035
「よっ、と」
「おはようございます」
「――うおっ!? びっくりしたぁ、何だコウか……」
寝袋に包まっていたラウルさんが体をくの字にするように起こしてきたから挨拶をしただけなのに、なにこの言われよう……。
「おはよう、変わったことはなかったようだな」
「ご覧の通り、何もありませんでしたよ」
「そりゃ良い事だ。んじゃ、飯にしようか」
了解です、と置いておいた鍋とそれを支える道具を、消さないように見守っていた焚き火にさっとセッティングした。さっとやらないと熱いからね。
その間にラウルさんは寝袋から出て、習慣なのかちょっとした体操らしき事をやっている。
「みんな起こして来ますね」
「まだ起こさなくていいぞ。早いし、ご飯出来てからで大丈夫だ」
「そうですか」
立ち上がろうとした俺は、途中で動きを止め焚き火に視線を戻した。
『163年9月12日 6時39分35秒』
確かに早いな。
5時を過ぎた頃に太陽の明かりが遠くに見え始めたが、それから2時間も経っていないじゃないか。何にもしていないと時間が経つのは遅いんだな……。
ラウルさんは最初に生活魔法で水を鍋に入れると、次はボックスから出した具材を手際良く鍋の中に放り込んでいる。具材は事前に切ってあるみたいだ。
「朝だし、軽い野菜スープな。かき混ぜといてくれ」
「は、はい」
木製のお玉を受け取りゆっくりとかき回す。
「――ブルルルルッ」
「おう、よしよし」
ラウルさんは馬のご飯を置きに行ったようだ。背中をさすっているのが見える。
「今日も頼んだぞ」
馬はラウルさんの言葉を理解したかのように。「ブルルッ」とまた鳴き、置かれたご飯を食べ始めた。
「ありがとう、もう出来ただろ。みんなを起こして来てくれないか? オレが行っても変だしな」
「あっ、じゃあこれを」
お玉を渡し俺は馬車に向かった。
料理が出来るまでの時間は約20分程度だったので、今は7時になった頃だろうか。
外からの場合、押して開くようになっている馬車のドアの持ち手を掴もうとした。
――が、俺の手は空を切る。
「おうッ!?」
タイミング悪く内側からドアが開かれたのだ。
「あっ、おはようございますコウ様」
素晴らしいタイミングだったので重心が前方向にいったままだ。このままだとリーゼに倒れ掛かってしまう。地面から馬車の入口までは高さがあるとはいえ、倒れたらリーゼを押し倒すぞ!?
――どうする! この体勢から持ち直すためには……!!
俺はドアに手を掛けようとしていない方の手で、馬車に手をついて体を支えようとした。
「――あっ、ヤバッ……」
焦っていたせいか、思ったより力んでしまった。体を支えるために出した手で馬車を押してしまう。馬車は動く気配はもちろんない。動いたのは俺の体だ。今度は後方への転倒が始まった。
「コウ様っ!」
前から差し出された手をとっさに掴む。
「っ、あっ、きゃぁ!」
リーゼもとっさに手を差し伸ばしたのだろう。それはありがたい、が、何か支えるものに掴んだり触れたりしていなければ、グンッと引っ張られる力にはかなわないだろうよ。
ばたっ、どさっ
「いっッ……。リーゼ、大丈夫……か……?」
何だろうこの顔に当たる感触は……前にも似たような事を経験したことあるような……。
「うぅぅ……。きゃっ!? コウ様動かないでください!」
「ふへ? 何で?」
「お、お願いしますっ!」
リーゼは必死に叫んでいるようだ。そんなに切羽詰った状態なのか? 前が真っ暗で何も見えないんだが。……思い出した! リーゼがまだ奴隷になる前に逃げ回っていて、俺と激突したときもリーゼに押し倒されたし、ビンタもされたなぁ……良い思い出だ、うん。
「あ、……あと腕も離してくれると嬉しいんですが……」
「ふえ? ああ、ごめん」
倒れた時、どうなったのかは定かではないが、反射的にリーゼを抱きかかえるような感じで倒れてしまったようだ。
俺は言われた通り、リーゼに回していた腕を離す。
「あ、ありがとうございます」
リーゼが体を上げると俺の顔の前に双丘が……新しい防具により少しばかり強調された2つの山が。
ま、まさか俺はこの間に顔を挟まれていたというわけか? なにこの状況。
「こ、コウ様、大丈夫ですか?」
倒れている俺の頭の斜め上からリーゼの声が聞こえた。
「ああ、だいじょう……!」
「コウ様?」
うるっとした瞳でリーゼは俺の方を見ていた。四つん這いのリーゼは、俺を両手両膝の間に挟み込んでいる。
上を見ればリーゼの顔、前を見れば2つの山……これなんてエロゲ?
「大丈夫ですか!? コウ様!」
「あっ、ああ大丈夫だ。問題ない」
「そうですか」
良かったです。とリーゼはそのポジションから動いてしまった。
「だ、大丈夫でしたか?」
馬車の中からシュリカが心配してくれていた。今の一悶着で起こしてしまったらしい。起こしに来たのだから結果としては良いのだが、何か恥ずかしいな。
「いい匂い~、ご飯だー!」
「うぐッ!!?」
「ん? 何か踏んだ?」
ルナさん、馬車から降りるときは下も確認してほしかったです。
「あっ、コウちゃん! ごめんね、でもそんな所で寝てるのは危ないよ?」
……俺の心の声は通じなかったようだ。
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「おし、ここが今日泊まる村だ」
朝ご飯を食べてから10時間以上が経っている、17時過ぎに村に到着した。
ここまで一度だけ魔物と遭遇したが、1体で道を歩いてた魔物を先にラウルさんが発見してくれたおかげで、戦闘になる前にシュリカが矢で射抜いて事なきを得た。魔物は見た目は黒いうさぎだった。ラウルさんが言うには、「こいつは仲間を呼ぶから、ばれる前に殺るのが一番」だそうだ。
「ふぅ」
馬車を降りると、すでに村に入っていたみたいで家が点々と立っているのが見える。
「わぁ、村ってこんな感じなんですね」
「自然が多い。……うん良いかも」
家は木で出来ていて、屋根には葉や草が覆っていた。夏だから緑に生い茂っている。
「宿屋はあっちだ。案内するからちょっと待っててくれ」
そう言ってラウルさんは馬小屋へと歩いて行った。
今更だがこの世界は村、町、街、都市全ての所で入り口近くに馬小屋があるのだ。車の駐車場みたいなものだと思えばいいだろう。
「は~い」
ルナが返事をしている。
俺も風景を見ることにした。
前に行った村よりも緑が多かった。前の村は、村内に木はあまり立っていなかったのに、この村は木が多い。紅葉の時期だと綺麗かもしれないな。……前の村か、ルナと初めて会ったのもそこでだし。ずいぶんと経ったような気もするけど実際には1ヶ月と少ししか経ってないわけで……時間の流れとは遅いものだ。でもこの世界に来てから1年以上も暮らしているんだな。1年で色々あったなぁ……。
「お待たせ。宿屋はこっちだ」
「おーうっ」
「あっ、は、はい」
いかん、こんなとこで物思いにふけっている場合じゃないな。
ラウルさんの案内で民家より大きめの家に入った。
「いらっしゃい。あらラウルじゃないかねぇ。久しぶりねぇ」
「おう、ばあちゃん。変わりないみたいだな」
初老のお婆さんに気軽に話しかけているラウルさん。気が知れた仲なのだろう。
「今日は楽しそうねぇ。冒険者さんが面白い人たちだったのかねぇ?」
「そうだな。この前、ここを寄ったときの人よりは断然いいぞ、なぁコウ」
いや、俺に振られましても……。
「は、はぁ」
「ふふ、ほんとねぇ。そちらの4人とラウルね、部屋はどうするかねぇ」
「オレは1人で。コウたちはどうするんだ?」
「そうですね……3人部屋と1人部屋って出来ますか?」
「うちは2人部屋が2つに4人部屋が2つしかないんだよ。だから2人部屋と4人部屋1つずつってことでいいかねぇ」
「はい、もちろんです」
「今、他に客はいないし、ゆっくりしておいき」
お婆さんはそう言い、部屋の鍵を渡された俺たちは二階に上がった。
「んじゃオレはこの部屋だから、何かあったら来てくれや」
ラウルさん階段から一番近い部屋に入っていった。
俺の部屋は……ここか。
ラウルさんの部屋の斜め方向に行った所だ。
「私たちはここですね」
俺の部屋の前がルナたちの部屋になっていた。
階段の一番近くにラウルさんの部屋。その隣がルナたちの部屋。その前が俺の部屋となっていて俺の隣が空き部屋という事だ。
「もう夕方だけど、村を探索したり好きな事していいからな。俺の部屋に来ても良いし。でも村の外には出るなよ。晩ご飯んは下で食べることになっているから20時に下集合で」
階段を上がっている最中ラウルさんが言っていたことを反復して、俺も部屋に入っていった。まだ日は落ちてなく、夕日が窓から射しこんでいる。内装も全て木製で統一されていた。
来る途中、徹夜で見張っていたせいか馬車で2時間程寝てしまってはいたが寝たりない。という事で俺はベッドに潜り込んだ。
「コウちゃーん。入るよー」
そんな声が聞こえてドアが開かれる。
「おう。……1人か?」
寝ようと思ったがルナが来たので布団を剥いでベッドに座り直す。
「うんっ、2人は村を見てくるって言ってた」
「ルナは行かなかったのか」
「あたしは色々行ったことあるから珍しくないもん。だからコウちゃんのとこ遊びに来た!」
「そうか……」
寝るって言っとけば良かったか? それでもルナは来そうだな……。
「そだ、前に疑問に思ったんだけど、魔物は倒すと消えるじゃん」
「うん? うんっ」
「ウマとか動物の場合は死ぬとどうなるんだ?」
「それは人と同じだよ? そうじゃないとお肉が食べれないよっ!」
「じゃあさ、魔物と動物の違いって何なんだ?」
「う~ん……、魔物は体内に魔力を秘めている……というか、魔力で体が造らているようなものなんだよ。動物は違って、魔力を全然持っていないからそのまま死体が残るの。魔力を少し持っている動物もいるけどね、人みたいに」
「へー……じゃあさ、じゃあさ、膨大な魔力を持った……魔法使いは死んだとき体は粒子に返るの?」
「あの……ハセルちゃんとスティナちゃんが死んじゃった時、体が光ったでしょ?」
話しにくそうにしたルナだったが、俺の質問に答えてくれようと言葉を続ける。
「その光が人の魔力なの。死んじゃったら体は残るけど、体内の魔力は消えちゃうんだ」
……そうだったのか。
「ありがとう、ルナ」
「ううん。コウちゃんは知らない事がいっぱいだからね。あたしが知っている事なら何でも教えてあげるよっ」
ない胸を張りながらルナは言った。言い切った。
「頼もしいな」
悔しい気もするが事実なのでしょうがない。
俺は微笑みながら隣に座っているルナの頭をぐいぐいとなでる。
魔物と動物の差は体のつくりなのだろう。魔力で体が造られているか否かだ。
あと、これは俺の憶測だが、魔力で体が作られているのに時折落とすドロップアイテム。あれは魔力が粒子化せずに残ることがあるから起こる現象なのだろう。どうしてそうなるかはわからないが、粒子化にも何かしらの法則があるのかも知れない。
魔物が武器を使っていても武器が落ちない事もあるがそれはなぜか。これはルナに聞いたが、ルナもわからないと言っていた。知っていた所で俺は意味がないと思いこれ以上は考えずに、久しぶりにルナが猫ルナになったので戯れていた。いつもはリーゼがいるし、今はシュリカもいる。こんな時間は本当に久しぶりだ。ほんと前の村以来だ。
コンコン
「コウ様、入ってもいいですか?」
小1時間ほど猫ルナと戯れていると、リーゼがノックしてきたようだ。
「おう、大丈夫だぞ」
「失礼します」
「……お邪魔します」
「ニャ!」
膝の上に乗っていたルナが、部屋に入ってきたリーゼに飛びついた。
「きゃっ!? な、なんだルナ様ですか」
「え? ルナちゃん?」
「ニャァ~」
シュリカがリーゼの腕に抱えられていた猫ルナを覗き込もうとすると、ルナは人ルナへと戻る。
「うわぁっ!?」
「きゃ!?」
ルナの重さが変わったためかリーゼが体勢を崩し、リーゼの発した声にシュリカは驚いていた。
「おかえり~」
リーゼは体勢を崩したものの、ルナを落とすことなく抱いている。そんなの知らないとばかりに、ルナはのんきに2人帰りを祝っている。
「ただいま、ルナちゃん今のは……?」
「変身魔法だよ」
「へん、しん……?」
そういやシュリカは初めてだったか。この反応は面白いものが見れそうだ。リーゼの時は俺が知らぬ間に一度見ていたらしく驚いた表情は見れなかったしな。
「うんっ」
「……変身できるの?」
そう聞かれたルナは、「見てて」と言い、もう一度猫化した。
猫化によりルナの体積が変わり、リーゼの腕からすり落ちそうになる。
リーゼは焦ったようにルナを抱きかかえ直した。
「ふぅ」
安堵の吐息が聞こえてきたが、ルナは気にする様子もなく、「ニャ~」とのんきに鳴いていた。
「……凄いです! 可愛いです!! どうやってやってるの!? 私でも…………はっ!?」
まくし立てて喋り出したシュリカを見ていたら、どうやら我に返ったようで顔をボンッと赤く染めている。
ルナはリーゼの腕の中からジャンプして、そんなシュリカの肩に着地。そのまま頬を擦りつけている。頬ずりというやつだ。
「んっ、さらさらだぁ……」
「ニャァ~」
猫ルナはシュリカの肩から降りると、人ルナになりながら床に着地した。
「っと。こんな感じ」
「ま、魔力があれば誰でもできるのかな?」
「獣人しかできないよ」
「そっかぁ……。凄いなぁ、羨ましいなぁ」
「シュリカってネコ好きなの?」
さっきからの反応を見る限りそう思えてならなかった。それか、動物全般が好きなのか。
「あっ……は、ははは、はい、そ、そうなんです。わっ……私、昔からネコが好きなの。だけど小さい時に引っ掻かれた事があって触るのは怖くて……。で、でも、ルナちゃんなら大丈夫! あのふさふさした毛並みに、つぶらな瞳……良いですよね!!」
「い、良いよね。うん」
「ですよねっ、ネコは可愛いっ!」
ルナの猫耳をムニムニといじりながら力説してくれた。ルナは満更でもないようで、頬を微かに染めながら笑っていた。
俺も猫は好きだけど、シュリカのこの反応には俺が驚かされたな。シュリカって以外と隠していることが多いような……言う事もないと思っているのか、それともまだ恥ずかしいと思っているのか、どっちだろう? 他の選択肢も考えられるけど……。まぁ、これからだよな。リーゼみたいに俺になら何でも話していいとか思っている方がおかしいのだから。目標は家族並みの仲良しさ、だな。家族なら恥ずかしい事を知っていても気にしないだろうし、受け入れてくれる……と思うしな、うん。俺は受け入れるし。
「そ、そろそろご飯の時間だし、下行くか」
「は~い」
この話を切り上げ、俺たちは一階へと向かった。
……結局寝れなかったな。
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「ふぅ、お風呂に入れるとは思ってなかったぁ」
「ふふっ、私もですよ」
「あたしもう出るよー」
「わかりましたー」
「うんー」
ルナちゃんはバシャバシャと出口まで歩いて行ってしまう。今、この風呂場には私とリーゼさんだけになったのだ。
お風呂は宿に付いていた。ご飯を食べ終わった後、女将さんに教えてもらったのだ。5人くらいなら軽く入れる大きさのお風呂だ。ここは時間で男女の入浴時間が変わるらしいので、男湯になる前には上がらないと。
……はぁ~、それにしても気持ちいいなぁ。…………さっきの事気になるし、リーゼさんになら。
「……リーゼさん」
リーゼさんになら前に泣いてるとこを見られているし……聞いてもいいよね。
「はい、何ですか?」
「私、さっき……ご飯を食べる前に話してたとき、変じゃなかったかな」
「大丈夫でしたよ?」
「で、でも、コウさんにネコ好きってばれちゃったし、変な喋り方になっていたと思うし、その時のみんなの目が見開いていた気がするし……ブクブク」
口までお湯に浸け息を吐きだしてみる。ああっ、顔が熱い気がする。お風呂のせいかな? お風呂のせいだよねっ!
リーゼさんは、その事ですか。と前置きをしてから話してくれた。
「ちょっとびっくりしましたけど、大丈夫ですよ。私だって奴隷なのにわがままを言ってしまいましたけど、それでもコウ様は当然のように私の事を助けてくれたのですから」
「それってリーゼさんの大切な人の事だよね」
「はい」
リーゼさんに前聞いた事を思い出した。
出会って間もない人を助けることなんて、私には出来るのだろうか? ダンジョンや街の外で魔物に襲われている人を助けたことは何回かあったが、個人的な事は私には無理だ……。やっぱりコウさんってかっこいいな。
初めて会った時から、助けてもらってから今までを見ていて思った、変わらない私の気持ちだ。
「そう……だよね。嫌われたりなんてしないよね」
「もちろんですよ。それにネコは私も好きですよ。それで嫌われてしまうのなら、私はもう嫌われています」
笑顔で優しくリーゼさんは言ってくれた。
「もしシュリカ様の事をコウ様が嫌いに思っていたのなら私が一言物申します! だから安心してくださいね」
「……ありがとう、でもそれってコウさんに逆らうってことじゃ……」
「あっ、……だ、大丈夫ですよっ。コウ様は心が広いですからっ」
「ぷっ、あはははっ、ありがとうリーゼちゃん」
あっ、ルナちゃんがいつもリーゼちゃんって呼んでるからつい言ってしまった。ど、どうしよう。
「はい。私もちゃんで呼んでもらって、何かシュリカ様とまた一歩近づけた気がします」
「あ……っ、ブクブクブク……」
さっきの心配は一瞬でなくなった。
こんな恥ずかしい事を良く言えるなリーゼさ……ちゃんは。でも許可もらえちゃった、嬉しいなぁ。
「……ぷはぁ、わ、私の事、呼び捨てでもい、良いよ?」
「気持ちは嬉しいですが、これは私がコウ様について行くと決めてから、好きでこうしているのです。だから気にしないでください。私もシュリカ様の事は大好きですから」
「あっ、えっ、わ、私もリーゼちゃんの事、お姉ちゃんみたいだなって思ってて、私の方が年上なのにね。変だよねっ!? ――きゃっ」
突然、リーゼちゃんに私の体は包み込まれた。やわらかい肌が私の体に密着して体温が伝わって来る。この体温が私を落ち着かせていた。
「ありがとうございます。わ、私もシュリカ様の事をお姉ちゃんと思ってもいいですか? 姉妹って憧れていたんです」
「そ、それじゃあ2人ともお姉ちゃんじゃない!?」
「ダメ……ですか?」
そんな顔、間近で見せられたら……。
「い、良いに決まってるわ。こ、これからもよろしくね、リーゼちゃん」
「はい、こちらこそお願いします、シュリカ様」
抱きつかれながら、広いお風呂に2人、密着して話していた。
それから少しして、私たちはお風呂から出て部屋に戻る。するとルナちゃんはすでに寝ていた。気持ち良さそうな寝息を立てている姿を見て、リーゼちゃんと2人で目を合わせ微笑んだ。
翌日、朝ご飯を食べてこの村から出発した。次の町までは3日くらいかかるそうだ。
コウさんとルナちゃん、リーゼちゃん、ラウルさんといつもと変わらないたわいのない話をしながら、馬車は進んで行くのだった。
ウラスタ「……わかったよ。えー、コホン、作者が鼻声のためウチが代わりに言います」
ウラスタ「いつも閲覧ありがとうございます! 最近寒いですね。もうほぼ治っていますが、私先週くらいから風邪気味でした(笑) 皆様も病気には気を付けてくださいっ」
ウラスタ「……これでいいのか?」
ウラスタ「そうか、じゃあウチも何かはなそっいたたたああああぁぁぁ!? ちょ、耳! みみひっぱらないでええええぇぇぇぇぇぇぇぇ………………(フェードアウト)」




