兄様に会いに行きます。
侍女に案内されて兄様の部屋に行く。
「哉牙様。桜花様をお連れいたしました。」
「どうぞ。」
兄様の声を久しぶりに聞いた。
「何かありました。呼び鈴を鳴らしてください。」
「ありがとうございます。」
こうして兄様の部屋に入る。
兄様は着流しに羽織と寝込んでいたのが分かる格好だ。
「兄様お久しぶりです。」
「桜花。大きくなりましたね。」
「今年で120になりました。」
「もっと傍においで。」
「はい。兄様。」
兄様の元に行く。
「本当に大きくなったね。最後に会ったのが60年前かな?」
「そうですね。兄様、怪我の方は大丈夫ですか?」
「うん。何とかね。ここは薬師がいっぱい居るから」
「それは良かったです。そうだ、兄様にお土産があるんです。」
「何かな?」
「蓮の花の練り香水です。」
「おや。桜花は練り香水も作れるようになったんだね。」
「はい。最近作れるようになりました。」
私は兄様にお土産で持ってきた練り香水を渡す。
「蓮の花には心を癒す効果があると言われています。兄様はまだ湯を使えるのか分からなかったので、練り香水にしました。」
「そうなんだね。桜花は香りにも効果があるのを調べたんだね。」
「はい。入浴剤や練り香水に使えると思って調べました。」
「桜花は薬師として頑張っているんだね。」
「私なんてまだまだです。」
そんな事を話していると部屋の襖が開いた。
「哉牙様、お茶をお持ち致しました。」
「翡翠入りなさい。」
兄様が声をかけた方を見ると銀髪で翠の瞳をした幼い女の子がいた。
「桜花、紹介しよう。この子は翡翠。訳あって僕の身の回りの世話をしてくれているんだ。翡翠、この子は桜花。僕の妹だよ。」
「初めまして翡翠。私は桜花です。」
「桜花様初めまして。私は翡翠と言います。今は哉牙様の身の回りのお世話を任されております。」
「翡翠ちゃんと呼んでも?」
「構わないよ。今は側仕えだけどいつかは僕のお嫁さん候補になるだろうから。」
花嫁候補って…早くない??
「お嫁さん候補ですか…早くないですか?」
「翡翠はまだ小さいけど、200歳程度の差は気にしないさ。」
確かに兄様は今年200歳だけど、翡翠ちゃんはどう見ても10歳程度…
「そこ。変な事を考えないの。」
「はい!」
何を考えてたのかバレてしまった…
「僕はね。許嫁が今回の土砂崩れで儚くなってしまった。そんな時に翡翠の無邪気さに癒されたんだ。」
「土砂崩れ??」
「うん。里の西側が突然土砂崩れを起こしてね。丁度里帰りしていた許嫁も巻き込まれてしまったんだ。そんな時に翡翠が保護されて屋敷に来た。僕は翡翠の無邪気な笑顔を守りたいと思ったんだよ。」
兄様がそう語ると翡翠ちゃんはキョトンとした顔をしていた。
まだよく分かっていないのだろう。
「兄様がそう決めたのなら誰も反対はしないと思います。私も賛成します。」
「ありがとう桜花。桜花にもそのうちそういう出会いがあると思うよ。」
「私はまだ薬師として未熟なのでまだ決められません。」
兄様に言われたけど、まだそんな事は考えられなかった。
出会いがすぐ近くにあるだなんてその時は思わなかった。
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