1,独り
少女の名は凪 15歳
凪は孤独だった。
周りから見れば普通の女の子に映るかもしれない。
ただ、誰とも心から打ち解け合うことが出来なかった。
やがて彼女の心の中は孤独で埋め尽くされ、自分を見失ってしまう。
「___凪!凪…!!」
朦朧とした意識の中、母が必死に私を呼ぶ声がした。
____(ああ、大変な事になっているな…)
私は他人事のようにそう思い、間もなく深い眠りについてしまった。
それから何日経っただろう、私は見覚えのない天井を見上げていた。
「__おはよう凪ちゃん」
「今日も天気がいいね〜」
知らない人が私に話しかけている。
____(この人は誰だろう、なんで私の名前を知っているんだ、、あとここは一体何処なんだろう…)
頭の中が疑問でぐちゃぐちゃになった。
それより引っ掛かったのは今日とは一体何日なのか。
私には昨日の記憶がない。
そうこう考えているうちに朝食が運ばれてきた。
焼き魚にお味噌とご飯、それからデザートに果物もついている豪華な朝食だ。
家では朝食は出ない。せいぜい食パン1枚くらいだ。
ご飯はすごく美味しそうなのに気持ちが悪くて中々食が進まない。ぼーっとしながら朝食を食べていると自分の置かれている状況をやっと理解しハッとした。
そう、ここは病院だ。
うっすらある記憶の中からあの日の事を思い出した。