母様と買い物
母様と2人で町まで買い物に行くのは久しぶりだ。
「まずは小豆を買いましょう。小豆洗いが扱う小豆は美味しいわよ。」
「はい。小豆洗いさんに会うのは久しぶりです。」
「そうね。最後に会ったのは去年だものね。」
母様と話しをしながら町を歩く。
会話しながら歩くとすぐにお店に着いた。
『小豆洗いの豆屋』
そのままの名前のお店である。
「梓沙さんこんにちは。小豆を4合程くださいな。」
店の奥から小豆洗いの梓沙さんが出てきた。
「桃花さん久しぶり。小豆4合ね。」
「ありがとう。お代はあやかしの里で見つけた紫水晶で足りるかしら?」
「充分です。こちらでは珍しいものですから。」
梓沙さんから小豆を買う時は珍しい物と物々交換だ。
「今日は桃花さんが餡子を作るんですか?」
「そうよ。抄伽に水羊羹を差し入れしようと思ってね。」
「そうでしたか。抄伽さんは甘いもの好きですからね。差し入れには向いてますね。」
「そうでしょ?暑くなったし水羊羹が丁度良いと思ってね。多く作る予定だから、梓沙さんにもお裾分けするわ。」
「ありがとうございます。桃花さんの作るものは全部美味しいですからね。桜花ちゃんも桃花さんが帰ってきて嬉しいでしょ。」
「はい!母様と料理するの大好きなんです。」
「それは楽しみですね。」
「私も桜花と料理するの楽しいのよ。それじゃまた来るわね。」
「はい。またお待ちしております。」
こうして梓沙さんのお店を離れた。
次に向かうのは乾物屋さんだ。
「寒天くださいな。」
「あいよ!寒天は五銭だよ。」
「はい。ありがとうございます。」
小豆と寒天を買って帰るだけだと思ったら
「ちょっと呉服屋に寄って行くわよ。桜花ったら藍染めしか持ってないんだもん。」
「藍染めが好きだから…」
「桜染めも綺麗だから桜染めも買いますよ。藍染めの袴にも合うでしょ。」
母様の一言で呉服屋に行く。
「すみません。桜染めの着物を見せて貰えますか?」
「桃花さんお久しぶりです。桜花ちゃんの着物ですね?今お持ちします。」
絹江さんが出迎えて奥に着物を取りに行った。
「こちらの桜染めなら桜花ちゃんに似合うと思いますよ。」
そういって持ってきてくれたのは薄い桃色の着物だった。
「これいいわね。これを買います。後、矢絣柄の着物を見せて貰えるかしら。」
「ただいまお持ちしますね。」
「母様?柄物も買うのですか?」
「そうね。里に帰るなら必要だからね。桜花ちゃん持ってないでしょ?」
「確かに持ってません…」
「だから今日買っておくのよ。」
そんな会話をしていたら絹江さんが戻ってきた。
「反物ですが、こちらなら桜花ちゃんに似合うと思いますよ。」
絹江さんが持ってきたのは紫色で白で矢絣模様だ。
「これで仕立ててちょうだい。」
「畏まりました。秋までには仕立てさせていただきます。」
「ありがとうございます。後でお代を届けますね。その時にもう少し見せてくださいな。」
「桃花さんの着道楽は長いですからね。桜花ちゃんが暇になっちゃいますからね。」
こうして母様との買い物が終わった。
母様が選んでくれた着物が出来上がるのが楽しみだ。
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