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道
満開の桜が艶やかに咲き乱れる季節。
日本中の高校生達は囲われた檻の中からもう一歩外の世界へ踏み出していく。働く者、夢を追う者、進学する者、結婚する者。たとえどの分かれ道を選択してもその道の景色にあった掟を学ぶ。
それぞれの道で、人と出会い、さまざまな事を知り、そしていずれは自分自身という大きな壁に出会う事になる。彼等は驚く程の早さでその社会の善悪や取捨選択の術を吸収し成長する。そしてその早さ故過ちを犯す。
笑顔と涙で先生達に見送られ、達成感と冒険欲に駆られていたあの日に戻れるものなら戻りたい。後悔や羞恥心が現在の僕にそう思わせる。しかしそれは無理だ。無理なのだ。。