優しい上司に甘やかされて
「まだ、残ってたのか。」
「相良部長!」
流石に、もう誰もいないと思って確認をすると案の定誰か残っていた。
しかも、部下だった。
「…」
パソコンの画面を覗くと、企画書を作っていた。
「まだ、それ作っていたのか。」
「…はい」
「それ、最終的には俺が見るやつだし出来るまで見ててやるよ。」
「それと、その企画書だけどやり直しになるから大事なとこを言うからメモしとけよ。」
「えっ!?」
突然、そう言った物だから由莉は少しビックリしていた。
「何故、そんなに驚いている。」
「いや、だって相良部長ってそんなイメージは無かったので…」
「良いから、口より手を動かせ。」
「はい!」
カタカタという音が響く。そして…
「出来た!」
「…よし。良いだろう。時間は、大丈夫か?」
「あ、終電…」
「仕方ない。帰る準備をして表で待ってろ。」
「え?」
「家まで、送ってやる。」
「タクシー拾うので大丈夫です!」
そう言うと、部長は由莉の耳に近付いてこう言った。
「いいから。こう言う時は素直に甘えるんだぞ。」
「は、はい…」
クスッと笑って、相良は車を取りに行った。
「住所を教えろ。登録するから。」
「分かりました!」
そして、由莉の家に着いた。
「あの、送って頂いてありがとうございました!」
「…」
「相良部長?」
「ご飯は、もう食べたのか?」
「まだですけど…」
「分かった。」
そう言って相良は車を降りて、由莉に近付いた。
「まだなら、一緒に食べるか。」
「え…?」
「お前は、企画書を作ったりなんだりして疲れているだろうから俺が作ってやる。」
「いや、悪いですよ!」
「いいから、今日は俺に甘えていいから。」
「では、お言葉に甘えて…」
相良との食事を終えた由莉は、席を立とうとした。すると…
「何処に行く。」
「お風呂を入れて来ようかと…」
「俺が入れてくるから、ここにいろ。」
「えっ、ありがとうございます…」
お風呂に入り、髪の毛も乾かして貰った由莉。
「相良部長も、良ければお風呂入りますか?」
「…分かった。」
相良が、お風呂から出ると由莉は言った。
「髪、乾かしますね!」
「…ああ」
「今日は、色々とありがとうございました…」
「別に、礼を言われるようなことはしていない。」
「相良部長、いじわるだと思っていましたけどこんなに優しい一面もあったんですね」
相良は、少し驚いた表情をしていた。
「そんなこと、初めて言われた…ありがとう」
相良の突然の笑みに心を奪われてしまう由莉。
楽しい1日を過ごした2人であった。




