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第十七話 別の眠り



 「ごめんね...」



 ...謝ってどうすんのさ。



 「気にしなさんなお母ちゃん!」



 ちょびっとだけ眠るだけでしょ?


 .....だったら大丈夫。また会える。



 「もしかしてぇ?最愛の娘と逢えなくなるのが嫌なのかな〜?」


 「.....馬鹿言ってんじゃない!」



 ポカッ!



 「あいてっ!」



 叩かれた。




 「やれやれ.....本当に面倒くさい子ね....ふふっ!」



 笑ってくれた。...悲しい顔をしてた母さんが。





 ...えへへ、やっぱ最後は笑顔じゃないとね。






 「.....もう目覚める事もないかもだけど、何か言っときたいことある?」



 .....笑顔だったのに、また落ち込んだ。



 んもう......めんどいのはそっちだと思うんだけどな〜。




 「んっん〜、そうだね〜。」



 .....こういう時に、どういう事を言うべきかな...?



 「......んじゃあ...」



 .....きっとこの人は、一人にしてたら思い詰めてっておかしくなってしまう。



 ....じゃあ、おかしくならない"お呪い"でも残すかな。



 「お母ちゃん!」


 「...なぁに?」


 「寂しいの嫌だからさ......目が覚めるまで待っててね!!」



 あぁ、我ながら酷い事を言っている。



 目が覚めるまで、死なないでと言っている。


 .....いつ目覚めるのか、分かんないのに。




 「―――――――――ははっ...そうねぇ....」




 .....良かった、また笑ってくれた。




 「んじゃ、頼みます!!」


 「えぇ.....じゃあね。」




 ....そして儀式が始まった。








 意識が薄れて行く。/力が増して行く。



 魂が離れて行く。/力が入り込んでいく。



 .....寂しいし、もう会えない。

         /寂しいけど、きっとまた会える。



 「.....またね、お母ちゃん!」


 「......えぇ。」




























      「またね、ディアドラ。」
































       第一節  childhood 

















 「んにゃ〜、疲れるねぇ〜。」



 言おうと思った訳じゃないが、口からでた。



 「おいティーザさんよぅ?まだ着いてねぇんだ。...頼むぜ?」



 僕と一緒に行動してる男に注意される。


 .....一応そっちが付いて来てる立場なんだけど...



 「心配しなくても仕事はこなすから!......そう脅すなよ?情け無い。」



 「....ちっ...ならいいですよ。」




 舌打ちされた。


 .....流石にそこまでされると、気分が悪いな...




 (生意気なガキだな本当に。)


 (ちょっと、大丈夫なの?)


 (さぁな?)


 (こんな子供なんの役にも立たないわよ?)



 ....おまけにコソコソ話。


 ....そんなに信用ないか?...僕。


 

 (仕方ねぇだろ.....上が着いて行けって言って来たしよ。)







 .....僕は今、傭兵というのをやっている。


 といっても、戦争をしている訳ではない。

             .....戦争する気もない。


 主に行なっているのは、魔獣討伐などだ。





 .....最初は、魔獣に襲われてた商人を助けた時だ。

その時に、本部に連絡するから傭兵名を教えてくれと言われて、傭兵の存在を知った。





 本部というのは、魔獣対策本部の事で、各地に出没する魔獣を討伐するのが仕事の所だ。



 魔獣を倒すだけでお金が貰えるというのだから、やってみようと思った。理由はそんな物。





 今は、ティーザ・エリンという名前で通している。



 そっちの方が、都合がいいし....ややこしい事にもならない。



 今は、()()()()()()魔獣を討伐しに行く所だ。



 ......しかし何で、"後進育成"の為にこの人達を連れてかなくちゃいけないのか...



 正直一人の方がやりやすいんだけどなぁ。






 「えっと.....ティーザちゃ....君?」


 「今間違えかけたね?...泣くよ?」



 聞き逃さないよ?



 「べっ、別にいいじゃない!間違えられたくなければそんな髪形しなければいいじゃない!」





 ......ほう?そんな事を言うか...




 「.....君には関係ないだろ...!」





 母さんが良いって言ったからやってんだよ...!



 「ひっ!?」




 .....しまった。ちょっと怒ってしまった。


 いけないいけない。何でか知らないけど、僕が怒ると何故か周りの皆が怯えてしまうからな...気をつけないと。



 「...ごめんごめん!で、なに?」


 「....あ、えっと....」



 女の人は、少し怯えている。





 .....そんな怖いのかな....僕?


 まぁ、女の子って言われるよかマシだけど。




 「ティ、ティーザさんはいくつなんですか...?」


 「何で敬語?さっきまでタメ口だったし、気にしなくて良いよ?」



 いや、恐れ多いです!!と言われた。


 .....そんなに怖かったのだろうか?この人もそれなりに修羅場を潜ってる筈なのに。




 「まぁ良いけど?...今日で十二だよ。」


 「.....はぁ!?いやいや年齢詐称にも程があるわよ!アンタどう見ても十歳かそこらでしょ!?」



 結局タメ口になってるし。


 .....エリーテにも言われたけど、そんなに幼く見えるのかな、僕?



 「.....結構、割と気にしてる事だけどなぁ?」


 「えっ....あっ...ごめんなさい......」



 いやだから敬語は良いって.....と言おうと思ったが。



 「二人とも、着いたよ。」



 先に仕事場に着いてしまった。



 「.....えっ?森なの?」


 「そう!森。」


 「.......森なんて大した奴いないんじゃないですかい?」



 ん〜、この二人は森の恐ろしさを全く分かってないな〜。



 この世界の森は、神秘が濃い。



 そりゃ、洞窟とかに比べたら話は変わってくるかもだけど。



 「森は森の神秘があるからね。...洞窟とは勝手が違ってくる。」


 「へぇ〜、そうなんすね。」



 あんまり聞いてないな。


 .....まぁ、森の中に入れば嫌でも分かるか。


 森の恐ろしさってやつが。



 「んじゃ!森の中〜?行ってみよ〜!お〜!!」


 「えっ....おぉ〜?」


 「やらなくて良いだろ別に。」


 ...男の人ノリ悪いなぁ...やる気はあるみたいなんだけど。































 「.....この辺りだな。」


 「.......何がです?」


 「........匂いだよ。」



 魔獣とて生命体。生きて物を喰らう以上、排泄行為もする。



 「.....動物の糞じゃないの?」


 「それだったらここまで臭くない。」



 .....この感じ...取り巻きが多いようだな。



 「一応、本部の方から君らの実力を見てくれって言われてるんだけど...その話は聞いてる?」


 「.....つまりアレか?.....取り巻きは俺らがやれと?」



 うん。と答える。


 いやだって、タダ働きなんてダメでしょう?



 「大丈夫。本命の相手はちゃんと僕がする。」



 「......言いたい事だけ言ってくれるじゃねぇか...!このクソガキ...!」



 おおっと?何で怒った?


 ん〜、気に触る事は言ってない筈だけどなぁ?



 「今だったら相手も気づいてないから。好機だぞぉ〜?」


 「.....ここは大人しく行きましょう。ね?」


 「.......ちっ。」



 .......ひょっとして面倒ごとやらされるのが、嫌だったのかな?


 いやいや、君らその為に来たんじゃないの?



 「もし危なくなったら、僕も加勢するから。」



 「はいはい、お手を煩わせぬよう頑張りますよ。」



 減らないなぁ減らず口が。



 ............あっ、減らないから減らず口だった。



 「行くぞ?」


 「えぇ。」


 「3、2、.....シャアア!!」



 数を数え終わって、男が飛び出してった。



 (フゴッ!?フゴゴッ!!!)



 取り巻きはどうやら魔猪だったようだ。


 .....と言ってもまあ、一メートルくらいの大きさだけど。



 「死ねゴラァ!!!」


 (ものすごく口悪いな!?)



 だが腕は確かなようで、一体ずつ着実に始末している。



 「『炎は我が前で燃え盛り、敵を焼き滅ぼす』...行け!!」



 ボォヒュゥ!!


 (ブゴォォ!??!)



 女の人の戦い方も良い。


 男の人が戦いやすいように、見ていない方の魔猪を始末している。


 .....それに良いのは、巻き込まないように敢えて詠唱を短くしている事だな。




 魔術ってのは詠唱が長くなるほど、出力も増す。


 その恩恵を捨てて、自前の魔力出力で相手を倒している。....多分、相当に腕がいい。



 (以外に悪くないなぁ...)



 ちょっと期待はしてなかったが、この二人は強い。



 ()()()()()()()





 ...ゴォォ....ズゴォォ.....


 「!?なんだ!?」


 「地震!?」



 取り巻きを一体残らず倒した所で地響きが鳴り出した。



 ......起きたか。





 「あっ、ちょっと下がっといた方がいいかもよ?」


 「えっ?」「はぁ?」


 「.....突っ込んでくる。」



 ズゴゴゴッ!!!!





 「ブゴァァァ!!!!」



 「ちょ!?」「なんだこれッ!?」



 出て来たのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()




 「待てッ!?こんなん聞いてないぞ!!」


 「こんなの一体どこから出て来たのよ!?」





 ....流石に驚いたか。


 洞窟と違って森は、魔力の倉庫とも言える。


 それに森は、迷えば結構死ぬと言う人の恐怖が染み付いてたりもする。




 魔獣は竜人の余剰魔力から生み出される物。


 そんなもんが森に住み着けば、デカくもなるし、神秘を持つ.....物凄く強くなったりもする。



 「はいはい下がって、死んじゃうよ〜。」



 剣の柄に手を掛ける。



 「...アンタなんでアイツに近づいて...?」


 「いや、アイツが僕の本命だし。」



 不思議な事を聞く...


 ここに僕が居るんだから、そう言う事なのに...


 .....剣を抜く。




 「いやいや!?勝てる訳ないでしょ!?」


 「まぁまぁ、そこで見てなさいな?」



 剣を中腰に構える。


 .....腰はそのままにして、身体は後ろに。



 「ブゴァァァ!!!」



 ....突っ込んできたな...



 「ッ!本当に死ぬぞ!?」






 ......君はもってくれるか?....魔猪よ。




 ギリッ!!



 ......君はもってくれるか?.....剣よ。








 この技は、予備動作が大きい代わりに()()()()()()()()()()


 『予備動作を相手に見せる』と言う縛りで、速度を速めている。



 .....剣を突き出す勢いと、脚を使って翔んで相手に突撃する.....母さんの奥義とも言える技。







          『星旅』






 .....ズゴシャァ!!!










 .....放って、後ろを向いたら。



 ........()()()()()()()()()()()()()()()



 「――――――――――はっ?」



 あの二人は呆然としている。


 .....まぁ、僕も初めて見た時あぁなったから気持ちはわからなくもないけど。



 「.........えっ?........何が.....??」


 「いや、ただ突っ込んだだけ。」



 手順はややこしいけど、実際そんな技だし。



 .....バキャァン!



 「あ!.....また壊れた....新品だったのに。」




 まただ、この剣も僕の全力に耐えれない。





 「.....まぁ、こんな風に!森の魔獣は強いのが多いので、森に入る時は気をつけましょう!!」



 ....落ち込んでても仕方ない。気分を切り替えよう。



 「さぁ帰りましょう!早く帰ってご飯食べたいしね!!」



 「え....えぇ。」「.....そうだな。」



 あれ?落ち込んでる?


 ......まぁいいや。



 「それじゃ、サクッと"フルシュ"まで帰りますか!!!」






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