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第三十一話 裸

書き終わって思った。


 ザァァァァ!



 「ふわぁぁ....」



 あったかいお湯に浸かって、ついそんな声が出てしまった。


 身体を洗う時は、水浴びがほぼだったものだったから、お湯は本当に久しぶりだ。






 「......ディアドラって何だろう?」



 白蛇になったり、能力で生命を創ったり、空に翔んだと思ったらそのまま地面に激突したり、召喚魔術を自動化してたり。



 ......天才は常におかしい事をするらしいけど.....ディアドラってそのタイプ?




 「.....まぁ、甘えん坊なのは確かだな。」



 褒められた時のあの喜び様。


 頑張った事をお母さんに褒められて来たんだろうな。


 僕と違って。












 ......いや、母さんにはそんな事する余裕が無かったからな。


 それを母さんのせいにするのは違う。




 「........さて。」



 身体はあったまった。


 本当ならこのままずっと入っときたいが、待ってる人がいるからな。


 いつまでも居座っとく訳にはいかない。




 ザァッ!




 湯船から出て、"雲"の浮いてるところに行く。



 「....これ、ほんとに凄いよなぁ。」



 さっき使ってみたが、お湯がまるで雨のように降り注いできた。


 これだったら、身体を洗い流すのも楽だ。




 「よくこんなのを思いつく...」



 発想自体なら誰でもするかもだが、雲を使うなんて事は誰も考えてないだろう。






 「.....ティーザ!どんな感じ?!」



 ん?ディアドラ?


 外からディアドラの声がする。



 .......お風呂の感想を聞きにきたのかな?



 「うん!凄いよこれ!」


 「......ふひぃ!そうでしょ!」



 .....ディアドラって、面白くて笑う時は普通なのに、褒められると変な笑い声になるよね。



 ....嬉しすぎてそうなるのかな?



 「今から身体洗って出るから!ちょっと待ってて!」



 この妙な白い液体を、頭や身体につければいいんだよな。


 .....何なんだろ、これ。


 何が材料なんだ?



 「えっ?いや、急がなくてもいいよ!」


 「いやいや悪いし!」



 流石に女の子を待たせる訳には




 ガチャ!




 「........がちゃ?」



 待って?


 気のせいじゃなければ今.......ドア開かなかった?


 しかもここの。




 「.......................」



 いやいや.....流石に無い筈だ。


 いくら男知らずでも、こんな事はしないだろう。



 .......そうだと信じて、扉の方を見た。












 「おぉ!ティーザのおっきいね!いや、他のは知らないけど!」


 「―――――――――――――――――」



 そこには、一糸纏わない、生まれたままの姿のディアドラがいた。




 ペタッペタッと、こっちに近づいて来て。



 「ティーザ!洗いっこしよ〜ぜぇ!」



 .....とんでもない爆弾発言をした。













 「―――――――――――――――」







 ディアドラは男嫌いな割に、僕に対しては無邪気だった。まるで、幼い子供の様に。


 それでも、流石にここまでは無いだろうとたかを括ってた。




 それがどうだ?


 ディアドラは男の僕に対して、とんでもなく美しい真っ白な裸体を晒している。



 お風呂に入る為に、長い白髪を結んでいる。


 すらっと、でも肉付きのいい手足は、その全貌が見えてしまってて、大きくなるであろう膨らみは、あの時と違って髪で隠れてない。.....モロ見えだ。


 そして何より........."おけけ"がないもんで.......ガッツリ見えてしまった。






 ダッ!!!





 急いでディアドラの元に向かう。


 今は衝撃で耐えられてるが、こんなの直視し続けてたら耐えられない!




 ガシッ!



 「わわっ!?」



 ディアドラの細い肩を掴んで、お風呂の外に出し。




 バンッ!!




 急いでドアを閉めた。




 「えっ!?ティーザ!?どしたの!?」



 どうやら状況を全く理解してない様だった。



 「....ディアドラ!君、自分が女の子だって事分かってるよね!?」



 何で理解出来てないのか全く分からなくて、大声を出してしまった。



 「えっ?そんくらい分かってるよ!」


 「じゃあ僕と一緒に入っちゃいけないでしょ!!」



 これでも十二歳だ。


 .....思春期というやつだからな。そんな奴にこれは刺激が強すぎる。



 「え何で!?同い年何だから入っても問題ないでしょ?!」


 「どういう理屈!?」



 それはおかしいよ!


 同い年だからって何で一緒に入っていいってなる!?












 ......ん?同い年?








 「.....ちょっと待って?」



 僕、ディアドラに歳言ってないよな?


 言ってなくて僕の事を歳下って思うんだったらまだ分かる。


 歳上として身体を洗おうとする事はおかしくはない。......何で同い年って思ったんだ?





 「.....ディアドラ.....君、十四歳ぐらいじゃないの?」



 もし十二歳だったら....早熟ってやつか?





 「え?....ティーザ何歳?」


 「.....十二だけど。」



 幼い見た目らしいが、これでも十二歳だ。


 ......ちょっと違くない?


 同じ十二歳でも、差があり過ぎない?




 「えっ!?ティーザって()()()()()()()()()







 .....................今、何てった?


 .....歳上って言った?僕が?




 「.........ディアドラ、何歳なの?」



 いや、流石に無い。


 早熟ってのは分かるけど、流石に大きすぎる。


 と言うか、明らかに普通の成長速度じゃ無い。



 だから.......違うよね?

















 「私?........十歳だよ?」


 「――――――――――――――――」






 全ての謎が解けた。


 何故ディアドラが、度が超える程無邪気なのか。


 何故容姿の割に、幼い言動が多かったのか。



 .......そして、僕に対して距離が近い理由も。




 「...............なるほど。」



 熱くなった頭が、衝撃を受けて冷えていく。




 それだったら、一緒にお風呂に入ろうとする。


 そのぐらいの歳の子は、異性と一緒のお風呂に入るのも不思議な事では無いかもしれない。



 .....ディアドラの場合、人との関わりがなかったから、一緒のお風呂に入ると言うことがどう言うことなのかを理解してない。


 だから、何も考えずに入ってきたのだろう。




 「.....ティーザ?」



 ディアドラにとっては、おかしいのはこっちだ。



 同い年と思ってた奴の身体を洗ってあげようとしたら、追い出されたのだから。



 ......でも、僕からしたら。


 ディアドラが例え歳上だろうが、何であろうが、一緒のお風呂に入る事は.....したくない訳じゃないが出来ない。



 何なら歳下と分かった以上、絶対に入っちゃいけない。







 ディアドラの熟れた身体を見てたら、絶対に襲ってしまう。


 そうなってしまう自信がある。




 「......こっちの為と思って...諦めてくれない?」



 ディアドラには悪いが.....こっちが持たない!


 いくら本人が幼くても、身体だけは大人になりかけの身体なんだ。



 .....間違いなく欲情してしまう。



 「........お願いだからさ?」


 「???.......分かった?」




 どうやら納得してくれた様で。




 ペタッペタッペタッ......




 脱衣室の外に行ってくれた。



















 「........いやいやいや...!?」



 冷えてた頭がまた熱くなる。



 いくら何でもおかしいでしょアレは!?


 百歩譲って、十二歳ならまだ分かる。リュウズも十歳の割には、周りよりも大きく見えるから。


 二歳上の見た目になる事は、珍しいことでは無いだろう。





 .....でもディアドラは?


 アレはどう見ても二歳上の見た目なんかじゃ無い。



 何ならまだ十歳だ。成長期に入ったばっかりだ。


 それなのに、とてつもない身体になっている。.....あの歳の子がしていい成長の仕方じゃない。




 「なんて紛らわしい...!」



 身体は手を出したって問題は無いだろう。そのぐらい成長しているから。


 ......でも中身が十歳の子供だ。



 手は出せるが、手を出しちゃいけない存在。

     ......自分で言ってて、頭がこんがらがる。



 しかも本人は、自分の美貌は理解してるが、それで何が起こるのかを理解してない。だから、無防備に近づいて来る。



 .....僕にだけかもしれないが、それでもタチが悪い。


 あの子の身体はどんな者も比べ物にならない程の美しさ。



 いくら僕でも、何しでかすか分からない。





 「.....ありゃ色んな意味で目を離せないな....」



 あんなの、絶対変な虫が寄って来る。


 そう言うの(早熟幼女)が好きな変態どもとか。






























 「....ふぅ。」



 お風呂から出た。


 ちょっとした問題は発生したが、良い気分だ。



 ....やっぱりお湯はいい!




 「ディアドラ〜?出たよ〜。」



 出た事を伝えようと、居間に行くと.....










 「ん〜、これが六センチぐらいとしてもそれ以上におっきかったし.......と言うか平均ってどんくらいだ?」


 「何やってんの?」



 なんか葉っぱと木の棒を机に置いて、長さを測ってるみたいだけど.....絶対ろくでもない事をしてる。



 「ん?...おぉ!ティーザ!今ね、ティーザのち」


 「やめなさい、はたくよ?」



 前言撤回。やっぱしてた。



 .....十歳とは言え....男のアレを見て恥じらわ無い上に、長さを調べるとか........やっぱディアドラおかしい。



 「何だよぉ!.....初めて見たんだからいいだろぉ?」


 「そう言う問題じゃ無いんだよ!」



 まず、僕のソレの長さをちゃんと測ろうとするのがおかしいんだよ!




 「.......ところでさティーザ?私、他の男のアレ知らないんだけどさぁ。」


 「知ってたら大問題だよ。」



 不純異性交遊どころの話じゃ無い。


 .........それ以上にまずいと思う。




 「ティーザのってさ?....周りのよりずっと大きいよね?」


 「.....なんてこと聞くの君は...」

 


 君の顔で言っちゃいけない言葉だぞ.....ギャップ萌え?なんてやつでもないし。



 ....でもまぁ、純粋な疑問には答えないとな。




 「....大人に引かれるぐらいは。」



 風呂屋に行った時、僕のことを女の子と勘違いした男が、僕のを見て絶望していた。



 ....男湯に女の子が居たらマズいと思うんだけど。





 「あ、やっぱりでかいのか!だよね!ティーザ、身体小っちゃいのにあそこだけおっきかったから男ってそう言うものかなって思ってたけど、違ったんだね!」


 「うぐぅあ!!?」



 い、今女の子と勘違いされるよりもとてつもない暴言を言われたぞ!?




 「いや〜!ティーザが可愛いもんで、アッチも可愛いのかなと思ってたもんだから、ちょびっと驚いちゃった!」


 「ごばぁっ!!!」



 遂に吐血してしまった。



 こ、ここまで言われるとは.....


 ディアドラにとっての僕は...あそこも小さい、本当に女の子の様な男だったのか.......



 耐えきれずに、倒れてしまった。




 「あれま。倒れちゃった。」


 「...誰のせいだと.......」



 本当に.....悪意の無い発言は、人の心を的確に抉って来る。


 .....と言うか今回僕、被害者のはずなんだけど。



 何でこんな目に遭ってんの?




 「まぁまぁ!....じゃ!お風呂入って来るね〜!」



 散々好き勝手言ってから、お風呂に行ってしまった。








 「....自由人めぇ...!」



 拒否られるのが嫌な癖に、こう言うことをする。


 .....絶対あの子、めんどくさい子だろ!




 「.......全く....」



 まぁ、だからこそ一緒に居てあげないといけない様な気がするんだけど。

















 ガサ.......




 外に出る。


 夜風が火照った身体を冷やしていく。




 「........いや、ホントに綺麗だな。」



 振り返って家を見ると、最初に見た時には気付かなかったことに気づいた。



 光ってる葉っぱは、実は一枚一枚が違う色をしていた。


 そのどれもが淡く光るものだから、まるで.....清流にある蛍の家の様に見える。.....その後ろに満月があるから、余計に御伽噺の家に見えてしまう。




 「........きっと。」



 これがディアドラの心なんだろう。



 能力で創ったとしても、その形にするのは己の想像だ。


 どんなに美しい物を創り出せる能力でも、そいつの心が醜ければ出て来るものは、醜いものばかりだ。



 .......だからこんなのを生み出せるディアドラは、本当に心が綺麗なんだろう。



 ....綺麗だから、こんな物が出来るんだろう。




 「.........なんでなんだろうな。」



 レリュイちゃんじゃないが、思ってしまった。



 ......何でディアドラが転生体なんだろうって。



 ......なんで、僕と同じ(化け物)なんだろうなって。


 あんな優しい子が何で......





 「.......................」



 空を仰ぐ。



 .....空の星は輝いていた。



 金色の星があった。キラキラと輝く星だ。


 まるで避けられてるかの様に、その星の周りには何もなかった。




 ........そんな星の隣で、金色に負けないぐらい輝いている()()()()()()()()






 「..........はっ。」



 そう言えば、エリーテと別れる前もあの星を見たな。


 ......あの時と違って、二つしかないけど。




 「.......あり得ないよ。」



 星が未来を予知してくれてるなんて.....そんな事ある筈ない。


 そんなロマンチックな事.....あり得ないよ。




 「........さぶ!」



 流石に夜風に当たり過ぎた。


 身体が凍えてしまった様だから、急いで家の中に入った。











 ガサ......



 「あ.......はふぅ......」



 家に入った途端、暖かさが出迎えてくれた。



 「.......ひょっとして....」



 これも、ディアドラの心か?


 .....まぁ、自分の想像で創ったのなら心の環境が反映される事もおかしな話じゃ無い。



 ......綺麗な上に、暖かいのか。




 「......本当か?」



 本当にそうなら、僕と一緒に地面に激突なんてするか?!


 あんな無理心中仕掛けて来て、心が暖かいとは....少し言いづらい。




 「.....でも...」



 初めて会った時のあの言葉。



 .....泣きそうになる程の暖かさだった。




 「.....行動で損するタイプかな?」



 本人はそんなの気にしないだろうけど。





 ガチャ!





 「あ。」



 噂をすれば何とやらだ。


 お風呂から出て来た様だな。





 「出て来たんだディアドラ...........え?」





















 その時の僕は、完全に油断してた。



 扉に隠れててディアドラの姿が見えてなかったし、服を着て出て来るものだと思ってたから。



 でも忘れてた。




 白蛇の状態から解放された時、裸だった時のあの反応を。



 ディアドラは、裸を見られても動じない様な図太い精神を持つ子だった。











 ペタッペタッペタッ



 「出て来たよ〜?ティーザ!」



 胸を張って言ってきたディアドラは、髪が少し濡れた状態の.....生まれたままの姿だった。







 「――――――――――――――」



 風呂上がりだからか、ディアドラの頬は少し紅くなっている。


 濡れた髪は、ディアドラの身体にくっついている。


 その髪が、綺麗な曲線を持つ桃にもくっついてた。




 頬を伝う汗がとても官能的で、その汗はディアドラの胸に伝っていく。




 そして.........隠す物がないから、桜色の花弁を直に見てしまった。

















 「...................」



 性欲とか、欲情とか一切なく、今自分のすべき事を自覚した。




 「これはちょっと、真面目な話をする必要があるね。」


 「ん?どしたティーザ?なんか怒ってるみたいだけど?」



 怒る?



 「そりゃ怒るだろうさ。」



 何であの時追い出されたのかを、一つも理解できてない様だからね。




 「!?....私なんかした!?」



 自覚もないときた。.....これは本当に"お話し"の必要があるな...!



 「ディアドラ。....取り敢えずそこに座って?」






 (やばい……怒った時の母ちゃんとおんなじ雰囲気だ!?)


 「......................嫌。」



 ......ほう?


 拒否するか。



 「.....言い方を変えよう。..............座りなさい。」


 「....................っ!!!」




 ダンッ!!!





 説教がそんなに嫌だったのか、ディアドラは全力で逃げ出した。.....裸で。



 .....だが。




 「『痺れろ』」




 ジリリリリ!!!




 「ふぎゃぁ!?」




 ドサァ!!!




 .....なるほど。こう言う感じか。



 「テ...ティーザ!能力は無しでしょ!?」


 「勝手に言ってなさい。」



 今重要なのはそこじゃない。




 「『逃げるな』」




 ガキィィン!!




 「あ!?扉が!?」



 僕の能力は願いを叶える為に魔法を扱う。


 そう言ったのは君だな、ディアドラ。



 「もう一度だけ言う。.......座りなさい。」


 「〜〜!!!」




 ホントに嫌そうな顔をしてるが。







 「..........................うぅ。」




 トンッ




 諦めたのか、椅子に大人しく座った。




 「はぁ..........いい?まずあの時、何でお風呂から追い出されたのか......分かってる?」



 ここを理解してるかどうかで、話の内容が変わって来るが.....どうだ?




 「えっと...........一人で入りたかったのかなと...」


 「全くもって違います。」



 どうやら一つも理解してなかった様だ。



 「....ディアドラ。君はお母さんとだけしか暮らさなかったから男に対する知識が薄いのだろうけどね?.....普通男の前で裸になっちゃいけないの。」


 「.....でもここお家だし......お家じゃ脱いでたもん.......」




 ディアドラは拗ねてる。多分、ダメな事をした自覚が無いからだろう。



 ...........こりゃ骨が折れるぞぉ......



 「そりゃそうだろうね。......でもその家には今、僕と言う男がいる。........別に気を遣えと言う話じゃないよ?ただ男の前で裸になると、男は何しでかすか分からないよって言いたいの。」



 今こうやってお説教してるから耐えられてるが、ディアドラの裸体は、何もない時に見てしまったら絶対に欲情してしまう。


 そのぐらい、ディアドラの肉体は熟れてしまってる。




 「.....ティーザだったら見られてもいいもん..........ティーザそんな事しないもん。」


 「なんでそう思.........いや、そう言う事ね。」



 そうだ。この子は心が観えるんだった。


 だからもしそうなったとしても、僕が何もしない様努力すると信じてるんだろう。



 ............だからって、何で見られていいと考える?




 「しない様にはしてもね?......実際にお風呂場で君の裸を見た時、結構危なかったんだよ?」


 「.....そんな訳ないもん。」



 ......?おかしいな?



 「いや、分かるでしょ?君、心が」


 「()()()()()()()()()()、そんなの。.........ティーザがそんな事する訳ないもん。」




 .........観えなかった?


 それはあれか?性の感情が観えなかったって事か?





 .........あぁ、そうか。


 この子、()()()()()()()()()()()()()



 いや、多分欲情はした事があるんだろう。......でもそれは、性欲を伴うものじゃない。


 多分......玩具を欲しがる子供の様なものでしかないだろう。




 性欲を持った事が無いから、観えてても理解できなかったのだろう。






 ............これは由々しき事態だ。



 心を観れるばかりに起きてしまったすれ違いだ。


 これを放置したままだと、大変な事になる。







 「.........ディアドラ、いい?......そんな風に観えてたとしても、それはその時だけのもの。男ってのは、一瞬で変わってしまう事もあるんだよ。」

 


 ディアドラが納得してくれる様に、言葉を選ぶ。



 でも実際そうだ。.....どんなに真面目そうに見える男でも、女の人を前にした時人が変わったのかと思うぐらい豹変する。



 ....そんな奴を見た事があるから言える。


 

 「ディアドラから見たら女の子にしか見えて無いんだろうけど、僕は男だ。ひょっとしたら何かしてしまうかもしれない。.........君に酷い事したく無い。」



 もうお説教じゃなくなってる。



 ....ただのお願い事になってしまってる。




 .....でも、こうしないときっと、この子はやめてくれないだろう。




 「お願いだから.......僕がしない(襲わない)って思わないで。」




 頭を下げて頼み込む。



 .....側から見たらおかしな光景だろう。


 説教してる方が、頭を下げてるから。



 でもこの子は多分、否定される事に慣れてない。




 僕は慣れてるから、否定される事はなんとも思わない。.....ディアドラのお母さんは、ディアドラの事を否定した事が無いんだろう。



 だからあの時。.....手をつけられてない料理を見て、悲しんでしまったんだろう。


 否定されてしまったと勘違いして。




 「...........本当にお願い。」



 否定してる訳じゃない。


 ディアドラが裸になろうが、それは本人の決める事だ。


 でも、それでディアドラが酷い目に合うのだったら、僕は何度も頭を下げよう。










 .....もう.....悲しい涙は見たくない。



 






 「ぅ......................分かったから...........頭上げてよ...........」



 ずっと拗ねてたけど、頭を下げられたらどうしようもなく。



 「.............今度から服着るから...........やめてよ。」



 ディアドラは頷いてくれた。



 .....そうだと信じてたよ。


 こっちが心から頼めば、きっと聞いてくれるだろうと。


 .......君も、根っこがいい子だからな。




 「.......ありがとう。」


 「..........何でお礼を言うのさ......」



 自分の意思を捻じ曲げて、僕なんかの言う事を聞いてくれたからだよ。


















 「........は.......くちゅ...!」



 ディアドラがくしゃみをした。


 .....結構可愛いくしゃみだった。



 「.....ディアドラ?」


 「...........うぅ......」



 ディアドラが身体を、プルプルと震わせている。




 まるで凍えてるかの様に..........ん?









 「...........あっごめん!!!」



 説教に夢中で忘れてた!


 この子まだ裸だ!それに少し濡れてる!



 こんなんじゃ凍えても仕方ない!



 「えっと.....あっ!」



 近くに、ディアドラが僕に掛けててくれたであろう葉っぱの毛布があった。




 ガバァ!



 「ふわぁ...!」


 「服取り行って来るからちょっと待ってて!」



 急いでディアドラにそれを被せて、お風呂場に置いてあるであろう服を取りに行った。


















 「えっと.....あぁこれだ!」



 丁寧に畳まれてる、白くて可愛い服があった。


 これがディアドラの着てた服だろう。



 「これを早く...!」



 ディアドラにあげないと。


 そう思ったら。



 「ティーザ、大丈夫!今、寝間着作ったから!」


 「えちょォォ!!!」




 ズゴォォ!!!




 そんな事を言われて、盛大にずっこけた。






.....これ大丈夫か?

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