表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/18

第十話 リベンジマッチ

強敵との戦闘に見事勝利した火村桜花。その頃、出雲薫は、偶然にも雪辱の記憶と会敵する━━

火村(ひむら)防人(さきもり)との激闘の末、疲労困憊で気絶したとほぼ同時刻。出雲薫(いずもかおる)


「あれ?ここどこだろ?」


完全に迷子だった

殺風景な森の中、何も考えずに魔物を狩りながら奥に進んだ結果、戻れなくなっていた。


「うーん他の隊員見つけてやっつけないと行けないのにな〜」


そしてことごとく他の隊員に会敵しないという偶然も重なり、出雲(いずも)のポイントは最初に狩った魔物のもののみとなっていた。

もちろんその間にも他の隊員はポイントの変動が続いており、少しずつ順位が下がっている。


(ヤバいよ〜このままじゃ予選突破できなくなっちゃうよ〜)


気持ちばかりが焦る中、ついに人影を見つける。


「あ!やっといた!すみませーん」


すると背を向けていた隊員がこちらに向く


「あ?なんだ?...ってこの前の霧女じゃねぇか!」


そこに居たのは以前ボコボコにされた星詠王介(ほしよみおうすけ)だった


「あ!この前の不良!」


すると星詠(ほしよみ)は怪訝な顔で言う


「はぁ?不良じゃねぇよ。てか、なんで後ろ向いてる敵に声掛けてんだよアホか?」


その時出雲(いずも)はハッと気づいた


「た、確かに!」


(ほんとにアホなのかこいつ)


思わず心の中でツッコむ。でもここは戦場。気の緩みは許されない。


「まあ、いいや。雑魚狩りも飽きてきたとこだしなぁ!」


そして星詠(ほしよみ)の背後に星座が現れる


「スキル『射手座ノ加護(いてざのかご)』」


そして大量の弓矢が形成され、一気に放たれる。

出雲(いずも)は避けきれず全て直撃した。


(チッ、全く成長してねぇじゃねぇか。つまんね)


そういい、踵を返そうとした時、辺りに霧が立ち込めていることに気づいた。


(?!なんだこの霧!いつの間に?!)


その時背後から気配を感じ、咄嗟に防御体勢を取る


「スキル『蟹座ノ加護(かにざのかご)』!」


甲殻類の殻のようなものが星詠(ほしよみ)の全身を覆う。その外側でギィン!と刃が弾かれる音がした


「うっそ!また防がれた!?」


そしてひらりと霧の中に消える


「さっき俺の攻撃が直撃したのに、なんで動けるんだ?」


思わず口に出た言葉に出雲(いずも)は姿を見せずに応じた。どこからともなく声が聞こえる


「さっきのね。そもそも私はもう既にあそこにいなかったの。あなたが撃ったのは、幻影だよ。」


声の方向は分からない。まるで霧そのものが喋っているかのような不思議な感覚に、星詠(ほしよみ)も戸惑いを隠せない。でも、不敵に笑う。


「なるほどなぁ!てめぇも成長したわけだ!いいぜ!勝負してやるよ!」


そして星詠(ほしよみ)の背後の星座が変化する


「スキル『獅子座ノ加護(ししざのかご)』!」


星詠(ほしよみ)を中心に全方位に衝撃波が起こった。周辺の霧を吹き飛ばす。霧の中から出雲(いずも)の姿が現れる


「この前のリベンジマッチといこうぜ!」


出雲(いずも)も、再び霧を出しながら答える


「望むところ!」


そしてまたしても辺りに霧が立ち込める


「スキル『幻惑ノ霧(ミスディレクション)』」


そのまま霧の中に姿を消した。


(なるほど、方向感覚を狂わせる霧か。道理でどこにいるのか分からなくなるわけだ。)


冷静に判断し、対処を探る


(なら魔力の気配を...ってそっちも妨害されるのか。なら、本人の気配を探るか)


そして人間が生きている以上、消すのは困難な生来の気配を探る。そして、見つけた


「スキル『水瓶座ノ加護(みずがめざのかご)』」


生きているかのような水の流れが霧をかき分け、出雲(いずも)を捉え、巨大な水の壺となり、封じ込めた


「これは内側から破るのはほぼ不可能の水の檻だ。捕まえちまえばこっちのもんだ!」


そして駆け出したが、捕まえた出雲(いずも)はニヤッと笑い、煙のように姿を消した。


(しまった!分身か!)


その時、背後から気配を殺し、近ずく出雲(いずも)星詠(ほしよみ)は気づけなかった。


「スキル『煙の毒牙(トリカブト)』」


その時何かに刺された。しかし傷はなく、出血もほぼない。


(一体何をされた?...!?)


「グハッ!」


星詠(ほしよみ)は突然咳き込み、吐血した。視界も揺れ、意識が遠のく感覚に襲われる。


「チッ...毒か...!」


すると霧が少し晴れ、出雲(いずも)の姿が現れる。


「正解。猛毒だからその場で即死でもおかしくないんだけど、やっぱり一筋縄ではいかないか。」


出雲(いずも)は苦悶の表情を浮かべる。現状最高火力の毒でも仕留めきれなかったとなれば、もう一度打ち込むしかない。ただ、また不意打ちが成功するか分からない。すると星詠(ほしよみ)は突然声高らかに笑いだした。


「アッハハ!面白い!まさかここまでとはな!お前の評価を改めよう!出雲薫(いずもかおる)!」


猛烈な殺意を感じ取り、瞬間的に回避行動をとる。


「スキル!『幻惑ノ霧(ミスディレクション)』!」


そしてまた背後からの不意打ちを狙い、身を潜める

すると星詠(ほしよみ)の背後の星座が変化する。


「スキル『天秤座ノ加護(てんびんざのかご)』」


すると星詠(ほしよみ)は、構えをとったまま目を閉じた。


(反撃は諦めた?なら今のうちに攻める!)


そして短刀を片手に星詠(ほしよみ)の背後から攻撃を仕掛けるが、突然星詠(ほしよみ)がこちらに勢いよく振り向く


「スキル『蟹座ノ加護(かにざのかご)』」


そしてカニの大バサミのようになった両手が片方が短刀を弾き、もう片方が出雲(いずも)の右肩を貫いた。


「グハッ!?」


突き刺された勢いでそのまま後ろに飛ばされる。突然こちらの動きを見ていたかのようにカウンターを入れられ、出雲(いずも)は困惑する。


「『天秤座ノ加護(てんびんざのかご)』はな、俺を中心に半径1メートルに入った害意のあるものにフルオートで反応するスキルだ。不意打ちは通用しねぇよ」


痛みで視界が霞む。一時後退し、木陰に逃げ込む。


「こうなっちまえばあとはてめぇを炙り出すだけだ。」


そう言って背後の星座が変化する


「スキル『射手座ノ加護(いてざのかご)』」


無数の弓矢が現れ、雨のごとく降りそそぐ。手負いの出雲(いずも)では避けきることはできず、いくつか食らってしまった。


(このままじゃジリ貧だ...でも向こうも毒で限界が近いはず。次で決める!)


実際、星詠(ほしよみ)も想定外の猛毒に蝕まれ、もう立っているのもやっとだった。

おそらく次がお互い最後の一手。二人の間に緊張が走る。

そして出雲(いずも)が木陰から飛び出した。


「スキル『幻影ノ人影(ドッペルゲンガー)』!」


先程とは打って変わって大量の分身で、星詠(ほしよみ)に襲いかかる。


(さっきまでの分身で、本体は魔力量で見分けられると分かった。つまり魔力の多い奴が本体!)


目測で1番魔力量の多い分身に狙いを定めて弓矢を放つ。その瞬間、周りの分身が止まり、煙となった。


「よし!これで...?!」


しかしそこに出雲(いずも)の姿はなく、地面に矢が刺さっていた!


(魔力量はブラフ!まんまと釣られたって訳か!)


そして背後に気配を感じる。


「それはもう見たんだよ!」


そして振り向きざまに振り払ったがそこに居たのは...幻影。


「何?!」


その時、星詠(ほしよみ)の胸部を()()()()刃が貫いた


「グハッ...不意打ちも囮、か」


するとそこには、低い姿勢で飛び込んだ出雲(いずも)星詠(ほしよみ)に短刀を突き立てていた。

そして僅かに微笑を浮かべ...吐血した。


「反射的に間に合って良かったよ、スキル『蠍座ノ加護(さそりざのかご)』」


出雲(いずも)の太ももに星詠(ほしよみ)の腰に当たる部分から出た尻尾のようなものが刺さっていた。


「あの瞬間で発動間に合うとか...バケモンすぎでしょ」


「それでもこれがギリギリだったんだよ。」


そして、星詠(ほしよみ)の体が消え始める。


「チッ、まさか俺が負けるなんてな...」


そして観念したように倒れ、光になって消えた。


「や、やった...!」


出雲(いずも)も後ろに倒れる。そして空に拳を掲げ、誰にとも言わず口にする


「リベンジ...成、功...」


そして体に毒が回り、光になって消えた。

ちなみに、リベンジを終え満足な出雲(いずも)だったが、自分もやられたためポイントはほぼプラマイゼロだった。そして、順位は35位まで下がっていることにまだ気づいていなかった。


そして個人戦予選の残り時間はわずかとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ