書庫に篭もります。
兄様に重大な助言を貰って、すぐさま書庫に向かった。カミツレについて詳しく調べる為だ。カミツレというのは何かが分からないと私には扱えないからだ。
薬草の書庫の中でも新しい書物を探す。
兄様からの情報では最近こちらに入ってきたと聞いたからだ。
「カミツレ…カミツレ…どの書物だろ…」
新しい物を片っ端から読み漁る。だが、中々見つからない。
「カミツレ…カミツレ…あった!」
どの位掛かっただろう。やっと見つけた書物を備え付けの文机に持って行ってちゃんと読み込む。カミツレのお茶には癒しや不眠や不安を和らげる効果があると書いてあった。
香りは優しい果実の香りで女性が好む匂いらしい。ひと息つきたい時に飲むには良いお茶だったのだろう。これを柊真様にも届けてあげたいが時期が悪い。何故なら春頃の花が咲く前の蕾を採取しないといけないからだ。この里にあるのか分からない状態だ。
こればかりは御祖父様に聞かないと分からない。折角見つけた情報だが、振り出しに戻ってしまった…それにまだ探さないといけない花もある。最近、里に入ってきたという紫の花だ。名前も形状も分からないが、最近里に入ってきたのなら、もうちょっと新しい書物に書いてあるかもしれない。そう思い立って比較的新しい書物をもう一度読み漁る。
「絶対に見つけてみせる。」
その気持ちだけで書庫を探し回る。お茶の時間を忘れて探していたら母様に呼ばれた。
「桜花ちゃん。1回休憩しましょう。そんなに急いで探してもいい成果には辿り着けないわよ。」
「すみません…つい夢中になってしまって…」
「それはいい事なんだけど、お茶の時間を忘れて探すのはダメよ。」
「はい…1つは見つけられたんですが、問題が…」
「問題?どうしたの?」
「実は開花する前に採取しないといけない薬草だったんです。」
「あら~それはいつ頃なの?」
「春先になります。」
「それなら問題ないわ。東の里に行けば咲いているかもしれないわ。」
「東の里ですか?」
「ええ。白夜の里は4つの里で成り立っているのは教わったわよね?」
「はい。教わりました。」
「その4つの里はね、四季にも関わっているのよ。東は春を司る里なのよ。そこに行けばあるかもしれないわよ。」
母様からも重大な情報を貰った。
「母様、東の里に行ってみたいです。」
「御祖父様の許可を取らないとダメね。」
「御祖父様のですか?」
「そうよ。貴女は孫姫という立場なのよ。勝手に行動は出来ないわ。」
そうだった。この里にいる間は孫姫という立場なのだ。勝手な行動は出来ない…
「明日、御祖父様に相談してみましょう。」
「はい…」
立場がもどかしいが、仕方ない。この件は明日御祖父様に相談するとして、私はもう1つの紫の花を調べる事に専念しよう。これも今日分かってしまえば明日一緒にお願いできると考えたからだ。
「じゃあ私は戻るから、夕餉までには戻ってきなさいね。」
「はい、母様。」
母様が書庫から出て行くのを見送ってから、私はまた書物を読み漁った。
読んでくださってありがとうございます。




