せたのだった。
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目を開ける。日の光が部屋に入って来ているのが見えた。……部屋?
近くからは「ぐぅ~、ごぉぉ」と音がする。
てかここはどこだ? 昨日俺はどうしたんだ?
記憶をさかのぼるも、思い出せるのは肩を組みなんか笑いが込み上げて来た所までだ。
『166年 4月1日 6時26分14秒』
時間はまだ早かった。
体を起こし状況確認。
……いつも通りの風景だ。という事はここは俺の泊まっている宿で、記憶がないもどうにかここまで帰って来て、イーロは気持ちよさそうに隣で寝ているわけで……
「……4月でもまだ寒いな」
ぶるるっ、と体に寒気が走る。俺は暖炉に火を灯そうとベッドから出た。
火を点けるとパチッパチッと薪が爆ぜる音。それ以外はいびきしか聞こえない。
暖炉のの火を見ながら昨日の事を思い出そうとしていたがやっぱり無理。記憶が飛ぶというのはこういう事なのかと体験してわかった。何か変な事をやっていなければいいのだが……後でイーロに聞くとするかな。
今日、街を出ると言っても準備する事は特になかったので俺はいつも通りのんびりとベッドの上で数時間過ごすことにした。
「……――い、風邪ひくぞー」
「…………?」
体が揺れて意識が戻った。
「はれ? 俺寝てた?」
「おう、ぐっすりと。それにしても何で座ったまま寝てたんだ?」
イーロが言うには暖炉の方を見て、俺は座って寝ていたそうだ。でも今回は記憶があるぞ。ベッドに腰掛け、暖炉の火を見ていてボーっとしていたという記憶が。……そして、そのまま寝てしまったんだろう。
「早起きだな、って言っても返事がなかったからよ。少し心配したが顔を見てびっくり、気持ちよさそうによだれまで口の横に垂らしてたぞ」
ケタケタと笑われる。
「マジか!?」
口を拭い湿り気を確認。垂れてズボンについていないかも確認。
「……あっはっはっ、冗談だ、すまん」
ベッドをごろごろと転がって、お腹を押さえ笑うイーロ。
少しばかりカチンときたワタクシはベッドから彼を転がり落としました。
「そういえば俺は昨日どんなんだった?」
ベッドから落ちてぶつけた所をさすっていたイーロは、覚えてないのか? と聞いてきた。
「覚えてないから聞いているんじゃないか」
「そうか、……あれはあれで面白かったぞ。宴会の終盤だったかな、コウがいきなり隣に座っていたリーゼの方に倒れてな、膝枕をしてもらった状態でリーゼの腹に顔をこすりつけてたな。それに、リーゼはリーゼでコウの顔を掴んでぷにぷにいじっていたぞ。そうだなぁ、あれは乙女の顔って言うのか? なんか幸せそうだった」
うんうん、と頷いているが今にも笑いそうな顔のイーロだが、そんなことより俺は恥ずかしさの方が上回る。
「ま、まじか……?」
か細い声で言うと、
「マジだ」
と野太い声で返される。
ほぁ……死ぬ、恥ずかしさで死ねる。みんなの見ている前でだろ? やばいだろ、酒怖い。記憶なくすの超怖い。あんなに飲んだのは初めてだったけど……これから飲むのはほどほどにしよう。うん、甘いからってジュース感覚で飲むのはやめよう。
「帰りは大変だったぞ。オレがコウとリーゼの手を引いて、千鳥足の2人を引っ張っていたわけよ。そしたらルナも飲み過ぎてたんだな。ふらふらと歩いてる。最終的には2人を引っ張りつつ、ルナを肩に背負い帰って来たんだから」
「それは申し訳ない!」
全く持って言い返せない。飲み過ぎた自分が悪いのだから。
まぁ良い思い出になったよ。これで後々イジれるしな。と言われた。確かに、もっと年を取ってからこの話をされると、昔は若かったなぁ。とか言える気が――
「こ、こここ、こ、ここ、コウ様ぁぁ!!?」
突如、ドアが開かれた。それも壊れそうな勢いで。
「あ、あ、あああのの、ほ、本当でですか!?」
俺の目の前に来るやいきなり床に正座したリーゼは顔を真っ赤にして、目まで潤ませてベッドに座る俺を見つめてくる。
「本当なんですか!!?」
「な、なにが……?」
リーゼの勢いに押され少し後ろに下がりながらも俺は問う。
「本当に、…………私はコウ様と……!!?」
濁すように間を開ける。
「リーゼちゃん慌てすぎだよ」
この慌てぶりの原因を作ったであろう本人も部屋に入ってきた。
「あたしは聞かれたから昨日の事を言っただけなのに」
「で、でも、そんな事を!?」
「そんな事って、あれだろ俺がリーゼに倒れて、リーゼが俺の顔で遊んだって話だろ?」
恥ずかしいから膝枕とは言わない。
「……うん? それだけ?」
「お、俺はそう聞いたぞ」
何だ、何のクエッションだ?
「あれ、まだなんか面白いことあったっけ?」
「あったよ、リーゼちゃんとコウちゃんがキスしてたんだよ」
……ん!!?
「それは、勇者と魔王だったじゃないか。罰ゲームで」
「そっか、ディロちゃんは野次を飛ばしてたから見てなかったんだよ。あの2人がする前に、膝の上にあったコウちゃんの顔で遊んでいたリーゼちゃんがね、あの2人の事をじっと見てからコウちゃんに顔を近づけて――」
「や、やめてください!! わ、わたしゅいがそ、そんな事をするはずにゃいじゃないでしゅか!!」
お……俺はリーゼに唇を……。
「コウ様も、手を口に当てて黙らないでください! 反論してくださいよぉ」
「そんなこと言われてもな、俺記憶がないしなぁ」
「わ、私もないんです。でもそれはそれ! ど、奴隷の私がそんな事を――」
「まぁ奴隷だとしても、オレたちには関係ない。そうだろコウ」
「うん、まぁそうだが」
「コウ様はどっちの味方なんですかぁ!!!」
記憶がないからか、リーゼの取り乱し具合が面白いからか、俺はそこまで恥ずかしいとは思わなかった。さっき聞いた、リーゼのお腹に顔をこすりつけていたと言う方が恥ずかしかったな。
「まぁいいじゃん。嫌いな奴じゃないんだし。リーゼはコウのことを慕ってるんだろ? 口づけのひとつやふたつ、気にしなさんなよ」
「そ、それはそうなんですけど、私の初めてをコウ様が貰ってくれたのはうれ……し」
ぼふゅ。と言いそうなほどの顔色の変化。うん、自爆したな。
「初めてかぁ」
リーゼは口を動かしてパクパクと。何を言いたいのかはわかるようなわからぬような。まぁ恥ずかしさの上限が突破したのだろう。
「よし、そろそろ行くか。どっかでご飯食ってから」
「いいなぁ。美味しいものを食ってから出発か」
名残惜しいもずっと遊んでいるわけにはいかない。
自分より取り乱している人を見ると冷静になれるというのは本当のようだ。俺は3人の顔を見た。誰も二日酔いにはなっていないようだ。
「というわけで、ルナさんよ、美味しい店教えてくれ」
「おっけー」
これからは報酬が多い討伐依頼はやらないだろう。この街でも時間があるときは小金稼ぎとして、探し物や、店の手伝いなどの低級依頼をやっていた。これでも贅沢はできずとも、数をこなせば暮らしていける。
「んじゃ行こうか」
俺は動きだした。
勇者パーティと魔王とその仲間たちももう出発しているかも知れないし、まだかも知れない。でもお別れは昨日したから大丈夫。ハンナとも中央に帰ってからはまた一緒に暮らす約束をしているし……あ、ハンナの実家に行くかもしれないって言うの忘れたな。……まぁいいか。元気だったって言えば。
そんな事を考えながら俺は、俺たちは宿を出る。
自分の事で頭が一杯だった俺は、魔王と祐の罰ゲームとやらの件は頭の中からすっぽりと消えていた。
閲覧ありがとうございます!
エピローグ前まで書けました! 添削はまだですけど……。
はい、前にあと四話ほどと書いてましたが、書いているうちに長くなるわ長くなるわ。これの次の話からエピローグまで約3万字ほどになってました(笑)
なので話数は伸びました。でも予定だったから大丈夫、ですよね……?
残りはこれを入れて、今度こそあと四話になるはずです。
以上、深夜テンションで後書きを書かせていただきました!




