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第三十七話

*サモナー*


迷宮探索は今の所順調だ。魔物の数が多過ぎるが、幸い魔物レベルが低いので英雄様達を御守りしながらでも進む事が出来ている。もちろん英雄様達も戦闘に参加され著しい成長をされている。姫に連れて行けと言われた時はどうしたものかと思ったが、今では感謝している。連れて来て本当に良かった。


現在は地下五階の探索中だ。何とかグレイウルフを倒して階段を探している。


「サモナー様!! 宝箱を見つけました!! 早速開けたいと思います!!」


「いやっ!! 待ってくだ……」


こちらの返事を聞かず、桐生様が宝箱を開ける方が早かった。


「バカ隼人!! さっきその箱開けて大変になったの忘れたの!?」


「そうだった!! あっ!! ポーションが入ってる!!」


やれやれ。桐生様にはもう少し慎重になって戴かないといけない。この宝箱のトラップは虫の魔物だった。


「ここは私にお任せください」

『召喚 サラマンダー』 


素早く描いた魔法陣より火の大精霊サラマンダーが顕現した。サラマンダーは竜の上位種にあたり、火を自在に扱う精霊だ。消費魔力は大きいが虫の魔物に火は有効だ。重要な事は素早く地下七階に行き調査する事だ。たとえ虫とは言え全力で対応する。


「さぁ、虫はこのサラマンダーに任せて早く階段を探しましょう。あと少しで目的地に着きます」


暫く歩くと小さな湖とも池とも言えるような場所を見つけた。


「サっ…サモナー様!! ああああそこ見見見見てください!!」


早乙女様が何か見つけたようだが……あれはっ!!


「クラッドッ!!」


「あぁ見えてるよ。だけどあれは違うな。俺が見たのは槍と甲冑を着てた骨だ。あれはただの骨じゃねぇか。そんなに焦るな。わはははははは!!!!」


「アシスタンッ!!」


「えぇ。もう鑑定したわ。ただの屍だそうよ」


「そうか……………」


岸辺に打ち上げられたような骨が気になるものの、鑑定が間違う事は無いだろう。それより早く階段を探して調査をすべきだ。


「階段探しを再開しましょう」



⭐︎⭐︎⭐︎



地下六階は問題無く進み、ようやく目的地である地下七階に到着した。


「こ……これはっ……」


「凄い溶岩ですねっ!!」


「桐生様の世界にもこれと同じ物があるのですか!?」


「ありますよっ。溶岩と言って、溜まったマグマが噴き出た物だと思います」


「溶岩……マグマ……成る程。ご教示ありがとうございます。初代様の文献には無かったお言葉ですね。我々はこれを『龍血』と呼んでおります。古来より『龍脈』より龍血が流れ出るは不吉とされております」


「不吉っ!? だだだ大丈夫ですよねっ?」


「アシスタンっ!!」


「えぇ。もう鑑定したわ。活性化してるわね」


「なんとっ!!……既に活性化とは不味いな」


「クラッドっ!!」


「あぁ分かってるよ。俺が見張りで残るからさっさと帰って報告してくれ。何かあればモブコを使いに出す」


兎に角、早く帰って報告せねばっ!! 思ったよりも事態は深刻かもしれないっ!! 英雄様達の成長が間に合えば良いが……。


「チュートっ!!」


「帰る準備は出来ております」


「流石だ。皆さん急いで帰りましょう!!」



⭐︎⭐︎⭐︎



帰る途中、あの骨が無くなっている事に気がついた。来る時に岸辺に打ち上げられていたあの骨が無くなっていたのだ。


「さささサモナー様っ……ほほほ骨はどこでしょう……?」


早乙女様が心配されて当然だ。動くハズ無い骨が無いのだ。ただの屍だった骨が無い。グレイウルフの復活はまだだ。虫も全て倒した。魔物が持ち去ったとは考えられない。


「アシスタンっ!!」


「私も驚いているわ。でもちゃんと鑑定したから間違い無いわ。あれは返事が無い、ただの屍だったわ」


「わはははははははっ!! 考えても分かりゃしねーよ。無いもねは無い。池に落ちたんじゃねーのか?」


勝手に池に落ちるだろうか。池に魔物がいて引き込んだか。冷静になって考えればおかしい事だらけだ。あの骨はいったいいつからあそこにあったのだろうか。この迷宮は四百年間閉ざされていた。骨として残るとすれば初代様達と一緒に迷宮に入った方々か。その骨がこの場所にあり続ける事が異常だ。先ずグレイウルフが放って置かないだろう。奴等は骨まで食べてしまうからな。だとすると、やはり骨自体が動いているか。鑑定だけでは分からないと言う事か。


実の所、今回の調査で動く骨と会えないか期待していた。それはクラッドの報告書の中にあった、封印の門に流れ星が落ちてきたところだ。その時間。それは最初の召喚失敗した時間と一致する。黒い物体を召喚出来ただけだと思っていたが、実は違っていたのではないか。黒い物体も四人の英雄召喚に成功したときも天から流れ星が落ちて来た。単なる偶然で片付けるには無理があるだろう。それを動く骨と結びつける物は何もないが、この目で動く骨がいると言う事を確認したかった。


「信じられませんが、どうやら本当に骨が動いているようです」


「俺はそう報告したハズだぜ。まぁ迷宮にある骨が全部動くとは思って無かったけどなっ!! わははははははっ!!」


次に骨を見る事があればしっかり調べよう。骨の事は気になるが今は一刻も早く帰る事が先決だ。


「早く帰りたい」


「おぉ……如月様の仰る通りです。早く帰りましょう」


そこからは何も問題無く迷宮を出る事が出来た。迷宮を出てからも動きは早かった。クラッドを見張りに残し、早馬を使い城まで戻る事にした。


今回の調査で龍脈に活性化が分かった以上ゆっくりしていられない。英雄様達の強制強化も視野に入れるべきか。


出来ればやりたく無いが…………。



-------------------

名前:桐生 隼人(15)

種別:人間

職業:聖騎士

レベル:12

スキルポイント:3

固有スキル:聖属性魔法2

スキル:剣術3

    連携

装備:ミスリルソード

   異界の制服



名前:早乙女 結衣(15)

種別:人間

職業:白魔道士

レベル:12

スキルポイント:3

固有スキル:光属性魔法4

スキル:魔力強化

    連携

装備:魔道士の杖

   異界の制服



名前:如月 蓮(15)

種別:人間

職業:黒魔道士

レベル:12

スキルポイント:3

固有スキル:闇属性魔法4

スキル:魔力強化

    連携

装備:魔道士の杖

   異界の制服


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