里に行く準備が整いました。
入浴剤や薬の作り置きも沢山作ったので、これで何時でも里に帰る準備が整った。
後は着物が出来上がるのを待つばかりだ。
「桜花ちゃん。着物が仕上がったから呉服屋に行くわよ。」
「はい母様。」
「鋼牙さんも行くわよ。」
「僕もかい?」
「ええ。鋼牙さんの分も仕立てておいたのよ。」
「ありがとう桃花さん。」
3人で呉服屋に向かう。3人で行くのは初めての事だ。
「こんにちは。着物を取りに来ました。」
店先で母様がそう声をかける。
「お待ちしておりました桃花さん。こちらで試着をお願いします。」
そう言われて店の奥に通された。
「こちらが桜花さんの着物になります。」
渡された着物は薄橙色に紅葉柄の可愛らしい着物だった。帯は珊瑚朱色だ。
髪飾りも用意されていて、着物によく映える髪飾りだった。
「可愛らしいわね。急かしてごめんなさいね。」
「いえいえ。桃花様の注文ですから。こちらも腕がなりましたわ。」
父様は藍染めの羽織に藍染めの着物だった。
髪結い紐は黒の紐だった。
「鋼牙様もお似合いですね。」
「ふふふ。これで孫一様の前に出ても大丈夫でしょう。」
「そうですね。桜花ちゃんも久しぶりに孫一様に会うからお洒落しないとね。」
いつも袴なので気持ちが落ち着かないが、孫一様や兄様に会うためには正装しなければいけないので、我慢する。
「お代はこれで。包んでくださいな。」
そう言われて脱ぎ始める。
脱いだ着物はそのまま包んでもらった。
「絹江さん。暫く里に帰るから多めにお茶を持ってきたわ。足りなくなったら伽耶さんに言ってね。」
「分かりました。そうさせてもらいます。」
「では今日はこれで。」
「またお越しください。」
こうして呉服屋を出た。
「鋼牙さん、荷物が多いので1度家に戻りましょう。」
「そうですね。今、道を作りますね。」
父様はそういうと、路地裏に周りあやかし道を創る。
「簡易的なものだから直ぐに消えるよ。」
父様が説明してくれた。
家に着いて荷物を置くともう一度町に行く。
千代さんに薬を届ける為だ。
「千代さんこんにちは。暫く里に帰るから多めに持ってきたわ。」
「桃花さんこんにちは。ありがとうございます。」
「足りなくなったら、弥七に頼んでね。届けるから。」
「分かりました。ありがとうございます。」
これで今薬が必要な人に配り終わった。
「母様。颯汰さんの処に寄ってもいいですか?」
「颯汰さんがどうかしたの?」
「たまに、もぐさが足りなくなって買いに来るんです。」
「そうなのね。寄っていきましょう。」
母様と父様の3人で颯汰さんの家に行く。
颯汰さんの家は千代さんの家の近くだ。
「颯汰さんこんにちは。もぐさは足りてますか?」
「桜花さんこんにちは。今のところ足りてるよ。」
「そうですか。暫くお店を閉めて出掛けるので足りなくなったら弥七さんにお願いしてください。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「颯汰さん、お変わりないようでなによりですわ。」
「桃花さんお久しぶりです。こちらは変わりないです。」
「そうですか。それなら良かったですわ。」
何か含みのある言い方な気もしたが、あまり気にしないでおこう。
「これで全部かしらね?」
「はい。これで全部です。」
「なら、家に帰って荷造りしましょうか。」
「桃花さんと桜花ちゃんは先に戻っていてください。」
「鋼牙さん、どちらへ?」
「抄伽さんのところに行ってくるよ。」
「分かったわ。行ってらっしゃい。」
こうして父様と別れて家路に着いた。
「抄伽さん、3人で暫く里に帰るから町の事を宜しくね。」
「鋼牙様、野狐一族がこの町にいるのはご存知ですか?」
「ええ。でも彼は真面目に働いてる数少ない野狐だよ。」
「鋼牙様がそう言うなら安心ですが、監視をつけても宜しいですか?」
「ええ、お願いします。何かあれば文を飛ばしてください。」
「分かりましたわ。町の結界の強化もこちらでしておきますわ。良い里帰りを。」
「ありがとう抄伽さん。では。」
「任されましたわ。」
こうして家族3人で里に帰る準備が整った。
第三章 完
読んでくださってありがとうございます。
ここで第三章完結になります。
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