こしあん作り
鯵を2尾買って帰ったら土間は熱気で溢れてた。
「ただいま帰りました。」
「おかえりなさい桜花ちゃん。丁度今一回目の湯がきが終わったところよ。」
「そうなんですね。また湯掻くのですか?」
「ここからは豆が指で潰れる位まで煮込むのよ。」
「楽しみです」
餡子作りは時間が掛かる。特にこしあんは更に時間が掛かる。
数刻待つと指で潰れる程度に豆が煮えた。
「さてここからは妖術で一気にやっていくわよ。」
「はい。」
私はさらし袋を持つと母様が妖術で鍋を浮かして徐々に鍋の中身をざるに入れていく。
流水も妖術で出していく。
私はざるに開けられた小豆を手で潰していく。これを鍋がいっぱいになるまで繰り返す。
ざるに残った皮は捨てる。
鍋いっぱいになった液をさらし袋に移して漉していく。さらし袋の中に余ったものがこしあんの元になる。
鍋を綺麗にして、水を入れて沸騰させる。
沸騰させたら、砂糖を入れて水飴みたいになるまで煮立たせる。
煮立ってきたらこしあんの元を半分入れる。
混ざってきたら、残りを入れて弱火で混ぜ合わせる。
そこに塩をひとつまみ入れて味を整える。
焦がさないように仕上げていく。
こうして出来上がった餡子に今度は溶かしておいた寒天を入れて混ぜ合わせる。
混ぜ合わせたら粗熱を取り、竹の入れ物に入れていく。
「これを井戸で1晩冷ませば完成よ。」
「母様の水羊羹久しぶりだから楽しみです。」
籠いっぱいに敷き詰められた入れ物をそっと井戸にいれる。
明日が楽しみだ。
――――その頃の鋼牙さん――――
「はぁ…面倒なことになりましたね。」
「そう言うな鋼牙よ。哉牙が無事だったんだ。」
「それはそうなんですが…まさか土砂に巻き込まれて師匠が…」
「跡取りはこちらで保護してある。大丈夫だ。」
「分かりました…とりあえず西の里の復旧作業ですね。2日で終わらせて帰ります。」
「哉牙の傍にもう少し居てやれ…」
「分かりました…5日は居ますよ。」
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