009
ようやく町に帰って来れた。
「取り敢えずギルドに行くか。コウ、まだ歩けるか?」
「……余裕だ」
「汗がすごいぞ。ほんとに行けるか?」
「疲れが溜まってるんだよ。ギルドまでは行ける」
「……そうか」
俺はフェルに肩を貸り、左足を引きずりながらゆっくりとギルドに向かった。
ギルドに着き、中に入る。
「おう!? お前たち無事だったか!」
おじさんからいきなり声をかけられた。
「おう、おやじ。なんとか帰って来たぜ」
「そっちのにいちゃんは怪我してるじゃねえか」
おじさんは誰かを呼んでいる様だ。
俺は近くの椅子に腰かけ左足を見る。
止血してもらったとはいえ、それまでに流れていた血が足に大量についていた。
人ってこんだけ血を流しても大丈夫なのか? そういえば、さっきから頭がくらくらしてる気が……。
「治療してやってくれないか」
「わかりました」
おじさんに呼ばれた受付のお姉さんは、俺の前まで来て魔法を唱え始めた。この人、俺が冒険者になるとき対応してくれた人だ。
「おやじ。少し前にコルとロダが来なかったか?」
フェルがおじさんに聞いていた。
「ああ、来たぞ。あいつらがお前たちのことを教えてくれたんだからな」
「コルは無事なのか!?」
食い気味に聞いていた。
「応急処置はした。あの怪我は危なかったぞ。治療魔法が使える人はこの町にも何人かいるが、その人たちでも後遺症は残る怪我だったんだ。だが、少し離れたとこに回復魔法の使い手がいてな。この町一番の人だ。聞いたことないか? ファーム製のミルクとか服とか」
「どっちも人気のある商品だな。それがなんだ?」
「その商品を作るためのウギを育てている人たちは元冒険者でな。今、馬車で向かっている。あの人なら後遺症も残さないだろう」
ミリアさんのことかな? そんな腕前の人だったとは。
俺は声を出す元気もなかったが、話を聞いていた。
「ふぅ。これで大丈夫よ。血を流しすぎだから数日安静にね」
俺はお辞儀をする。
お姉さんは微笑みながら受付に戻って行った。
足を動かしてみると痛みはなかった。違和感は少しあったが、気にするほどでもない。
俺は、フェルとおじさんが話しているところに近づいた。
「帰って来る途中、パーティに会わなかったか?」
「あったぞ。あの人たちがコウの止血をしてくれた。おお、コウもう平気か?」
「ああ、お姉さんに治してもらった。やっぱ魔法って凄いな」
「お前、そればっかだな」
あははと笑うフェル。
「そうだ、お前さんたちギルドカードを貸してみな」
「どうしてです?」
「にいちゃんは初めてだったな。ランクポイントは依頼だけじゃなく、ダンジョン探検や魔物討伐でも入るんだよ」
「だからここで確認してもらうってわけ」
フェルが補足する。
不思議なシステムだ。
「へー。じゃあお願いします」
「おう、ちょっと待ってな」
おじさんはカードを受け取り、俺たちの見えないところで何かをしている。
「はい。返すぜ」
カードを受け取る。
「2人ともランクアップはしなかったみたいだ」
「そうか」
フェルが答えた。
「これから何もやることないだろ?」
「はい」
「今日は大変だったんだから休みな。冒険者には休息も必要だ。これ、おっさんからのアドバイスだ」
おじさんはウインクしながら言った。
お姉さんがやったら可愛かったのにな。
そして、フェルと2人でギルドを出る。
「換金とかはまたあとででいいよな」
フェルが言う。
「ああ」
その事は怪我のせいですっかり忘れていたぞ。
「俺はこれからコルの所に行こうと思う。コウはどうする?」
「俺は帰ることにするよ。ファーム家に行く前に倒れそうだし」
「そうか。わかった」
「あ、あっちに着いたら、家の人に俺は無事ですって伝えといてくれないか?」
「それは構わないが……」
フェルの言葉が止まった。続く言葉は、何で? と言ったところか?
「前にお世話になってたんだよ。心配かけてると思うし、お願い」
「なるほど、わかった」
「じゃ、今日は助かった。またな」
「お互い様だ。じゃあな」
そう言って俺は家に向かった。
そのうち顔出さなきゃな。
そんな事を考えながらも、家に帰りついた。
「おかえりー。どうだったー?」
ノナンさんは、のほほんとした感じで聞いてくる。平和だなぁー。
「死にかけましたよ」
「え!? 大丈夫!!?」
「なんとかだいじょぶです。取り敢えず寝させてください……」
俺は階段に向かった。
ノナンさんが心配そうに見ているが、今は寝っ転がりたい。倒れてしまいそうだ。……もしかして結構危ない状態だったんじゃないか?
生きれて良かった。
俺は自室のベッドに転がり込んだ。
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温かい感触がして目が覚めた。
「スースー」
寝息を立てて、ノナンさんが俺の寝ているベッドに頭を置いている。
「……ノナンさん、どうしてここに?」
疑問に思ったが、気持ちよさそうに寝ているので起こさないようにベッドから出ようとした。
「おう?」
引っ張られる感触があった。
「う~ん」
ノナンさんが俺の服を握っていたみたいだ。
前にも同じことがあったような……
「起こしちゃってすいません」
「んー……、いいよ。私こそ寝ちゃってごめんね」
そう言って立ち上がる。
ここでは、それ以上は特に言わず、一階に降りて朝食を一緒に作り始めた。
「コウ君、昨日ふらふらしながら帰ってきたでしょ。それに、ロダ君とコルちゃんは帰ってこなかったから、気になっちゃってコウ君の部屋入っちゃった。私の部屋に入るなとか言っておいてダメだよね……」
ノナンさんが、らしくもなく神妙な顔をしている。
「俺が何も言わずに寝ちゃったのが悪いんですよ。すいません。ノナンさんに心配をかけてしまって」
「ううん。それは別にいいのよ。心配をかけられるのには慣れっこだから。心配をかけらても無事に……いや、無事じゃなくても、生きて帰って来てくれれば問題はないんだ」
でもね。とノナンさんは付け足す。
「昔に心配をかけたままいなくなった人がいてね。いわゆるトラウマってやつかな」
ノナンさんは顔を振り、いつもの感じに戻った。
「ごめんね朝から変な話して」
「いえ……」
俺はそれしか答えられなかった。
こういう場合どう答えていいのかわからない。
そのまま朝食の準備が進み、席について食べ始めた。
「ところで、あの2人は今どこに?」
忘れてた!
「えーっと……順を追って話しますね」
昨日起こったことをダンジョンの帰りから話した。
「そうだったんだ……。最近、特異種が多いわね」
「ゴブリンですか?」
「そう。この頻度に2体目は多いのよ」
普通は多くても月1回程度だとノナンさんは言う。
「でも、1ヶ月間気づかれないということもあるんじゃないですか?」
「あれだけの凶暴性なんだから、そういうことは少ないと思うんだけど。特異種目当ての冒険者もいるし……」
ノナンさんは考え込んでしまった。
俺はその間、朝食をもぐもぐと食べている。
昨日の夜は何も食べてないからお腹がペコペコだったのだ。
「……わからないわ。まあいいでしょう」
ノナンさんは考えるのをやめたようだ。
「それで、コウ君今日はどうするの?」
何も考えていなかったな。
「……数日安静にしてろと言われたんで、何にもせずにボーっとしてようかと」
久しぶりにそういうのも悪くないと思った。
「じゃあ、ジャンの所に行かない?」
そう聞いてきた。
あの2人のことも心配しているんだな。そりゃそうか、俺よりコルの方が重傷なんだもんな。
「いいですよ」
俺は答えた。
昨日、顔出さなきゃなと思ったのだが、すぐ顔を出すことになったみたいだ。
「食べ終わったら出発ね」
一通り片付けなどをして家を出た。
「この時間ならジャンはまだ仕事中だし、歩きでも大丈夫?」
「怪我はもう大丈夫です。ただ貧血気味なだけですから」
ゆっくり行きましょう。とノナンさんは言ってくれた。
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この道を歩くのは初めてだった。いつもは馬車で行っていたからだ。
俺たちは歩きで、30分くらいかけて到着した。
こうやって来ると、どういう風に家に入ればいいかわからなくなる。
家の前で足が止まっていると、ノナンさんはどんどん家の方に歩いて行ってしまった。
置いて行かれるのも困るので、小走りで追いつく。
「こんにちはー」
ノナンさんは玄関を開け挨拶をした。
「あら、ノナン。久しぶりね」
玄関を開けるとミリアさんが洗濯物を持っていた。
「ミリア久しぶり。1ヶ月とちょっとぶりね」
「おかーさん。誰が来たの?」
カレンはリビングから出て来た。
「あ! おねーちゃん」
「おお、カレンちゃん。お兄ちゃんもいるぞー」
玄関前にいた俺を引っ張り、前に出してくる。
「えーっと……。ただいまです」
「コウさん、お帰りなさい」
「コウ兄ちゃんお帰りー」
カレンは俺の胸に飛び込んできた。
「聞きましたよコウさん。もう怪我は大丈夫なんですか?」
「はい。受付のお姉さんに完全に治してもらいました」
「そうですか。あの子もやるようになったのですね」
……2人は知り合いみたいだな。
「コルの容態はどうなんだ」
ノナンさんが聞く。
「コルちゃんは大丈夫よ。酷かったのは、背骨とあばら骨が折れていたところだけど、なんとかなったわ。あんな怪我をした人を見るのは冒険者やっていたとき以来よ」
「さすがだなミリア。ありがとう」
「私も腕が鈍ってなくて良かったわ」
「そうそう、あの――」
ミリアさんとノナンさんは話し込んでしまった。
……俺、何で来たんだっけ?
顔を出そうと思って来たのだった。あと、あのことも話したいな。
「お兄ちゃん。こっちにみんないるよ」
カレンは俺を引っ張って行く。
前に俺が寝室として使っていた部屋に連れてこられた。
「あっ! コウさん」
そこには、布団で横になっているコルの姿があった。
「コル、体は大丈夫か?」
「はい、ミリアさんの治療のおかげです。それよりも! コウさんが生きててよかったです。私が怪我をしたせいでフェルさんに手間をかけさせてしまい、コウさんの所に行くのが遅くなったと聞きました。だがら、ずっと気になっていたんです。昨日フェルさんが来て無事とは言っていたんですが……」
コルは、責任を感じていたみたいだ。こんなに喋ってくるのは初めてかもしれない。
「生きて帰ってこれたんだから気にしなくていいよ。な、カレン」
「ん? うん!」
カレンに振ってみた。
話を聞いていなかったな。適当に返事をしたみたいだ。
「コウさんに、そう言ってもらえると助かります」
コルは、胸をなで下ろした。
「そういえばフェルとロダは? あとハンナも見てないな」
「お兄ちゃんはジャンさんと町に手伝いに行っています。私の治療代として手伝うそうです。ミリアさんはそんなのいらないと言っていたんですが、お兄ちゃんがお願いしたみたいです。ほんとは私がやるべきことなのに……」
ロダはロダで責任感じているのかな? あの逃げがなければ良い兄なんだがな。逃げるにしても、ちゃんと話を聞いてくれる人になってほしいと思う。
あんなことがあっても兄を慕う健気なコルには、そのままでいてほしいな。
「フェルさんはハンナちゃんと外に行くって言っていましたよ。フェルさんにもお世話になりっぱなしです。私がお兄ちゃんを庇って攻撃を受けたとき、リザードマンを倒して私の近くに来て、大丈夫か。って言ってくれたんですよ。凄い心配そうな顔で。……今まで私を守ってくれるのはお兄ちゃんだけだったのに。そのあと、私は意識がなくなっちゃったんですけどね」
フェルもここに泊まっているみたいだな。……ん? コルが赤面してる。幸せそうな顔だ。
「あっ……」
コルは布団に顔を隠した。
んん? これはあれか、恋ってやつか? そうなのか?
「えっと、あの……」
コルはもぞもぞと何かを言っている。
「コル、お大事にな。フェルのとこ行ってくる。カレン行くぞー」
「うん!」
そう言い寝室を出ることにした。
……コルさんのブラコンも終わりかな。あの兄妹いつも一緒だったからな。シスコンのロダが悲しみそうだ。
「カレン、昨日は3人とも泊まって行ったの?」
「そうだよ。今日はお兄ちゃんも泊まるよね!」
確かめるために聞いたら、俺も誘われてしまった。
「それはノナンさん次第かな」
俺は連れられて来た訳だし。
「そっか。おばち、お姉ちゃんに聞いてくるね!」
カレンは行ってしまった。
未だにおばちゃんと言いそうなのか。それだけはやめてほしい。何が起こるかわからんぞ。
俺は外に出てフェルを探していると、フェルは井戸の所にいた。
井戸は家の裏にあり入口からでは見えないため、来たときにわからなかったのだ。
「おーい。フェル! ハンナ!」
「おー、コウ来てたのか。もう大丈夫か?」
ばっちりだ。と俺は答える。
「兄さん、こんにちは」
「何やってるんだ?」
ハンナに聞くとフェルが答えた。
「ハンナちゃんがな、魔法を教えてほしいって言うからな」
「ミリアさんがいるじゃないか?」
「お母さんは魔法だけで、お父さんも武器攻撃だけなの。フェルさんは魔法を応用して攻撃にも使ってるって聞いたから」
なるほど。
「あのかっこいい技か」
「かっこいいって、ありがとよ。あれは結構な練習が必要だけどな。1回慣れちゃえばなんとかなるもんよ」
「へー」
それにしてもハンナの知識欲は凄いな。
「で、コツを教えていたってわけだ。魔法は万能ではないが応用は利くんだぞ。自分に向き不向きはあるがな」
「そうなのか」
「コウは魔法全然だったな。じゃあわからないよな」
「……バカにしてる?」
「違う違う。魔法を使ってみて、魔力の減りが少なかったり、威力が込めた魔力より多かったりしたら得意属性の魔法ってことらしい。これと反対の効果が出れば苦手ってことになる。生活魔法はこの効果はないからな。な、わからないだろ?」
「……本当?」
ハンナに聞くと、こくんと頷く。嘘ではないらしい。
「ちなみに俺は雷が得意だ。苦手はわからん」
「何でだ?」
「得意な魔法と苦手な魔法は両方わかってる人の方が少ないと思うの。強力な魔法を使わないと、はっきりとはわからないと言われているんだよ」
ハンナが答えた。それにフェルが続く。
「人によってどのくらいの魔力節約、消費されるかはわからないからな。苦手属性が膨大な魔力消費をするということで使えないって人や、かの有名なシスターなんかは回復魔法が得意魔法ということで、冒険者に誘う人が後を絶たなかったという話もある」
結局は生まれつきなのか。
「じゃあフェルはどうして得意魔法を知っているんだ?」
「それはな、俺が成人になったばかりの頃の話だ。家で見つけた本に上位魔法が書いてあったんだよ。それを読んで火、水とやったが何も起こらなかった。そして雷の魔法を使ったら、なんと魔法が使えたんだ。使えたといっても制御できなくて中途半端で終わり、ぶっ倒れたがな」
とフェルは言った。
「魔力を一気になくすと死ぬこともあるから気をつけたほうがいいぞ。だからみんなやらないんだよ。俺も興味本位でやったからな。まさかできるとは思っていなかったよ」
まじか……魔法使いも死と隣り合わせなのかよ。
「じゃあ俺は魔法を使わない。死にたくないから」
そう言うと、フェルとハンナが噴出した。
「ぷっ、あっはっはっは。さすがだ。面白いなコウは」
「に、兄さん、それは魔力が多い人が一気になくすとだよ。少ない人は魔力をなくしても、体に疲れやだるさとか、人によって違うけどそんな状態になるの。普通は魔力が足りないと魔法は使えないから、フェルさんは得意魔法だったからたまたま魔法を使えて、そこで満タンの魔力が一気にゼロになったから倒れたけど、死ぬというほどの魔力をフェルさんは持っていなかった、ということですよね」
笑いをこらえながらハンナは言う。
「そうだ」
フェルは答える。
フェルは魔力が少ないと言われているのに笑っている。魔力の量は気にしてないみたいだ。そして、俺も遠まわしに魔力が全然ないんだから大丈夫なんだよ。と言われている感じがした。
「魔法使いはいろんな魔法を使うだろ。だから一気になくなるってことはまずないわけ。ちょっとずつなくなっていくなら、ひどい状態にはならない。自分の力量もわからず、強い魔法を使う人がたまにいるが、そういう人がなる死因第1位だな」
「ほぇー」
魔法も難しいな。
「わかったか?」
「なんとなく……。暇だし俺も練習見てていい?」
「俺はいいが……」
フェルはハンナを見る。
「いいよ」
「だそうだ」
「ありがと」
そうして少しの間、2人を見ていた。
何もないところから雷が出たりしている。
……こういうの見てると魔法使いたくなるな。
昼過ぎにジャンさんとロダが帰って来た。
ジャンさんに久しぶりに稽古をつけてもらえることとなる。
今まで1回も当てられなかったが、今回初めて一太刀入れることができた。
俺は強くなっているのか?
ジャンさんは悔しそうだったが、褒めてくれた。そして俺は貧血気味なのであった……。
結果を話すとジャンさんが褒めてくれた後、倒れました。
時間は経つ。
俺は目を覚まし、稽古を見ていたカレンとリビングでのんびりしていた。
そんな事をしていると、あっという間に夕方になる。
「今日は人数が多いわね」
ミリアさんが言う。
全員で9人だ。確かに多い。
ノナンさんは、今日泊まって、とカレンに説得されたようだ。
ご飯の量も多い。新年会のときより多いぞ。……人数が多いのだから当たり前か。
みんなリビングに集まるがテーブル1つじゃ席が足りない。
机を待ってきて床に座る組とテーブルで食べる組に別れて座る。
「では、食べよう。いただきます」
いつも通りジャンさんの号令でご飯が始まった。
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ご飯も終わり自由時間。
みんな各々過ごしている。
俺はジャンさんと話していた。
「――と思います。」
「そうか。俺やミリアはいいが、あの2人がなんて言うか……」
「そうなんですよね……」
「ノナンには言ったのか?」
「はい、ここに来る途中で話しました」
「そうか。うーむ、いつかはこうなると思ったが、なんて言えばいいか……」
ジャンさんも悩んでいる。やはり難しい問題なのか。
「コウ帰るのはいつだ?」
「明日の昼以降かと思います。ノナンさんが朝起きませんから」
「そういえばそんなことミリアが言ってたな。それじゃあ、明日俺も考えとく。俺が帰ってくる前に言っててもいいけどな。良い案がでないかもしれないし」
「俺も、何か浮かべば言いますけど……」
「今日はもう寝るか。明日だ明日」
「そうですね」
先延ばしを決めた俺とジャンさん。いや、俺が言えないだけだから、俺がいけないんだけどね。
「そうそう、寝る場所はカレンの部屋な。今、フェルドが寝てるんだよ。フェルドと一緒でもいいよな?」
「それはいいですけど、カレンはどこで寝てるんですか?」
「ハンナの部屋だ」
なるほど。寝室はロダ、コル。カレンの部屋は俺とフェル。ハンナの部屋はハンナとカレンが寝てるのか。ノナンさんはどこで寝るんだろう? ……ノナンさんどこでも寝れそうだし気にしなくていいか。
「明日、朝久しぶりに手伝います」
「それは助かる。今も2人いて楽だが、3人になるともっと楽になりそうだ」
そうしてジャンさんは寝室へ。俺はカレンの部屋へ行く。
「入るぞー」
カレンの部屋に入るともうフェルは寝ていた。
「……早いな」
俺も手伝いしていたときは、この時間に寝てたな。これが普通か。
そう思いだし、隣の布団で寝ることにした。
次は一週間以内に投稿します。




