父様と練り香水。
父様が湯浴みをすませ、今は母様が湯殿を使っている。
「これが蓮の花を使った練り香水です。」
私は父様に練り香水を見せていた。
「これは見事な練り香水だね。香りよし。妖力よし。蓮の花の模様も可愛いね。」
「ありがとうございます。練り香水を入れる貝が全部一緒なので模様をつけてみました。」
「桜花ちゃんの着眼点には驚かされます。」
「睡蓮の練り香水も作る予定なんです。」
「それは何故ですか?」
「睡蓮の香りに癒しの効果があるみたいなので、練り香水にしたら心が癒されるのではないかと思ったのです。」
「いい考えですね。」
父様に褒められるのはとても嬉しい。
「桜花ちゃんは練り香水作り楽しいですか?」
「はい。香りを楽しむ為でもあり、癒しの効果もあるものを作れるのは楽しいです。」
「そうですか。薬だけでは癒せない部分を香りで癒そうと考えたんですね。」
「そうです。最初は入浴剤にしようと思ったんですが、母様に止められたので練り香水にしました。」
「そうでしたか。練り香水やお香の方が喜ばれるでしょう。」
「はい。お香は作り方が分からなくて…」
「里に伝わる作り方なら僕でも教えられますよ。」
「父様ありがとうございます。」
父様からお香作りを学べるなんてこんな機会そうそうない。
新しい事を学ぶのは本当に楽しい。
「鋼牙さん、桜花ちゃん。楽しそうに話してたけど、何の話をしてたのかしら?」
「母様!父様に練り香水を見てもらっていたんです。それと今度お香の作り方を教えてもらう約束をしました。」
湯上りの母様に嬉しくて話していた内容を話した。
「それはいい事ね。桜花ちゃんも湯浴みしてらっしゃい。後で冷茶を用意しておくわよ。」
「はい。母様!」
私は湯浴みの準備をする為に自室に戻った。
「鋼牙さんもあの練り香水見たのね。」
「ええ。実に素晴らしい出来上がりでしたよ。」
「そうね。それ故に危ない事も気が付いたかしら?」
「ええ。入浴剤の販売を禁止したのは良い判断ですね。桃花さんが傍に入れば良い隠れ蓑になれるでしょう。」
「そのつもりですわ。その為に私はここに留まります。桜花ちゃん1人だと危険が多すぎますわ。」
「そうですね。今練り香水を作れるあやかしが狙われてますからね。桃花さんお願いします。」
そんな話をしているとは知らずに私は湯浴みを楽しんでいた。
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