第七話
さてどうすっか。
狙いはあの顔で良いハズ。
あの両手のカマが邪魔だよなぁ。
正面は無理。
間違いなくカマの餌食だ。
カマが届かない所は……。
後ろかな?
どうにか背中に乗って背後から顔を突く。
これしかねぇ!
問題はどうやって背中に乗るか……。
無理じゃね?
素早く横に移動……。
素早く横に移動……。
無理じゃね?
横に行けねぇ!
圧倒的スピード不足。
動いても直ぐ正面取られるっ!
蜂の方がまだ良かったよ……。
となると、出来る事が限られるな。
逃げるか。
正面アタックか。
どっちも爆死じゃね?
横も取れないレベルで逃げるの無理だし。
正面アタックか……。
カマを躱してから顔を突く。
これしかねぇ!
来たっ!!
両手のカマを躱して……
躱して……
捕まったぁぁぁあああああああ!!!!
躱わせねぇわ!!
全くスピード足んねぇわ!!
喰われるぅぅううう!!
ほら、良く見ろっ!
こんな骨喰うとこ無いだろ?
だからねっ?
喰わないで……
いたぁぁぁああああああ゛あ゛あ゛あ゛!!
このクソカマキリっ!!
生きたまま喰うなやっ!!
暴れた弾みで腕が自由になった。
ふふふふふふ。
あはははははははっ!
さっさと殺さないからこうなるんだっ!!
おらっ!!!!
カマキリの顔に槍が突き刺さった。顔から黒い霧が吹き出し、身体全体も霧になって石の中に消えていった。
ふーー。
死ぬかと思った。
いや死んでるか。
俺も最後は霧になるのかな。
今はいいや。
兎に角良かった。
喰われた事で顔の近くまで来れたな。
結果オーライっ!
喰われたところは……何ともないだと?
骨が頑丈?
鎧のおかげ?
鎧のおかげか。
鬼に時もだけど、この鎧スゲーな。
もしかしてめちゃくちゃ良いヤツかもな。
まぁいいや。
しかし今回は俺も勉強になった。
殺れる時に殺る。
逃げれる時に逃げる。
心掛けよう……。
この階は早く抜けたいな。
素早く移動、集中。
良しっ。
行こう。
集中する事でカマキリが擬態している事がわかった。分かれば何て事無い。こっちも隠れてやり過ごす。蜂の音が聞こえても隠れてやり過ごす。素早く移動はどこに行ったやら、ひたすら隠れてゆっくりゆっくり、どれだけ時間がかかったかようやく階段を見つける事が出来た。
全く何も出来なかった虫地獄。
地獄って恐ろしい。
いや、虫って恐ろしい。
そう胸に刻んで次の階へ降りた。
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名前:山田太郎(45)
種別:スケルトン
職業:ー
レベル:7
スキルポイント:7
固有スキル:粉骨砕身
スキル:槍術
忍び足
体力強化
装備:異界の槍
異界の具足
名前:ー
種別:キラービー
職業:ー
レベル:8
スキルポイント:8
固有スキル:毒針
スキル:ー
装備:ー
名前:ー
種別:キラーマンティス
職業:ー
レベル:10
スキルポイント:10
固有スキル:擬態
スキル:ー
装備:ー