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第二十四話 王族


 ガチャッ



 「あら、おかえり!」



 おばさんは元気の良い声で、挨拶してくれたが...



 「.....おばさん、あぁなるの分かってたでしょ。」



 じゃなきゃ『アンタ大変な目に遭うよ』なんて言わないだろうしね!



 「何があったのかは知らないけど、年寄りの忠告を無視したんだ。そりゃこうもなるさね。」


 「ぐっ....反論しづらい事を...」



 正直に言ってくれれば、僕も行かなかったものを....


 まぁ、興味本位で行って男どもから逃げ回る事になったから、人の話を聞かなかった僕にも非はあるけれども。



 「はぁ〜.......」



 どっと疲れた。別に疲労が溜まって...とかじゃない。元々、体力はかなりある方だから。


 ただ......あんな風に期待を寄せられるのはキツイ。


 しかも本人達には悪意がないのだから、よりタチが悪い。


 全く.....自分で言うのもあれだけど、僕子供だぞ?大人が子供にたかって恥ずかしくないのか?



 「あ!上の二人、話が終わったみたいだから行ったらどうだい?」



 へぇ。説教が終わったのか。


 まぁ、あれから三時間は経ってるしな。リュウズも立ち直ってる頃合いだろう。



 「分かりました。ありがとうございます!」



 さてと、あの二人の元に顔を出すか。











 階段を登って、二人のいる部屋にまで来たのはいいが....



 「......何だ?」



 背後に何かを感じた。


 .....ここにいる筈のない気配を。



 「......おばさん?」



 振り向いてみたが、誰もいなかった。


 おかしいな.....今確かに、気配を感じたのだけど...



 「.......まぁいいや。」



 特に気にせずに、部屋の扉をノックした。




 コンッコンッコンッ!



 「ティーザだけど?入っても良い?」


 「.....ティーザ様ですか?お入りください!」



 ん〜、ティーザ様って呼ぶ必要はないんだけどなぁ。



 あでも、リュウズに僕のこと聞いたのか。


 ...........だったら、仕方ないのかな.....



 「じゃあ入るね。」



 ダメかもだけど、様付けしなくていいって言っとくかな。




 ガチャッ!



 「リュウズゥ?少しは反省.......し...た.....?」




 チーン。


 「―――――――――――――おかえり........」


 「お帰りなさいませ!」



 部屋を開けて見た光景は、倒れ伏してるリュウズとそれを見下ろしてるレリュイちゃんだった。



 「お散歩、どうでしたか?」



 何だろう、レリュイちゃんのこの屈託のない笑顔が怖い。.....絶対怒らせちゃいけない人って感じがすごくする。



 「あ、うん。まぁ色々あったかな...?」


 「そうでしたか.....わざわざ外に出ていただいて、申し訳ございません。」


 「あぁ、いや全然気にしなくて良いから。うんっ。」



 そんな律儀に頭下げられると、罪悪感が.....



 「ところで.....リュウズなんだけど.......何アレ?」



 変な敵に自爆特攻された後の様な体勢で倒れてるんだけど。



 「お気になさらず。...つい先程まで"お話し"してただけですので!」


 「......今さっきまで?」


 「はい!」



 やっぱ怖いこの子。三時間ぶっ通しで説教し続けたって言ってるんだけど。


 .....ほんのちょぴっとだけ、リュウズに同情しちゃうなぁ。



 まぁでも、これもリュウズの自業自得だけどね。



 「リュウズ?大丈夫かい?」



 流石に安否確認はしとかないとな。



 「.............くれ.....」


 「ん?なに?」


 「.......の涙は.......れに効くか......めてくれ.....」



 もはやうなされてるな。


 多分『その涙は俺に効くからやめてくれ』って言ってるな。




 ....ちらりとレリュイちゃんの顔を見ると、ちょっとだけ涙の跡があった。


 多分、泣きながら説教したんだろうな。


 .....リュウズには、キツイ罰だ。特に好きな子の涙は。



 「かなりやったね....」


 「こうでもしないとリュウズ様、反省してくださらないので。」



 確かに。


 この少年は相当な悪ガキだ。ここまでしないと、反省しないかも知れないからな。




 「そういえば、何で浮気なの?」


 「はい?」


 「いや、許嫁だったのかなって思って。」



 リュウズ、惚れてる感じではあったけど許嫁が居るとは一言も言ってないからな。



 「ふひゃ!?そっ、そんな恐れ多い!!」



 恐れ多いことなの?


 ......貴族の子だとは聞いたけどそこまで?



 「リュウズ様は()()()()()()()()()()()()()()()()()何の地位もない私ではとても許嫁なんて.....!」


 「ちょっと待って!?」



 えっ?今なんて言った??


 リュウズが、王子様???



 「........リュウズ?...本当のこと?」


 「.......................お前には、俺は貴族の息子と話したな。」



 ......この子、この土壇場でもふざける気か?



 「.....そうだリュウズ。貴族の息子だと...」


 「あ れ は 嘘 だ 。」



 ちょっとカッコつけて言ってんじゃないよ!!


 その台詞は君の様な細い子じゃなくて、筋肉モリモリの人じゃないとダメなんだよ!!!



 「リュウズ様、真面目に答えなさい。」


 「本当のことです、嘘ついてすんません!!!」



 こっちに向けて、土下座までした。


 ......マジかよ。何で僕、王族と縁があるんだ?


 ....しかも、変な出会い方ばかりだし。





 「....待って?......流石に王子が家出はマズいでしょ!?」



 家庭問題どころじゃないぞ!?国際問題だ!!



 「それも含めて、お説教してたんです!」



 うわぁ...そりゃ三時間もするよ。


 .....下手したら三時間でも足りないかも知れない。



 「第一この人!国にいる時はずっと『俺はレリュイ一筋さ!他の奴に惚れる訳ないだろ?』って私に言ってた癖に!!家出した挙句、他の人にナンパするなんて!!!王子であろうと許されません!」



 そりゃそうだ。十対零でリュウズが悪い。



 「リュウズ.....乙女心を弄ぶのは...正直ないと思う。」


 「やめろティーザ.....お前の説教も心に来るんだよ.......」



 流石にここまでされると、人の心があるか怪しいリュウズでも反省する様だな。






 「...ああ!!!」


 「わ!?どうかなさいましたか、ティーザ様?!」



 そうだ肝心な事を忘れていた!



 「僕、君に自己紹介してない!!」


 「んがっ!?」「ずごぉぉ!?」



 ....あれ?何で二人ともずっこけてるんだ?


 だってまずいだろ。レリュイちゃんが自分の事を言ってくれたのに、僕が自分の事を言ってないのは。



 「いやっ、今なんですか!?」


 「レリュイ、諦めろ.....コイツは超が付くほどのマイペースだ。」



 えっ?何か呆れられてるんだけど。


 別に何らおかしな点はないだろう。



 「えっと、今更だけどいい?」


 「えっ!?.....まあ、私としてはどちらでも大丈夫ですよ?」



 もう正体を知ってるから言える言葉だろう。


 だけど、だからってしないのは少し気持ちが悪いから、やっぱりさせてもらうか。



 「僕はティーザ・ザナルカンド。宜しくぅ!」


 「あ、はい!.....えっと...」



 ん〜、友好的に挨拶してみたけどやっぱり遠慮されてるのかな。


 .....まぁ、だろうな。



 「一応、様は付けなくていいよ?」



 どうせダメだろうけど、言ってみるか。





 「...........私は、バルド様の転生体だから様付けしている訳ではありません。....リュウズ様のご友人だから、敬意を持って様を付けさせてもらっているのです。」






 ........えっ?



 「..........................そうなの?」


 「はい。」





 それは僕が、バルド(化け物)だから恐れてる訳じゃない、と言う意思表示だった。





 「.....ティーザ様はもう知ってるかも知れませんが、リュウズ様は.......控えめに言っても、めんどくさい人です。」


 「それは確かにそうだね。」


 「おいお前ら。」



 リュウズの性格は、ここ一年でよく知っている。



 人をからかうのが好きなのに、時々すごく真面目になる。


 構われすぎると嫌がるくせに、ものすごい寂しん坊だったりするし。


 ...これは今知ったけど、浮気性の癖にとんでもないぐらい一途だったり。



 とにかくリュウズはめんどくさい!



 「そんな人の友達でいてくれて、本当に感謝しているんです。」


 「............感謝される事じゃないよ。」



 そう、大それた事じゃない。


 .....ただ女の子と間違えられてナンパされてから始まっただけの....ただの友達だよ。



 「.....それでも...」










 「寂しがり屋のこの人と一緒にいてくれて....本当にありがとうございます!」


 「―――――――――――――――」





 .......お礼を言われた。


 ...........強くいてくれて(化け物でいてくれて)ありがとう....と言う意味ではなく。



 .....友達でいてくれて(人でいてくれて)ありがとうと。





 この二年の中で、一度も言われたことのない事を。







 「..........そっか...」



 全く....エリーテもそうだったけど...君もだな、リュウズ。



 ..........優しい人に恵まれてる。





 「〜〜!!恥ずかしい事を本人の前で言うんじゃねぇよ!!.....恥ずかしいだろ....!」



 .....素直じゃないな、君は。



 「ああ、もう!ちょっと水飲んでくるから、恥ずかしい話はお前らだけでやって!!」



 そう言って、リュウズは部屋から出てった。








 「....ふっ、君も大変だろ?あの子の御付きは。」


 「あ、いえ!御付きは私の姉です。.....私は妹だから絡まれてるんです。」



 へぇ、姉妹で騎士を?


 珍しい事じゃないと思うけど、すごいなぁ。



 「そういえば、君いくつなの?」


 「十一です!ティーザ様の一つ下ですね!」



 歳下かぁ〜。それでも僕より背が高いなぁ。


 .....ちょっと羨ましい。



 「ん?...じゃあ君リュウズより...」


 「一歳だけ歳上になりますね!」



 あぁ、だからか!何かリュウズのお姉ちゃんっぽく感じたの。


 .....歳上だろうと泣かせちゃダメだろ、リュウズ。



 「あ、お姉さんはいくつ?」


 「えっと......教えちゃダメって言われてます。」



 駄目なのか。...でもたまにいるんだよなぁ。歳教えてくれない人。


 中には、聞いただけで怒ってくる人も居るぐらいだし。

 ......何故か、女の人が多いんだよな。何でだろ?




 「あの.....ティーザ様?」


 「ん?何?」


 「........ちゃんとご飯は、食べてますか?」



 そんな風に聞いてくるってことは、きちんと食べてるのか心配なのだろう。


 .........華奢なのは自覚してるけど...そんなに?



 「....これでも結構食べるんだぜ?」


 「そうですか......リュウズ様と同じなんですね!」



 リュウズと?



 「えっと...どこが同じなの?」


 「リュウズ様、かなりの健啖家なんですよ!」



 .....えっ!?そうなの!?



 「でも、僕の前じゃあんまり食べないよ!?」


 「人に奢ってもらう時は、遠慮してそんなに食べないんですよあの人。...本当はとても食べます!」




 そうなんだ。


 意外な一面もあるんだなぁ。



 .......そんなに食べるのに細いって...世の女性にボコボコにされないのかなぁ。





 「.......ふふっ!」


 「ん?どうしたの?」


 「いえっ!.....普通の男の子と話してるみたいで!」





 ........君も言ってくれるんだな。




 「.........本当に、何で.............貴方の様な子供が.....あの方の転生体なのでしょうか.....」


 「.....心配してくれてありがとう。」




 でも、大丈夫。


 .........化け物扱いには、慣れたから。










 「あ!そういえば!!」


 「はい?」


 「リュウズ、国に連れ戻すの?」



 本人は嫌がってたけど....どうするんだろう。



 「......本当は、戻ってきて欲しいです。..........でも、それであの子が苦しんでしまうならと考えると.....分からなくなってしまって。」


 「................」




 言ってたな、『家が嫌いな訳じゃない。ただ、腐った奴らが嫌なんだ。』....と。



 ......僕は、王族なんかじゃないから分からないけど、一つ分かるのは...リュウズは自由人だ。


 腐った奴らって言うのは古臭い考えとか、権力を欲してる様な連中の事を言ってるんだろう。


 リュウズが嫌いな人達だ。



 「今のスィニエークは、権力争いが激しい恐ろしい国です。.....リュウズ様はスィニエーク王国唯一の王子なんです。当然、利用しようとしてくる輩がいます。」


 「.....そんなのが嫌になっちゃったから。」


 「思わず......逃げてしまったんだと思います。」




 ずっと言ってた......我慢できない性格なんだよって。.....自嘲気味に。


 アレは.....そう言う意味だったんだな。




 「......私だって子供です。だから、分かってるんです。一人が寂しいことは。」


 「.....そうだね。」


 「でもスィニエークに戻っても、今度は権力争いに巻き込まれてしまう。.......どうしたらいいのか、分からないんです。」



 ......家族の元には返したい。でも戻れば、いらん連中に絡まれる事になる。


 ....レリュイちゃんだって子供なのに、リュウズの事を親身になって考えてる。



 ......何か言ってあげられることがある筈だ。




 「.....レリュイちゃん?思ったんだけど。」


 「....何でしょうか?」


 「........それ、今じゃなくても良くない?」


 「..........え?」




 まあ、そうなるよね。


 でも、こっちの考えも言わないと。



 「今帰るとダメなら、帰るのを遅らせればいいんだよ。」


 「ですが.....それでは........」



 まぁ、何も解決して無いな、これでは。



 「ほら、偉い人は.....えっと何てったっけ?あのぉ......他の国に勉強しに行く事....」


 「.......留学ですか?」


 「そうそれ!」



 家出したままなのは大問題だけど、留学なら話は別だ。



 「留学って形なら、帰るのを遅らせても大丈夫でしょ!」


 「ですが.....学ぶ所が.........」



 そこはまぁ、大丈夫だろう。



 「リュウズは吟遊詩人って言うのやっててね?.....人の事を勉強するのは、留学にならない?」



 庶民のことを学べるし、......これはいるか分かんないけど、唄や楽器の事、奏で方も学べる。


 .....充分留学だと思うけど。




 「それだったら、レリュイちゃんも護衛としてリュウズと一緒に居られると思うし、一石二鳥ってやつだよ!」


 「ひゅっ!?な、なな!?」



 あ、顔真っ赤になった。


 いや〜、君ら本当に分かりやすいなぁ。


 レリュイちゃんも充分寂しがり屋じゃ無いか。



 「と、突然何を!?いいい、言い出してるんですか?!」


 「いやだって......()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



 そんな声がずっと()()()()()()()()()



 「〜〜!!?!」



 あれ?ちょっと泣きそう?


 .....不思議なもんだなぁ。人って恥ずかしくなると、泣いちゃう事もあるんだなぁ。




 「....レリュイ、分かったろ?...そいつはいい事言った後に、台無しにする様な事をぶっ放す.....空気を読まないアホなんだよ。」



 扉側から、先程出てった少年の声がした。



 「リュウズ、お帰り!」


 「呑気な挨拶してる場合じゃ無いかもだぜ?」



 .....これは何かあったな。リュウズが真面目な顔してる。



 「何があった、リュウズ。」


 「話が早くて助かるよ。......エリーテ・ザナルカンドが来てる。」



 なっ!?エリーテがもう!?


 おかしい.....フルシュからシルワまで徒歩で二、三日。馬車でも一日かかる。


 それにこっちにすぐ来る理由がない筈だ。


 エリーテは僕が今、シルワにいる事を知らない。フルシュを探してこっちに来ても、間に合わない筈だ。



 「しらみつぶしに探したのか、情報が回ったのか.....あの子、()()()を使ってこっちに来たみたいだ。」


 「....そうか!転送!!」



 それだったら、距離関係なくすぐに着くことができる。


 だが、それを聞いて恐ろしいな。




 転送は魔術具が無いと成功しないぐらい本来なら難しい、魔法(奇跡)に限りなく近い魔術。



 仮に魔術具があっても、転送の難易度はかなり高い。できる者は相当限られてくる。



 そんな魔術を、九歳の少女がやるか!




 「.....ティーザ、どうする?.......お前の事だ、自分が行ってしまえばザナルカンドが大変な事になると思って逃げたんだよな?」


 「..........うん。捕まる訳には行かない。」



 流石に、エリーテに迷惑をかける訳には行かない。



 「......エリーテが南門から入って来るのが見えた。出るなら北門から出な。」



 教えてくれるのか。


 .....本当にお節介焼きな...!



 「ありがとう!」


 「俺らも出ようぜレリュイ?」


 「えっ?なぜですか?」



 レリュイちゃんに同意見。


 なんでだ?逃げるのは僕だけで、リュウズ達は関係ない筈.....



 「レリュイはともかく、俺はティーザといる所を見られたからな。.....俺が見つかったら、ティーザもいるって勘付かれるかも知れねぇ。」


 「.....そう言われれば、そうですね.....ザナルカンドの人達に見つかるのはまずい。」



 そういうものなのかな?



 「別にそこまで気にしないんじゃ無い?」


 「エリーテが気にしなくても、御付きの騎士共は気づくぜ?.....あそこの騎士は、本当に勘がいいからな。」



 あぁ、そう言えばザナルカンドの騎士はすごいって聞いたことがあるな。


 腕っぷしじゃなくて、隠れても探し出して来るからと聞いたが...そこまで?



 「あの....前に公開模擬戦闘で、ミディターの隠密部隊と、ザナルカンドの騎士達が訓練をしてたのですが........三十分でミディター側が、全員見つかって負けてました。」



 .......なるほど。


 つまり、ちょっとでも証拠を残せばすぐに見つかってしまうと言うことか。.....怖っ!



 「そりゃ、逃げるしか無いなぁ...」


 「だろ?.....て事で、俺らは"馬"に乗って逃げさせてもらうぜ!」



 ......あれ?



 「僕は乗せてもらえないやつ?」


 「ごめんなさいティーザ様...本当ならお乗せしたいのですが....子供でも三人も乗ると...」



 まぁ、普通そうか。


 狭くて乗れたものじゃないよな。



 「わかった、じゃあ早く出ますか!」


 「あぁ、そうしよう!」



 とにかくここから離れよう。






















 「フーパちゃぁん!!!来ていいよぉぉ!!!」



 ....何やってんのこの子は!?


 逃げなきゃいけないのに、何で居場所バラす様な事やってんの!?



 「悪りぃティーザ!これも必要な事だ!」


 「大声を出す事の何処が?!」



 全く持って必要性がない様に感じるんだけど。





 バサッバサッ!!




 「ん?....鳥にしては...」



 羽の音が大きいな?



 そう思って空を見上げると。





 「......ヒヒィン!!!」


 「――――――――――――――」





 ()()()()()()()()()()




 「.........天馬!?」



 御伽噺で見た事はあるが....実在したとは!



 「ん?ティーザは古い言い方なんだな。今じゃ、ペガサスっていうんだぜ?」




 リュウズが何かを言ってるが、僕の耳には全く聞こえなかった。


 流石に居ないだろうと思ってたものが、目の前にある。


 それだけで、感動モノだ。




 そして、フーパと呼ばれた天馬はこちらに来た。





 ドッガァ!!!


 「ヒヒィ!!?」



 ......勢い余って壁に激突した。



 「.....................えっ?」


 「あぁ、気にしなくていいですよ!フーパちゃんいつもこんな感じですから!」



 いや、駄目でしょうこれは.......


 普通の馬でも致命的だよ?



 「ブルルッ.......」



 意外に丈夫みたいだけど。



 「フーパちゃん、待たせたね!」


 「ブルルルゥ.......」



 天馬は人に懐きにくいと、母さんに聴いた事があるけど.....レリュイちゃんとフーパは仲が良いみたいだな。


 ......本当に翼が生えてる......かっこいい!





 「.......やっぱ、僕乗ってもいい?」



 ちょっと興味がある...!





 「悪いなティーザ!このペガサスは二人用なんだ!!」


 「イジワル!!!」



 リュウズめぇ....嫌な金持ちみたいな事しやがってぇ。



 「ごめんなさい.....この子非力なので...子供二人でもキツイぐらいなんです。」



 そうか.....それは仕方ないな。


 天馬の翼は、あくまで自分を飛ばす為だけの物だ。人を運ぶ物じゃない。


 重たいモノを持たせると、飛び立つ事も出来ないと言ってたし。


 二人用と言うのも、過言じゃないかも知れない。



 「...そっか、まぁ仕方ないか。」



 じゃあ、僕はこのまま走って逃げるとしますか。



 「お前の場合、走った方が速いだろ?」


 「まぁね!......乗ってみたかったけど。」



 ちょっと残念。



 「じゃあ、そろそろ行こうぜ。」


 「あ、はい!」






 そう言えば....何かを忘れてる様な..........


 ......あ!



 「リュウズ!お礼忘れずにね!!」


 「あ!そう言えば、お礼って何なんですか?!」


 「ティーザァ!余計なこと言うんじゃねぇ!!」



 よし、言いたい事は言えた!



 「じゃ!またね二人とも!!」


 「はい!ではまた、ティーザ様!!」


 「次会うまで、生きてろよ!」



 誰に言ってんだよリュウズ!












 そんなやり取りをして、彼らは空へ飛び立った。



 そんな二人の背中を見送って。






 「さてと.....あった!」



 顔を隠すためのフードをかぶって。



 「.........逃げますか!」



 北門に向かって歩き出した。



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