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あやかしの薬屋へようこそ  作者: 相楽未音
第四章 薫衣草とカミツレ(ラベンダーとカモミール)
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湯浴みで気分転換します。

いつもより重苦しい夕餉を済ませて、部屋に戻ってきた。御祖父様と母様に言われた事が心にずっしりと重くのしかかる。

私は人界で育ってきて、里とは無縁の生活を送ってきた。人界ではそれが通用したが、里では違う。私は御祖父様の孫娘で孫姫と言われる立場なのだ。今でもちゃんとは理解出来ていない。ただ言われるままそうなんだって思っていただけだった。

今日、御祖父様と母様にはっきり言われて自覚した。考えても仕方ない事だけど、どうしても考えてしまう。自分の不甲斐なさが思考を支配する。


「こんな事ばかり考えちゃダメだ。」


そう思い立って着物を脱ぐ。着付けは出来ないけど、脱ぐことは出来る。着物を畳んで湯浴みの準備をする。今日は薄荷湯にしよう。

そう思って薄荷を取り出す。妖術で枯れないように施してあるから新鮮な状態だ。

これを妖術を使って湯に溶かしていく。

この湯で全身洗うとスッキリした気持ちになるからだ。

髪の毛を洗い、身体を洗う。そして湯に浸かる。それだけで沈んでいた思考が徐々に復活していく。出来ないことを嘆いていても仕方ない。出来なければ出来るように努力して周りを認めさせれば良いだけだ。

でも、頑張っても報われないかもしれない。報われなかったらどうしようとという考えてしまう。それでも今の私に出来ることがあるかもしれない。そう考えれば前向きになれる。気持ちを切り替えるには薄荷は便利だ。やっと気分転換が出来てスッキリしたところで湯から上がる。髪の毛を拭き、浴衣に着替える。そうすることでやっと素の自分に戻れた気がする。気持ちを切り替えたことによって新たに意欲が湧いてきた。御祖父様に借りている書物を読んで明日の予習をしておこう。出来ることからやると決めたのだから、今からやっておきたいのだ。こうして寝る時間まで勉強する事にした。


――――――その頃の大人達―――――――


「少し言い過ぎたかのぉ…」


「そんな事ありませんわ。あの程度で折れるような子には育ててませんもの。」


「桜花ちゃんは頑張り屋だから、父上の言葉もしっかりと受け止めて自分の糧にしますよ。」


「それだと良いのだがのぉ…」


「大丈夫ですよ父上。厳しい事を言うのも長である父上の仕事です。」


「私達が言っても気が付かないですから、お義父様が言ってくださって良かったですわ。」


「そうか…それもそうだな。儂以外が言っても理解はできないか…」


「これから里と人界を行き来するには必要な事ですから。」


大人達は桜花のこれからを話し合っていったのだった。

読んでくださってありがとうございます。

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