睡蓮の入浴剤と桃花の悩み
「それにしても桃花ちゃんの入浴剤は面白いわね。」
桃花は桜花の作る入浴剤に興味を示していた。
お湯に浮かべるとゆっくり花を開いて溶けだす仕組みの入浴剤。
売り出せば確実に売れるだろうが、怪しい人物に狙われる可能性も出てくる。
売りに出す時期を見誤って桜花が攫われるのも嫌だ。
「隠しておくのは勿体ないけど、当分は鶯亭に卸すだけにしましょうかね。」
以前、千代に譲った時は試作段階と話しておいたから、まだ大丈夫だろう。
そう考えながら、湯を楽しむ。
「ふぅ。気持ち良かった。ありがとう桜花ちゃん。」
「母様に喜んで貰えて良かったです。」
「桜花ちゃんも入ってらっしゃい。」
「はい。入ってきます!」
元気良く返事をして湯殿に向かう桜花。
その背中を見送りながら桃花は寝室に向かった。
文机には伝言蝶がいた。
「鋼牙さんからだわ。」
『全て片付いた。ただ、血の匂いが取れないので暫く帰れない。鋼牙』
「また無茶したのね…鋼牙さんは怒ると手が付けられないから…」
桃花は文を読みながら呟いた。
――――その頃の鋼牙さん―――――
「血の匂いが取れない…」
「1人で行くからですよ!!長からの指示で血の匂いが取れるまでは里に居るようにとの事です。」
「桃花さんと桜花ちゃんに会いたい…」
「血の匂いが取れるまでの辛抱です。」
湯殿でゴシゴシ洗われながら凹む鋼牙であった。
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